「自主性」と「主体性」、あなたはどちらも備えていますか?
「自主性」と「主体性」という言葉は似てますが、実はまったく違う意味を持っています。
今回は、「自主性の意味」「主体性の意味」のそれぞれについて定義を確認していきます。
また、自主性と主体性の違いや、それぞれの似ている類語・対義語、そして両者を育て、高める方法についても解説していきます。
Contens
自主性の意味とは?
じしゅせい【自主性】
自分の判断で行動する態度。 「 -に欠ける」 「 -を生かす」
(引用:「自主性-コトバンク」)
「自主性」とは、「自分の判断で率先して行動する態度」のことを表す言葉です。
他人から言われたり、誰かから指示・命令されて初めて行動するのではなく、任されていることを明確にして自ら行動する人は「自主性のある人」と言えます。
「自主性」を持つ人は、自分のすべきことを明確にしています。それは同時に、その人のすべきことが、「あらかじめ明確にされていること」を意味します。
たとえば、「初対面の人と名刺交換する」「あいさつをする」といった単純なことから「こういう事態が発生した場合は、このように対処する」ということを”率先して”人より早く行うことが自主性になります。
自主的な人の意味とは?
自主性とは、「自分の判断で率先して行動する態度」のことを表す言葉であることを説明しました。
では、「自主的な人」とは、どのような意味を持つのか?
「自主的な人」とは、「すでに明確になっていることを、自分の判断で率先して行う(行動する)態度を持つ人」を指します。
たとえば、「非自主的な人」と「自主的な人」では、同じ業務を開始するにあたって「タイミング」「開始時間」が劇的に異なります。
また、やるべきことをきちんと把握してから業務に取り組むため、正確性や迅速性という観点から優れていることになります。
「自主的な人」は、そうでない人よりも、状況把握や業務遂行のスピードと正確性において、優れている人を指します。
主体性の意味とは?
しゅたい‐せい【主体性】
自分の意志・判断で行動しようとする態度。「主体性のない人」「主体性をもって仕事に取り組む」
(引用:「主体性-コトバンク」)
「主体性」は、「自分の判断で行動する態度」を指します。
この場合の自分の判断とは、「最も優先してすべきことは何か?」が明確でない場合でも、自分の考えと判断をフルに活用して、自分で責任を追って物事に取り組める性質です。
「主体的」「主体的な人」の意味とは?
「主体性を持つ人」は、自分のすべきことを明確にしているだけではなく、「解決策が決まっていない場合」や、「先行きが分からない場合」にも、率先して行動を起こし、周囲のフォローを活用してものごとを進めます。
たとえば、「業務フローの無駄な部分の改善策を提案する」ことや、「プロジェクトリーダーとしてメンバーに仕事を配分する」ことなどです。
あらかじめ、「すべきこと」が明確でない場合に発揮されるスキルです。
また、「主体的」とは、「すべきこと=目的」を明確にすることから考え、実行する態度のことです。
「自主性」と「主体性」の違いとは何か?
では、「自主性」と「主体性」の違いは、どのような部分にあるのでしょうか?
一言で表すならば、その違いは「すべきことが明確な場合かどうか」ということです。
すべきことが明確な場合に、それを率先して行うスキルが「自主性」
そして、すべきことが明確でない場合に、それを明確にしつつ率先して行うスキルが「主体性」になります。
自主性 | 主体性 | |
---|---|---|
意味 | ・自分の判断で「率先して」行動する態度 | ・自分の判断で行動する態度 |
両者の違い |
・すべきことが明確である。 ・責任は上司・関係者・行動を明確化した者にある。 |
・すべきことが不明確・不明瞭である。 ・行動に責任を問われる。 |
スキルを難易度で表すと「主体性>自主性」になるでしょう。主体性のほうが、身に着けるのが難しいスキルになります。
この2つの違いを明確にすることには、「どちらのスキルを伸ばせばいいのかが分かる」という大きなメリットがあります。
自主性と主体性を高める方法とは何か?
では、最後に「どちらのスキルを伸ばすべきか?」を判断するための考え方をご紹介していきます。
「自主性や主体性を高める方法」を知ることは、「自分は『自主性』と『主体性』のどちらが足りないのか?」を把握したうえで改善する際に有効です。
「自主性」を高める方法とは?
「決められていることを率先してできない人」は、「自主性」が不足しています。すべきことは、「今自分がすべきこと」を忘れずに把握しておくことです。
また、そのための仕組みづくりが重要になります。
たとえば下記のような工夫が必要になります。
- スケジュール管理
- 責任感を持つためのリマインド
- 「報連相」の徹底
つまり、明確になっている仕事をいかに素早く、正確に、不必要な指示・指摘を仰がずとも実行できる基礎的なスキルになると言えます。
「主体性」を高める方法とは?
「決められていることはこなせるが、分からないことや不安なことに関する行動力が足りない人」は、「主体性」が不足しています。
すべきことは、「今率先して行っている行動の必要性や意味をもう一度考えてみる」ことです。
- 自分で未知のものごとを解決するためのロジカルシンキング
- 今の状態を批判的に見るクリティカルシンキング
- 問題解決のためのデザイン思考
具体的な業務の知識だけではなく、知識を活用するためのマインドセット・スキルセットとなるメタ的な「知識の使い方」「応用方法」を学ぶことが急務となります。
「自主性」と「主体性」のどちらが足りないのかは、意味を知ることですぐに理解することができます。
しかし、注意点が一つ。
それは「自主性がないと主体性も身につかない」ということです。
まずは、「すべきことが明確であること」に率先して取り組める習慣をつけることが大切であるといえるでしょう。
「自主性」「主体性」の類語
ここでは、自主性・主体性の双方と似ている言葉や類語について、その意味と違いを解説していきます。
ビジネスシーンにおいては、「〜的」「〜性」「〜力」のような抽象概念が多く使われますが、その本質を理解しなければ、身に付けることはできません。
ここで、似ている言葉との類似性や、違いについて明確にしておきましょう。
積極性の意味と自主性・主体性との違い
積極性とは、「進んでことを行う性質」という意味を持つ言葉です。
自主性と同じ意味で用いられることがありますが、違いを明確にするとすれば、「自主性」には「行動の自発的な開始」が問われるのに対して、「積極性」では「行動の自発的な開始」は問われないという点にあります。
たとえば、「○○の業務を終わらせる」という明確な指示があった場合、「積極性があり自主性がない場合」には、命令・指示されて初めて業務を開始しても、やる気があれば「積極性がある」と見なすことができます。
自発性の意味と自主性・主体性との違い
自発性とは、「他からの影響・教示などによるのでなく、自分から進んで事を行おうとすること」を意味する言葉です。
「他からの影響・教示」をどのように解釈するかにもよりますが、自主性が「明確にされていることを自分で判断しおこなう」ことである点で、「自主性」と同じ意味を持つ言葉と言えます。
主体性とは、自主性と同じく「やるべきことが明確でない場合かどうか?」という点に違いがみられるでしょう。
「自主性」「主体性」の対義語
ここでは、「自主性」「主体性」と反対の意味を持つ言葉や対義語について解説していきます。
受動性の意味と自主性・主体性との違い
受動性とは、「他からの働きかけを受け入れる性質」を意味する言葉です。
「他からの働きかけ」が何をさすのかによって考え方が異なりますが、自主性の場合は自分で判断し行動することを指すため、受動性とは反対の意味を持つことになるでしょう。
一方、「主体性」との違いに関しては様々な考え方があります。
主体性とは、「やるべきことが明確でない場合」にも、自分で何をするべきかを考えることでした。
そのため、ときには「受動的な状態」も受け入れるべきタイミングがあるかもしれません。考えたうえで主体的に「受け身の状態になる」と判断した場合、それは「受動的であっても主体性がある」と見なすことができるでしょう。
協調性の意味と自主性・主体性との違い
協調性とは、「異なった環境や立場に存する複数の者が互いに助け合ったり譲り合ったりしながら同じ目標に向かって任務を遂行する素質」のことを指します。
多様性を認め、異なるバックグラウンドを持つチームの中で、任務を遂行することができる性質のことと言い換えることもできます。
この場合、自主性・主体性とは逆の性質のケースもあります。
たとえば、協調性があるが主体性や自主性がない場合は、「イエスマン」「付和雷同」などの言葉が当てはまります。
一方、自主的・主体的に行動する人の多くは、様々な背景や考え方を持つ人々をチームとしてまとめ上げ、大きな成果を出すことができます。
そのため、反対の言葉というよりも、自主性や主体性とは別軸の性質であると考えるべきでしょう。
自主性と主体性の違いを明確し、身に付ける
今回は、似ている言葉である「自主性」と「主体性」の意味と違いについてご紹介しました。
「自主性」も「主体性」も、組織単位で動く職場において活躍するためには必須のスキル。
生産年齢人口が減少とグローバル化で、一人ひとりの生産性がより重要になってくる現代社会においては、この2つのスキルを必ず身に着けておくべきでしょう。
また、自分で探さないと情報が手に入らなかった時代に比べて、今は簡単に情報が手に入る時代。その分、現在の若手ビジネスパーソンにとって、「自主性」や「主体性」は自然に身につくものではなくなってきているとも言えます。
よって、「自主性」や「主体性」を社内教育や指導を通して教えることも重要な役割になります。
違いを明確にすれば、「自分や指導する部下に不足している性質・スキルは何か?」ということをすぐに把握し、行動することができます。必ずおさえておき、現場でのスキルアップに役立ててくださいね。
まとめ|「主体性」「自主性」が身につく環境選びが重要です
「主体性」「自主性」は、日々の仕事の中で意識的に行動することで初めて身につく後天的なスキルであるといえます。今の環境で最大限工夫していくことが求められると言いかえることもできますね。
しかし、主体性や自主性は自分を取り巻く環境によって身につくスピードが異なってきます。たとえば、指示内容や指摘する事柄が一貫している上司の元で自主性を発揮しようと努力する場合と、感情的に叱る上司がいる職場で自主性を発揮しようとする場合では、明らかに前者のほうが成長スピードを早めることができます。
自主性や主体性を身につけることができるかどうかは、「職場における人間関係の良し悪し」に関係していることがわかりますね。
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参考:主体性(読み)しゅたいせい(英語表記)subjectivity – コトバンク