「途中までは抜け目なくやっていたが、最後の最後で詰めが甘かった…」「カンペキに仕事をこなしたつもりだったが、途中でミスをしていた…」そんな失敗をしてしまう方はけっこう多いようです。
しかし、そのような失敗は「集中できていない」「注意力が足りない」という単純な理由だけではなく、様々な理由が絡み合って「詰めが甘い状態」になっていると考えられます。
そこで今回は、「詰めの甘さ」によって失敗してしまうことが多い人の特徴や、当てはまる人が実践すべき、「詰めの甘さを克服するための改善策」について紹介していきます。
「詰めの甘さ」で大変な思いをしないように、今回ご紹介する方法をぜひ実践してみましょう。
Contens
詰めが甘いの意味とは?
詰めが甘いとは、「物事の最後の局面で行なうべき対処が不適切なことによって、これまでの結果や過程が台無しなものになってしまうこと」です。
物事の最後の局面への対処が不適切で,せっかく成功しそうになっているものを台無しにしてしまう。
「詰めの甘さ」は、考え方や行動のクセになっている場合がほとんどです。物事の最終段階に差し掛かったときに詰めが甘くなってしまうのは、仕事に取り組むときの考え方や行動に問題があるから。
「最後まできちんと仕事をやり遂げられず、詰めが甘い」と周りの人々から評価されてしまうことは、仕事における信用・信頼やパフォーマンスの低下に繋がります。
詰めの甘さを直すのであれば、これまで向き合っていなかった自分としっかり向き合うつもりで克服法を実践することが求められます。
「詰めが甘い」の類語|脇が甘い、不用意、決定打を欠く
詰めが甘いという言葉だけでは、具体的にどのような性格・仕事への態度を表しているかいまいちピンと来ていない方もいるのではないかと思います。
詰めが甘いとは、おおよそ下記のような同義語・類語で表すことができます。
- 脇が甘い
- 決め手に欠ける
- 不用意
- 注意力散漫
- 画竜点睛を欠く
- 完成度が低い
- 決定打を欠く
すべて仕事に当てはめて考えてみるとわかりやすいです。いくらスピードが早くても注意力散漫では失敗ミスに繋がります。また、最終段階でミスや失敗をしていないかをチェックしなければ、完成度の低い仕事になりかねません。
「詰めが甘い」の対義語
詰めが甘いの対義語は下記の通りそれほど多くありません。厳密には対義語となる言葉はありませんが、おおよそ反対の意味を持つ言葉としては下記が挙げられます。
- 「勝って兜の緒を締めよ」
- そつがない
- 厳密
- 精緻
- 油断大敵
最終段階でこれまでの過程や成果を水の泡にしてしまうのを避けるためには、最後の最後まで注意深く厳密に仕事をすることが大切です。
また、厳密に仕事をしていくためには、確認作業をせずに仕事を進めるよりも多くの時間がかかります。詰めが甘くなく、油断しない人は、そういったチェック作業を含めて仕事の計画を立てています。
「詰めが甘い」の語源
そもそも仕事における「詰め」とはどのようなものでしょうか?
たとえば、何らかの業務マニュアルの作成を上司から求められるとします。この場合、内容自体は優れているのに、誤字脱字が多く読むのが困難になってしまっている、これが「詰め」の甘さです。
詰めとは物事の最終段階を表す言葉です。将棋の「詰み」から来ています。
将棋の勝負の最終段階では、相手の駒の身動きが取れないように自分の駒を配置し、相手がどうすることもできなくなった時点で「詰み」になります。
仕事は、将棋のように計画と計算を通して順序よく自分の時間とスキルを使いこなしていくもの。そのため、重要なのは成果につながる最終段階なのです。
その最終段階の詰めがしっかり定まっていなかったり、チェックされていなかったりすると、仕事自体をこなせていないという結果に終わってしまいます。
ここまで、詰めが甘いという言葉の意味について解説してきました。
次は、詰めが甘い人にはどのような性格の傾向・共通点があるのかについて見ていきます。当てはまる人はそれぞれの解説を参考に、毎日の習慣の中で改善していけるようにしましょう。
詰めが甘い人の特徴とは?
詰めが甘いのは、先ほども解説したとおり考え方や行動のクセが原因になって起きるものです。そのため、下記の性格に当てはまっていたとしても、クセを直すことで改善することができます。
「なんでこんなこともできないんだ…」という劣等感を感じることもあるかもしれませんが、自分を卑下しなくても改善していくことは可能です。
下記のそれぞれの性格と性格に対するアドバイスを参考に、性格の面から詰めの甘さを改善していきましょう。
1 何事も急いでしまう性格
依頼されたことや、任されたことをできる限り早く終わらせたいと考えている性格の人は、物事に取り組む前に準備する時間が少なく失敗やミスを誘発しやすいです。
また、作業・業務中にもとにかく急ぐことを優先しているため、少し気になることや不安なことがあっても報告したり相談したりすることはなく、ほぼワンマンプレーで仕事をしてしまいます。
そのため、早めに仕事を終わらせることはできてもミスや失敗が根本的な部分で目立ってしまい、急いだ分確保できたせっかくの時間を、その修正やミスのリカバリーに費やすことになります。
どうしても急いでしまう性格の人は、「そもそも急いで取り組むことにどんな意味・メリットがあるのか?」をよく考えてみましょう。
2 つい見栄を張ってしまう性格
「他人に相談をするまでもなく自分一人で仕事を完遂できる」と考え見栄を張ってしまう性格の人は、実際に他人へ助けやアドバイスを求める段階でも無理をしてしまい、詰めの甘さが露呈します。
また、自分のプライドや見栄が邪魔をすることによって、本来なら誰かにチェックしてもらうことで防げたはずのミスや、仕事の根本的な間違いをそのままにしてしまいます。
見栄を張ってしまう人は、「この仕事でミスや失敗をしてしまったときに、周囲からの評価や信頼感がどのくらい下がるだろうか?」をイメージしましょう。
「聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥」と言いますが、今あなたが抱いている見栄が本当に張るべき見栄なのかどうかは、毎回自問自答していくことが必要です。
3 楽観的過ぎる性格
物事に対してポジティブに考えることの多い性格の人は、基本的に物事に前向きに取り組むことができるため、仕事における改善スピードが早く優秀な人も多いはずです。
しかし一方で、自分の能力やスキルに対して楽観視していたり、仕事のミスや失敗はどうせ起こらないだろうと思っていたりなど「楽観的過ぎる」のは問題です。
楽観的になるべきなのは「できるかわからないけどやってみる」というチャレンジを始めるとき。すでにやり方が分かっている仕事では、楽観的よりもむしろ悲観的・批判的に取り組むべきです。
4 物事を軽く簡単なものとして扱う性格
物事を軽く簡単なものとして扱う性格は、楽観的な性格とよく似ています。
物事を軽く簡単なものとして扱うとは、「大きな問題を小さな問題だと考える」「自分の関係ない部分には関わりを持たない」「どうせたいしたことないとたかをくくる」といった考え方のこと。
こういった、物事を軽く扱う性格は「百害あって一利なし」といえます。
5 計画性よりも突発的な衝動で行動する性格
計画を立てて何かを始めるよりも、突発的に「やりたい」「買いたい」「行きたい」といった衝動で動くことが多い性格の人は、詰めが甘くなりがちです。
プライベートの時間では、突発的に旅行したり、突発的に友達と会ったりといった計画性のなさが逆に楽しいこともあるため、すべて計画的にする必要はありません。
しかし、仕事は必ず計画的に進めるべきです。また、作業や仕事の始まりと終わりが明確にわかる計画を建てないと、第三者に迷惑をかけることもたくさんあります。
「計画を立てる」という習慣を、スケジュール帳やカレンダー、メモアプリなどを活用して作っていくだけでも効果があります。
6 物事を狭い範囲や自分の意見だけで考える性格
物事に対して自分の意見だけで考えたり、感情的な議論に終止したり、自分とは異なる視点を持っている人を安易に批判したりする人は「詰めが甘い」状態に陥りがちです。
詰めの甘さは、自分のクセから出てくるものです。クセとは日常的な習慣ですが、「自分はこのままで良い」と現状の自分に満足しているからこそ、改善したりクセを直したりすることがないのです。
つまり、物事を考える視野が狭いと、自分の改善点が分からずいつまで経っても詰めが甘いままなのです。
物事を広い範囲で考えたり、自分の意見だけではなく広く他人の意見を受け入れたりすることは訓練が必要ですが、ニュースなどを観たときに問題の「事実」「意見」を分けるクセをつけておくだけでも視野が広がります。
7 自信家
自信家であり自分の行動や考え方を強く信じている人の中にも、詰めの甘い仕事をしてしまう人がいます。場合によっては、詰めの甘さを自覚していない場合があるため注意が必要です。
自身を持つことはとても重要なことですが、自信を持つために信じる根拠をはっきりさせることに力を使うことが大切です。
簡単に自分を信じるのではなく、自分は信用できないものと言う前提に立って仕事をすることが求められます。
どんな優秀な人でも不注意であればケアレスミスをします。専門的な知識があっても思いがけないことでつまづくことがあるのです。
ここまで、詰めが甘い性格の持ち主の特徴をご紹介してきました。これを読んでいるあなたに当てはまるものはあったでしょうか?
もし合った場合でも、特に心配しすぎる必要はありません。そうではなく「この性格を改善するために何ができるのか?」を考えるべきです。
では、改善するためには何をするべきなのか、より具体的に見ていきましょう。次は、詰めの甘さを克服するための方法について見ていきます。
詰めが甘いのを克服するための9つの改善策
1 「報告・連絡・相談」を徹底する
詰めの甘さを克服する前にやるべきことは、詰めが甘い自分の仕事ぶりを上司や同僚、ともに働くメンバーに見えるようにすることです。
ビジネス現場では、「報告・連絡・相談(ほうれんそう)」は必ず教えられ、徹底されているものです。
詰めの甘さを克服するためには、まずこの3つを意識し実行する必要があります。
しかし、報告・連絡・相談を徹底するのは実はとても難しいこと。
たとえば、上司が考えている「こういう場合は連絡してほしい」という境界と、自分が考えている「ここからは報告するべきだよな…」という境界は食い違っているかもしれません。
そのため、仕事を始める前に自分が報告・連絡・相談をするべき相手を確認しておくことや、「どういった場合に報告すべきか?」という基準を決めておく必要があります。
まずは、報告・連絡・相談をするべき上司に「始める前」「途中経過」「完了後」を基本として、ほかに報告が必要ないかを確認することから始めましょう。
2 「始めから終わりまで」の計画を立てて実行する
詰めの甘さが露呈してしまう人の特徴として、ある程度までは予定していたやり方で仕事を進めるものの、終わり間近では力技で押し切ることが挙げられます。
50%までは計画通りに進めたが、残りの50%は「アドリブ」でやってしまうことです。「計画や予定を修正するのが面倒だから」という理由で、途中で期限ややるべきことが変更しても計画を練り直すことがありません。
計画を立てない仕事は必ずと言ってよいほど失敗やミスが起きます。取り組んでいる最中は、リスクや失敗、ミスに繋がる行動を客観的に見ることができないためです。
不慣れなことや初めて取り組むことでは特に、必ず計画を立てるクセをつけましょう。
また、計画を立てる段階でどうすればよいのかわからなくなるときも、上司に相談するなどの対策を取ります。
3 集中力を高めて「言い訳」を減らす
単純な方法ではありますが、ミスや失敗を減らすのに最も有効な手段は、その仕事一つに「集中する」ことです。
それは、「すべての作業やタスクを意識することができる」ということ。複雑な工程を踏まえなければならないタスクは、その分「詰めの甘さ」が出てしまう可能性が大きいものです。
しかし、複雑な工程の一つ一つに集中しておくことで、後から振り返ったときに「あの場面でこの確認をすべきだったな…」とすぐに改善点を引き出すことができるようになります。
「あのときは調子が悪かったからな…」「他の案件もかけもちしていたしな…」と正当化してしまうことがないようにすれば、詰めの甘さも少なくなっていくでしょう。
4 事前に与えられた情報を批判的に捉える
仕事を上司などから任される場合には、必ず情報が共有されます。
中には、「○○のフローに則って仕事を進める」というマニュアルがあり、それに沿って仕事を進めればおおよその仕事がこなせることもあるでしょう。
しかし、「与えられた情報」を批判的にとらえて、不足している情報がないかを始める前にチェックしておくことが重要です。
始める前は「簡単な仕事だ」と思っていたのに、実際に取り組み始めると予想以上に難しい/時間がかかってしまうことが分かったという経験がある人は多いでしょう。
その経験は、情報を批判的に見なかったことが原因なのです。
実際に自分がこの仕事を取り組むことを具体的にイメージして、始める前から準備することが重要です。
また、早めに仕事に手を付けておおよその行程や難易度を把握しておくのも良いでしょう。
5 「たぶん大丈夫だろう」を禁止にする
楽観的な態度や考え方で仕事に取り組むことで、詰めの甘さが露呈してしまうことが多いです。
それを防ぐためには「多分大丈夫だろう」という意識自体を禁止すること。
具体的な方法としては、「必ず自分の目で見て確認する」「信頼できるメンバーにチェックを依頼する」「チェックリストを作る」などが挙げられます。
「多分」ではなく確実に大丈夫だと自信を持って言えるためには、自分に自信を持つよりも先にやるべきことがあります。
仕事は、楽観的よりもむしろ悲観的に。
最悪なケースを想定して取り組むことで、確実に仕事を進めていくことができます。
6 事前にわかるリスクには対策を練っておく
詰めの甘さを残さない仕事をするためには、事前にわかるリスクには最初から対策を練っておくことが重要になります。
仕事によってリスクは様々なものがありますが、たとえば「明日の○時に急遽違う仕事が入った場合には代わりにどの時間をこの仕事に充てるべきか?」といったものです。
事前に、ある程度予測できる失敗やミスのリスクを洗い出しておくことで、計画を修正することになってもイチから考える必要がなくなることがあります。
7 不安なことや引っかかることはすべて明確にする
仕事を進めていく中では、「不安なこと」「引っかかること」「分からないこと」はほぼ必ず出てくるはずです。
しかし、大半は実際に問題なく終わることが多いため、多少不安があってもそのまま仕事を進めてしまう人が多いのではないでしょうか?
不安をそのまま残しておくと、重大なミスや失敗の原因になる可能性があります。
ヒヤリ・ハットは、「ハインリヒの法則」という労働災害の経験則の一つ。1つの大きな事故の背後には「29」の軽微な事故があり、その背景にはさらに300の異常が存在するという統計学上の数字が根拠になっています。
この「300の異常」こそが、「ヒヤリ」「ハット」を指します。
要するに、自らの行動の中で、ひやりとした経験や、ハッと気づいたことがらが積み重なった結果、「重大な事故」に繋がるというもの。労働災害でなくとも、失敗やミスを予防する方法として大切な考え方です。
引用:【メタ認知】自分を客観的に見て「判断力」を身につける6つの方法 – IKIKATA
一つの重大な自己には29の軽微な事故、その背景には300の異常があるという「ハインリヒの法則」によれば、あなたがいつも感じている仕事の不安も「ヒヤリ」とする体験です。
詰めが甘い仕事を軽微な事故と捉えれば、不安や懸念点をそのままにしておくことのリスクを強く感じることができます。
わからないことはすべて仕事を終わらせるまでに逐一上司やメンバーに相談するなどして、後々に怒るかもしれないミスを未然に防ぎましょう。
8 確認・チェック作業を第三者に依頼する
仕事を完了させたら、報告する前に必ず確認・チェック作業をおこないましょう。上司でも、同僚でも後輩でも良いですので、第三者への依頼を通して間違い箇所がないかをチェックしてもらいます。
自分でしっかりチェックした後に依頼することが前提ですが、ダブルチェック以上を必ず徹底するようにすれば、誤字脱字やケアレスミスなどの詰めの甘さを改善することができます。
9 チェックフローを自分で作成する
初めて取り組んだ仕事や、まだマニュアルや流れが整っていない仕事をしたときには、その業務が終わってから自分なりのチェック項目やマニュアルを作成しましょう。
メモ帳やテキストに簡単に作業の流れとチェックポイントをメモするだけでも効果があります。次回以降、また同じ仕事をする際には、その資料を読み返しておくのです。
そうすると、2回目以降の凡ミスがなくなり、仕事の精度は回数を増すごとに向上していきます。
まとめ|「1人では改善できないこと」を見極めることも大切!
今回は「詰めが甘い仕事」をしてしまう人の性格や、詰めの甘さを克服するための方法をご紹介してきました。日々の仕事の中で実践し、少しずつ前進することが大切であるといえるでしょう。
しかし、「仕事における失敗・ミス」はすべて自分一人で解決できるわけではありません。
周りの環境のせいにばかりすることはNGですが、かといって「1人で改善できること」にも限界があります。なぜなら、仕事は1人だけで完結するものではないからです。
たとえば、仕事内容とは別に「職場の人間関係が悪い」などといった状況がある場合、あなた1人がいくら注意して仕事をしても状況が一向に変わらない場合もあります。
大手転職サイト「リクナビ」では、転職理由の本音ランキングを掲載しています。
1位:上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった(23%)
2位:労働時間・環境が不満だった(14%)
3位:同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった(13%)
この転職理由の本音ランキングでは、上位3つの転職理由のうち、1位と3位が「人間関係の悩み」を原因として退職していることが分かります。
人間関係が原因で退職し、新しい環境を求めて転職をすることは決して間違いではありません。
今回ご紹介した「詰めが甘い仕事をしないためのポイント」を実践しても改善されない組織にいる場合は「転職」を考えることもひとつの方法です。
今の職場に満足してる?リスクなしで転職するための4つのコツ
ここでは、今の職場や待遇、働き方に不満を抱いている方に向けて、転職活動を始めるにあたって必ずおさえておくべきことをご紹介していきます。
転職活動というと、下記のようなイメージがあるのではないでしょうか?
- 「失業リスクがある」
- 「これまでに積み重ねた経験・キャリアがムダになる」
- 「転職すると給料が下がる」
- 「新しい環境に慣れるのが大変そう」
しかし、この4つの不安は下記の「4つのコツ」で解消することができます。転職したいと考えているけど、不安を解消できないと感じる方はぜひ参考にしてください。
1 転職活動に失業リスクはない!
転職活動を始めるにあたって最も不安なことは、「転職活動をすると、失業するのではないか?」というものだと思います。
一般に、仕事を辞めたり、退職して他の仕事を始めたりすることには、ネガティブなイメージを持つ方も大勢います。しかし、それは”間違い”です。
大手転職サービスを運営している「リクナビ」が公開しているデータには、こう書かれています。
20代では76%が「転職経験なし」という結果となっています。30代になると「転職経験なし」の割合は一気に減少し、半分以上の人が転職を経験。4人に1人は「転職1回」、そして約3割の人が「2回以上の転職」を経験しているという結果になりました。
20代では「10人中3人以上」、30代では「4人中1人以上」の人が転職活動を経験しています。
つまり、今では転職活動自体はそれほど珍しいことではなく、むしろそれが当たり前になってきているのが現状です。
ではなぜ、転職活動をすることができる人が増えているのでしょうか?理由は大きく2つあります。
理由1 「中途採用を積極的におこなう企業が増えた」
人材市場・転職市場の動向をアンケートをもとに調査しているリクルートワークスが公開したデータでは、近年は中途採用を積極的におこなう企業が増えたことが示されています。
2018年度の中途採用の見通しについては、「増える」(18.6%)が「減る」(4.0%)を大きく上回っている。
つまり、転職市場は「売り手市場」で、人手不足は飲食業界・情報通信業界(IT)・不動産業界を中心に活発に採用活動が行われていることを示しています。
理由2 「転職活動を在職中にできるサービスが増えた」
転職市場が売り手市場だといっても、「実際に自分のもとに内定が来るかは分からない」という不安は残りますよね。
しかし、その点についても心配いりません。今では、「働きながら転職活動をすること」がふつうです。
たとえば、一昔前までは、下記のすべての転職準備を、自分で調べながらやる必要がありました。
- 求人を探す
- 履歴書・職務経歴書を作成する
- 面接準備をして面接日程を応募企業と調整する
- 面接を1次〜3次まで突破する
- 給与条件や入社日を人事側と調整する
- 今の会社を辞めるための退職手続きや保険関係の手続きをおこなう
これだけ見ても、かなり大変であることがわかりますよね。
でも今は、「転職エージェント」を活用することができます。
転職エージェントとは、あなたの代わりに希望条件に合った求人を選び、人事側とスケジュール調整をしてくれたり、履歴書や職務経歴書の添削サポートをおこなってくれたりする無料サービスです。
そのため、転職するために仕事を先に辞める必要はありませんし、会社にバレる心配がありません。また、自分で準備するのは最小限にしたうえで転職活動をおこなうことができます。
…
以上2つの理由から、転職活動にリスクがないことがおわかりいただけたのではないかと思います。転職エージェントについてもっと詳しく知りたいという方は下記記事をご覧ください。
おすすめ記事:転職エージェントとは?おすすめの選び方と比較ポイントを徹底解説!
おすすめ転職エージェントは下記記事でご紹介しています。活用法や利用の流れも解説しているので、「転職エージェントを選びたい」という方はぜひ参考にしましょう。
また、「自分で求人を探したい」「自分のペースで求人を見てみたい」という方は、こちらの「転職サイトランキング」を参考にしてくださいね。
おすすめ記事:おすすめ転職サイトランキング!選び方や登録後の流れ、活用法まとめ
2 これまで積み重ねてきた経験・キャリアは転職で活かせる
転職するときの悩みのひとつとして多くあげられるのは、「これまで積み重ねてきた経験・キャリアがムダになってしまうかもしれない」という不安です。
特に、30代前後である程度長く職場で働いてきた方や、エンジニアや金融・不動産などの専門的な営業をしてきた方は、そう感じることも多いでしょう。
これまで得てきた経験を活かすには、「同じ業界・職種/業種で活躍することができる仕事」を探すことが大切になります。
「同じ業界・職種/業種」で活躍することができる仕事を探すには、「業界・職種/業種に特化した転職エージェントや転職サイトを使うこと」をおすすめします。
あなたの経験・キャリアを正しく評価してくれる職場であれば、今の給料よりも高い金額を提示してくれます。
もしなかったら、そのときは転職をしなければ良いのです。
業界・職種/業種専門の転職エージェントや転職サイトとは、たとえば「IT業界に特化した転職サービス」「広告業界に特化した転職サービス」「看護師・保育士・介護などの転職サービス」など様々です。
業界特化型の転職サービスや、特定業界に強い転職サービスは、兄弟サイト「IKIKATA Database」のTOPページで掲載しています。
どんな経験・キャリアであっても、それを評価してくれる職場は必ず存在します。
もちろん、経験・スキルによって大幅に求人の見つかりやすさや条件は変化しますが、「今の職場に不満を感じている」のであれば、転職活動を始めてみるべきですよね。
3 転職しても給料は下がらない
「転職すると給料が下がる」と何となく悪いイメージを持っている方はいないでしょうか?
それはあくまでリストラなどが行われた過去の話です。今でもリストラの危険性がまったくないわけではないですが、自発的におこなう転職活動で給料が下がることはありません。
それはなぜかといいますと、最初に給与条件を検索できる転職サイトや、給与条件を代わりに交渉してくれる転職エージェントは無数に存在するからです。
特に、あなたの代わりに給与交渉をおこなってくれる転職エージェントに依頼することで、年収アップが可能です。
年収アップ転職をしたいと考えているなら、下記に掲載されている転職エージェントのうち、特に自分に会っていそうなものを順位1位から見てみることをおすすめします。
また、実際に今のあなたの職種・業種の求人が一般的にどの程度の年収なのかを調べることも大切です。そんな方は転職サイトに登録し、職種/業種の条件から求人を探してみることをおすすめします。
おすすめ記事:おすすめ転職サイトランキング!選び方や登録後の流れ、活用法まとめ
4 新しい環境と今の環境の比較はカンタンにできる
転職活動自体はスタートでしかなく、本当に大切なのは「実際に内定をもらい入社したあとに後悔しないか?」という不安を解消することですよね。
「こんな職場に転職するくらいなら、以前の職場にいたほうが良かった…」という後悔をしたくない方は、転職活動に後ろ向きなはずです。
しかし、今の職場に不満を持っている方こそ、転職エージェントを使うべきです。
それはなぜかといいますと、転職エージェントでは応募先企業の内情や上司の情報、会社の雰囲気や残業時間の実態などについて詳しく教えてくれるからです。
あなたは、今の職場に不満を感じているからこそ、「転職先の内情」をしっかり知ったうえで転職したいと考えているのではないでしょうか?
実際に転職するかどうかは置いておいて、今の職場をほかの職場と比較してみることで、あなたが本当に満足できる仕事を見つけることができるでしょう。
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