若手ビジネスパーソンにとって重要なのは、委任・依頼された仕事を期限・求められている成果通りに着実にこなすことではないでしょうか?
ビジネスシーンにおいて当たり前な「期限を守り仕事で成果を出すこと」ですが、現に着実に仕事をこなせている人は実は少ないといえます。
いつの時代も、仕事術とて仕事を期限通りに終わらせるコツや成果をあげるコツが解説されています。つまり、どんな時代の若手であっても、同じ課題にぶつかっているのです。
今回は、仕事を着実にこなす若手に共通するシンプルな仕事術を4つご紹介していきます。この内容を理解することで、着実に思った通りの成果を出せる回数・割合が劇的に増えるでしょう。
「仕事の期限を守れない」「任された仕事を中途半端で終わらせてしまう」という悩みを抱えている若手のビジネスパーソンはぜひ参考にしてください。
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任された仕事を着実にこなすメリットとは?
若手社員の共通の悩みは「きちんと仕事ができているか」が73%
入社1年目〜3年目ほどの若手ビジネスパーソンのうち「仕事を着実にこなすことができている」と自信を持って答えられる人は少ないのではないかと思います。
若手社員がこなす仕事は職種・業種・属する業界や分野により様々なものがありますが、業界を問わず「仕事ができない」「自信がない」といった声は聞こえて来ますよね。
つまり、仕事を着実にこなせない要因は仕事や業務内容以外にもあるということです。
仕事を着実にこなせない要因を特定することは難しいですが、日本人全体の働くこと自体に対する不安を調べて見ると、内閣府「特集 今を生きる若者の意識~国際比較からみえてくるもの~」図表17に興味深いデータがありました。
ここでは、不安事項として「きちんと仕事ができるか」が73%と高い数値が出ています。このデータは「平成26年版 子ども・若者白書」に基づいた分析結果となっています。
きちんと仕事ができることが働き方の改善に繋がる
若手社員が、自分自身の仕事への取り組み方に自信を保つためには、現実的に「仕事で成果を出せるようにする」しか方法がありません。
ただ、ただやみくもに努力したところでできることは限られています。あなたはすでにそれを知っているからこそ、この記事を読んでいるはずです。
若手社員がやみくもに努力しても「きちんと仕事ができていると感じることができない」理由がちゃんとあるのです。
その理由とは、下記の通りです。
- 上司の指導・指示に問題がある。
- 若手社員の仕事の進め方に根本的な問題がある。
- 会社(職場)の根本的な労働問題がある。
このうち、仕事を着実にこなし、きちんと業務を進めることができるようになるためには「2.若手社員の仕事の進め方の問題」に対処するしか方法がありません。
それ以外は、あなたの努力だけではどうすることもできません。
ただし、ビジネスパーソンとして優秀でありたいと思うのであれば、現状を分析し、自分が解決できる問題を特定することが重要になります。現状分析は、どんな状況下でも必要です。
任された仕事を着実にこなすメリット
では、あなたの「仕事がきちんとできているか」という不安を解消するために、任された仕事を着実にこなす方法を伝えていきます。
ただし、その前に「仕事を着実にこなすメリット」について考えます。上司から任される仕事をこなすメリットはどのようなものかは下記の通りです。
- 上司・部下の関係を自ら円滑にすることができる。
- 社内外からの評判や評価・信頼性がアップする。
- 自信のビジネススキルの強み・弱み、得意、不得意が明確になる。
- 昇進・転職などのキャリアプランを考える余裕ができる。
理想論のように思えるかもしれませんが、この4つは「着実に仕事をこなす」という結果を残し続けることで得られるものです。
また、これは先ほどの「特集 今を生きる若者の意識~国際比較からみえてくるもの~」図表17における不安事項7割以上のものの多くに該当していることが分かります。
仕事を着実にこなす方法は下記でご紹介するように、「意外にシンプル」ですが、メリットは数多くあることをポイントとして押さえておきましょう。
任された仕事を着実にこなすための4つのシンプル仕事術
1 「仕事が進まない状況」をなくす仕事術
仕事が中途半端・未完了の状態で終わってしまう状況や、想定通り進捗の管理できていないときの仕事術は下記の通りです。
上司にすぐに質問する
仕事が進まないときはとにかく上司に質問することです。基本的には、若手社員に向けた仕事は「すでにフローが確立しているタスク」である割合が高いです。
そのため、最初の指示やその後の行き詰まりを感じたら、すぐに質問・相談を実行します。目安としては、「Google検索の次」くらいの優先度で考えておくと良いでしょう。
期限を短く設定する
「○日までに××の書類を提出する」などのような期限と成果物が設定されているタスクであっても、自身で詳細の期限を設定しておく必要があります。
ラストスパートで終わらせてしまうことを避けるためです。
たとえば、企画書の作成であれば…
- 「リサーチ」
- 「草案作成」
- 「上司にチェック依頼」
- 「フィードバックを受け企画書を固める」
- 「二度目のチェック依頼」
など細かくタスクを落とし込み、Todoリストと期限を書いたメモを作成し管理します。その途上でわからないことがおきた場合はすぐに上司に相談します。
2 「モチベーション低下」を防ぐ仕事術
仕事内容や期限を理解していてもなかなか仕事にやる気・モチベーションを出すことができず、最終的に期限ギリギリになんとか仕事をこなす…というパターンは珍しくありません。
モチベーション低下は仕事へのそもそもの魅力のなさや不満足が挙げられますが、今回はそのようなテーマではなく、仕事術の観点からモチベーション低下を防ぐ方法をご紹介します。
仕事をやる目的をあらかじめ明確にする
「こんな仕事やる意味ないぞ」と感じてしまうのは、特に雑用や所用を任されることが多い若手社員の”あるある”ではないでしょうか。
上司からの指示に、任されている仕事の目的・成果物・期限が含まれていない場合、それをあなた側からしっかり聞いておきます。
ただ、目的・成果物・期限が明確であるのにも関わらずモチベーションが上がらないのは、あなた自身が仕事に対する目的を明確にしていないことが大きな要因です。
- この仕事は一見雑用だが、学べることは何かないか?
- 最低限やれば良いことは○○だが、もっと工夫できることはないか?
- 自分にとってメリットのあるやり方・取り組み方はないだろうか?
たとえ「任され仕事」であっても、その仕事内容に自分自身が甘えてはいけないでしょう。現実として任され仕事ばかりであることは問題ですが、「任されている仕事だから」と言い訳をすることとは関係がありません。
上司に提案を行う
自分が取り組む仕事内容に不満があるのであれば、勇気を持ち上司に提案を行うことが必要です。
- 1の方法より2の方法が効率的だと考えています。
- 前回はこのやり方で○日かかりましたので、今回は効率化のため異なる方法で取り組みます。
- 前回の事例を踏まえて、今回はこのプランで進めていきたいと考えています。
上司への提案は、必ずしも「上司への反論」にはならないことを押さえて、上記の例のような形式で提案を試みましょう。
提案を行うことで、任され仕事ではなく自分自身で取り組む意義とモチベーションを見出すことができます。
「モチベーション教育」「社員のモチベーション向上」といった言葉が多く聞こえてくるようになりましたが、そのせいか「モチベーションは誰かが与えてくれるもの」と考えている人が少なくありません。
モチベーションを誰かから与えられるものとばかり捉えていると、上司や会社の不満だけを漏らしながら自分自身納得のいかない仕事をずっと続ける生活が待っています。
任された仕事を着実にこなす上では、モチベーション管理を自分自身で行う必要があります。
3 「マルチタスク」を予防する仕事術
マルチタスクは原則として避けるべき仕事の進め方です。
並行して様々な種類の仕事に取り組むと、意識や思考が分散されミスや失敗、不完全な成果物を量産してしまう結果に繋がることが多々あります。
ただし、現実として「一つの物事だけに集中できる仕事」などというものはありません。そこで重要なのが、マルチタスクを最小限にとどめ予防するための仕事術です。
スケジュールを真っ先に確保する
仕事を着実にこなすために必要なことは「スケジュールを確保すること」になります。当たり前ですが、あなた自身が現実的に仕事をこなせる余裕があるかを測る指標で最も重要な要素です。
しかし、仕事を着実にこなせない人は時間的な余裕よりもほかの要素を優先して仕事を請け負ったり、依頼されたりすることが多いです。
たとえば、「上司との関係」「同僚との関係」「取引先との関係」「私生活」「職場の雰囲気」「仕事の得手・不得手」などを優先してしまうことがあります。
結果、同じタイミングに複数の仕事が重なってしまい、着実に仕事がこなせない状況に陥ってしまいます。
まずは「スケジュール的に無理なことをやろうとしていないか?」を考え、不可能なスケジュールがすでにある場合はその見直しを測る必要があります。
仕事が増えた場合は他の人に依頼する
スケジュールに不可能な点や無理そうだと考えられる点がある場合にできることは「作業の分割」「他人への依頼」を行うことです。
1「仕事が進まない状況」をなくす仕事術の「期限を細かく設定する」でご紹介した通り、仕事を細かなTodoと期限に細分化しておくことで、作業を分割することが可能になります。
そうすると、誰かに任せられる範囲のことも自然に増えてきているはずです。
他の人に仕事を依頼するのは職場環境として難しい場合もあるかもしれませんが、たとえば軽く声をかけて手伝ってもらう程度にタスクを細かくすれば、任せられることも増えます。
4 「見落とし・忘れ」を回避する仕事術
スケジュール的には仕事をこなせていても見落としや忘れていることがあり結果に結びつかないのでは意味がありません。
仕事は結果がすべてです。結果に到るまでのプロセスは、重視すべきではあっても結果とすり替えるものではありません。
そのため、見落としや忘れといったケアレスミスを最小限にとどめ回避することが求められます。
自己管理を徹底する
ミス・失敗をなくすためにやれることはただひとつ「具体的な改善のアクションをとること」です。それ以外に方法はありません。
ミスや失敗を繰り返す人と、ミスを繰り返さず着実に仕事をこなす人の考え方の違いは下記の通りです。
ミスや失敗を繰り返す人の考え方(悪い例)
- 失敗・ミスを誰かのせいにしたり、環境のせいにする。
- 失敗・ミスを後悔し続ける。
- ミス・失敗を「ストレス」と捉えて早く忘れようとする。
- 気にしないように自分に言い聞かせ、特に対策を取ろうとはしない。
- 反省すれば改善すると思っている。
ミスを繰り返さず着実に仕事をこなす人の考え方(良い例)
- 前回のミス・失敗の要因を分析して整理する。
- ミス・失敗の要因を仕組みで解決しようとしている。
- 反省はするが、後悔はしない。
- ストレスとミスや失敗による叱責を混同しない。
ミスを繰り返さず着実に仕事をこなす人の考え方で最も重要なのは、「仕組みで解決すること」です。
具体的には、リマインダーの設定をしたり、スケジュール管理を見直したり、前回失敗につながった行動を意識的に止めたり…といった「具体的な行動」を指します。
まとめ
今回は、仕事を着実にこなす若手に共通するシンプルな仕事術を4つご紹介してきました。
中には、「当然のことだろう」と感じることもあるかと思いますが、徹底的に突き詰めて今回ご紹介した仕事術を実践すれば、仕事を着実にこなせることに間違いはないでしょう。
「言われた通りにやるだけ」は主体的な仕事の取り組み方ではありませんが、主体的に仕事に取り組むためには、それ以前に「言われた通り」の前提条件をしっかりクリアできるスキルが必要になります。
今回の記事を参考にぜひ、「着実に仕事をこなせるビジネスパーソン」を目指してくださいね。