Contens
「クリエイティブ思考」とは何か?
最近よく言及されるようになった「クリエイティブ思考」
ロジカルシンキング(論理的思考)はものごとを単純化して効率的に考えるうえで必要な思考法として有名ですが、それと対をなす思考法といえますね。
「クリエイティブ思考」とは、知識・経験を結びつけ「新しい発想」をうみだすための思考法である、ということができます。
単純に「クリエイティブ思考」と「ロジカルシンキング」の違いを説明するならば、問題を考える場合に「現状分析」を行う際は「ロジカルシンキング」、「解決策」を導き出すのは「クリエイティブ思考」であるということができます(単純化したうえでのお話ですが…)
実際に、ものごとを何かの枠(フレーム)を用いて分析すること(=ロジカルシンキング)と、ものごとを新しいアプローチで解決に導くこと(クリエイティブ思考)は異なる知的作業になります。
「クリエイティブ思考」が必要である理由
さて、ではなぜ「クリエイティブ思考」が必要なのかを考えていきます。
現状として、私たちの社会は「恵まれている」といってよいですよね。例えば、カネ・モノ・ヒト・情報といったビジネスを行ううえでの条件でも、「それをいかに集めるか?」ということが問題になります。
しかし、リソース(資源)がない状態というのはもはや前提にはなりません。一般的に社会のどこかにそれは「ある」という仮定のもとで、私たちの社会生活は成立しています。
よって、私たちには「不足」ではなく、どのくらい「今の自分もしくは自分が所属している組織にリソースが集まるか?」を考えていく必要があります。大量生産大量消費時代はもはや時代遅れの概念になりつつあり、UberやAirbnbのようなシェアリングエコノミー(共有型経済)が新たなビジネスモデルとして注目され応用されたり、いわゆる「イノベーション」を様々な業界で起こしていくことで新たな収益や人気を獲得したりといった「知的創造」を我々一人ひとりがおこなっていかなくてはならない時代へと突入しました。
要するに、リソースがありふれている社会の中で、社会全体に蓄積された知識や、機会から得られる経験をいかに駆使するかが重要になってくる時代に突入した、ということ。
そして、そのような社会の中で必要なのは、「ロジカル」にものごとの構造をつかんでいく作業をする一方で、知識や経験をもとに新たな発想を「クリエイト」していく思考を身につけていくことだということができるのです。
では、「クリエイティブ思考」をみにつける前提条件とはなんでしょうか?
今回の記事では、必須の条件を2つご紹介していきます。
「クリエイティブ思考」の前提条件①:「幅広い教養をみにつけること」
クリエイティブ思考をみにつけるためには、まず前提となる「知識」「経験」が必要です。
クリエイティブ思考の記事や本を読むと、その方法論が論じられていますが、まずは個別的な知識がしっかり根底にないと、新しい発想を生むための「材料」がないので発想が浮かばない、という状況に陥ってしまいます。
その状況を打破するためには、「幅広い教養をみにつける」必要があります。
具体的には、「多くの経験を積む」→「フィードバックし、再挑戦する」ということが挙げられますが、この方法には限界がありますね。
なぜなら、「人の時間は有限だから」です。やれることも、考えることも、一人の思考と行動だけでは自ずと限界があります。人の体はひとつ、という事実は、思考法1つでどうにかなるようなものではないのです。
それでも人は「経験」をもってそれをクリエイティブに活かす必要がありますから、その場合は「追体験」を増やすのが最もよい方法です。
1.「本を読む」
2.「人の話を聞く」
2つの方法が「追体験」をする方法になります。
1.「本を読む」
本は、その著者の思考や経験をものの数時間で「疑似体験」することができます。実際に経験したら数十年かかることでも、その本を読むだけで数時間のうちにその経験を「追体験」することができますね。
2.「人の話を聞く」
この方法は、本だけでは疑似的に体験することができない「リアリティ」を補完する方法として挙げることができます。特に、自分とは業種・職種、周辺環境や立場が異なる人の話を積極的・意識的に聞くことで、自分が経験しようと思えばとても時間がかかる経験を「追体験」することができます。
人の話を聞く、というとたわいのない話や世間話に終わってしまうことが多いのですが、意識的に「追体験」する心づもりをもって傾聴すると、新しい発見がたくさんあります。
「クリエイティブ思考」の前提条件②:「嫌いなことをやってみること」
2つ目のクリエイティブ思考の前提条件は、「嫌いなことをやってみること」です。
「嫌いなこと」というのは、例えば「気になっていたけどまだ手を付けていないもの」「なんとなく難しそうなもの」「自分は苦手な分野だと思っているもの」など、「食わず嫌い」しているもののことを指します。
こういった「食わず嫌いのまま嫌いなもの」をあえてやってみる。
そうすることで今までには視野になかった新しい発見を簡単に見つけることができるようになります。
繰り返しになりますが、「クリエイティブ思考」のためには、自分の知識や経験が不可欠な要素になります。方法論だけをいくら頭に叩き込んでも、結局「材料」がないとどうしようもありません。
そして、あらゆる分野の知識や経験を総動員して新たな発想をうみだすためには、「発想の転回」が必要です。ある一つのものごとを考えるときに、既知のものを違った観点から見直すためには、自分にとって新しい視点を確保する必要があります。
クリエイティブ思考は「真ん中がない概念」です。
思考法やノウハウといったものは世の中にありふれていますが、結局は自らの「材料」-
知識や経験-の量に依存します。
まずは「動員できる知識と経験を増やす」ことを心がけましょう。
この記事の3つのポイント!
・クリエイティブ思考は「ものごとを新たなアプローチで解決する」ための思考法
・知識や経験をいかに駆使するかが重要な時代が来ている
・クリエイティブ思考の前提条件は2つある