転職の際に必ず問われるのは、「志望動機」。しかし、転職者の多くがいうように、この志望動機を固めて書類選考や面接で伝えるのはけっこう難しいことです。
逆にいえば、この志望動機を固めてしまうと転職活動を有利に進めることができるといえます。そのためには「志望動機を固めるためのアクション」と志望動機にふさわしくない発言・言葉-「NGリスト」をつかんでおくことが必要です。
今回は、転職する際の最重要ポイントである「志望動機」を固める3つのアクション(方法)と、言ってはいけないNGリストについて説明していきます。
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転職活動で「志望動機」が重要な理由とは?
転職活動ではなぜ、「志望動機」が重要なのでしょうか?
(1)中途採用で「経歴」の次に重視されているから
楽天リサーチのインターネット調査をみてみると、「中途採用で重視するポイント」野中で、「志望動機が19.0%」と大きな割合を占めていることが分かります。
参考記事:マイナビ転職 転職ノウハウ
キャリア(経歴)の次に重視されるということはつまり、「自分次第でどうにかなる」部分としては最も重要であるといえるのではないでしょうか。もちろん「経歴」は重要ですが、それはキャリアプランやキャリアデザイン・形成の範囲の話です。
転職しようとしている方に対して、「キャリアを積もう」といっても解決には至らないのは当然です。特に、若手のビジネスパーソンであれば、もともと経験や経歴という側面だけで評価されてしまうことは、多くの場合デメリットになります。そして、企業側としても、若手の中途採用でしたら社内でのポテンシャルを見るでしょう。
よって、志望動機をしっかりと導き、固めておく必要があります。
(2)将来のキャリアに活かすため
志望動機がなぜ大切なのか。それは、面接や書類選考など「企業に内定をもらうため」だけのものではありません。
自分の将来のキャリアを考えるにあたっても、志望動機を固めておくことは重要です。キャリア理論の一つに「プランドハップンスタンス(計画的偶発性)」という理論があります。この理論から、志望動機がどうしてキャリア形成に重要なのかを知ることができます。
プランドハップンスタンス(計画的偶発性)理論 とは?
スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授によって提唱されたもので、「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される」とし、その偶然を計画的に設計して自分のキャリアを良いものにしていこう、というポジティブな考え方です。(引用:All About-「計画的偶発性(プランドハップンスタンス)理論とは?」)
要するに、転職という選択肢を含めて、私たちの「はたらくこと」に関する変化のほとんどは「予想外」の状況、タイミングで起こるというものです。また、提唱者のクランボルツ教授は、以下の5つの項目が、この理論を実践するために必要な考え方であると唱えています。その5つの項目とは…
(1)「好奇心」 ―― たえず新しい学習の機会を模索し続けること
(2)「持続性」 ―― 失敗に屈せず、努力し続けること
(3)「楽観性」 ―― 新しい機会は必ず実現する、可能になるとポジティブに考えること
(4)「柔軟性」 ―― こだわりを捨て、信念、概念、態度、行動を変えること
(5)「冒険心」 ―― 結果が不確実でも、リスクを取って行動を起こすこと
(引用:前述記事)
これらは、もちろん「働いている間」に意識しておくことが重要です。しかしそれと同じくらい大切なのが、この5つの項目を踏まえたうえで「志望動機」を固めておくことです。
これは、志望動機によって面接や選考を通るという目的だけではなく、「働くうえでいつでも初心に帰る」ために志望動機を活用できるということにつながります。自分にとって、いつでも自分の「働く意味」の原点に戻ってこれるような志望動機を構築することができれば、その分だけ自分の価値は高まります。
もちろん、この理論を踏まえて志望動機を固めれば、転職市場でも大いに認められる人材になることができます。なぜなら、自分の方向と価値を客観的に評価できる視点を持つことができるからです。
(1)企業が中途採用者求めること (2)キャリア理論 の2つの観点から、転職において志望動機が必要である理由について説明しました。
もしも、転職に際して志望動機を小手先の受け答えだけで乗り越えられるものであると感じているのであれば、この(1)と(2)を再度念頭において、転職活動をしましょう。
では、次の項目から、志望動機を固めるための3つのアクションについて説明します。
志望動機の固める3つのアクション
今すぐ志望動機を考える必要がある人も、そうでない人も、志望動機を固めるために必要なアクションを知っておくことが大切です。キャリアには、何が起こるのか分かりません。日頃から準備しておきましょう。
(1)「企業が求めている人材」を知る
企業は、経歴の次に志望動機を重視しています。
よって、転職希望者は入りたい企業が求めている人材とは何かを知る必要があるのです。しかし、「求めている人材はなんですか?」と聞くわけにはいきません。そもそも、そういって聞けたとしてもそれは自分をごまかすことになりますから、入社後に無理が発生しますよね。
そこで、企業が求めている人材とは何かを知る方法は2つ。その企業の情報収集と、求人情報からみる「求めている人材像」を明確にすることです。求めている人材像は、「性別」「年齢」「経歴」「性格」「長所」「短所」「スキル」として具体的にしていきます。
この求めている人材像の具体化は、マーケティング戦略の「ペルソナ」に近いものと考えましょう。ペルソナとは、「ある商品・サービスにおける代表的なターゲット」を考える手法ですが、「企業が求めている人材とは何か」を客観的に判断するためにも重要な要素になります。ペルソナの具体例については、後述します。
企業が求める人材の具体的な像を理解することは、入りたい企業の社風や商品・サービスの独自性を理解することにもつながります。まずは、「企業が求める人材とは何か?」という視点を持ちましょう。
(2)自分の「将来のキャリア」を考えておく
自分のキャリアの設計図、計画を考えておくことも大切です。
さきほど、プランドハップンスタンスを紹介しました。この理論は、決して、「どうせ何が起きるか分からないんだから、どうなったっていいや」というあきらめではありません。
そうではなく、「自分は将来、どんな人間になりたいのか?」「何を自己実現としているか?」ということについて考えておくことです。突然それらについて考えましょうと言われても…という方には、イチバン簡単な方法があります。
それは、自分の「ロールモデル」から将来のキャリアを考えていくことです。「尊敬する人」「お手本となる人」はだれでも一人はいるはず。その人のどんなポイントが「お手本になる」のかを考えてみましょう。そして、そのためにはどんなスキルを得て、どんな立場にならなくてはならないのかを具体的に調べます。
そこから、自分の将来のキャリアが導き出せるでしょう。
「それじゃあ、ロールモデルを真似しているだけではないか?」という疑問が出てきますが、それについては問題ありません。プランドハップンスタンス理論が示す通り、自分の独自性は「これから目指す中で出てくるもの」だからです。「守破離」という言葉が示すところでもあります。
まずは、ロールモデルから自分のキャリアの設計図を描くことに集中しましょう。
(3)具体的な志望動機として文章化する
さて、ここからは実際に志望動機を文章化するフェーズに入ります。
・(1)企業が求めている人材 でペルソナを設定した具体的な像を見る
・(1)のペルソナを(2)自分の将来のキャリアと照らし合わせて、合致しているかを判断する
・合致している部分を、「会社情報:自分情報=8:2」の割合で文章化する
合致している部分が見つからない場合は、そもそもその企業を志望するべきではないことが分かります。しかし、「一つ違うところがある」「合致しない部分がある」というだけですぐにあきらめるべきではありません。
文章化する方法は、会社情報と自分情報を8:2の割合で織り交ぜる必要があります。
具体例で示したように、「企業の求める人材」と「将来のキャリア」の合致する部分を志望動機としてまとめていきます。表現も大切ですが、まずは自分と企業の合致している部分があるのかどうかをしっかりと把握することが大切です。
以上、志望動機を固めるための3つのアクションを例を交えて説明しました。以前よりも、志望動機を固めるための道筋が明確になったと思います。
志望動機としてふさわしくない「NGリスト」
自分の話ばかりしてしまう
面接や選考書類は、「自慢話」をする場所・タイミングではありません!
抽象的なことばかり言ってしまう
経験の少ない若手ビジネスパーソンは、自分の言葉が「抽象的過ぎないか」を確認しましょう。
「成長したい」だけ
自己実現や自己成長のためだけに志望企業があるわけではありません!
その他・ネガティブ発言など
「地元就職したいから」「なんとなく」「前の職場が嫌だった」
もはやお話になりません! 口が滑っても言わないようにしましょうね。
企業研究の2つの方法は?
志望動機を文章化する際に、企業情報:自分情報=8:2 であることを説明しました。
志望動機中に企業情報、つまり企業の魅力を入れるためには、企業を研究する必要があります。そして、大きくわけて企業研究には、Ⅰ.ヘッドワーク型企業研究 Ⅱ.フッドワーク型企業研究 の2つの方法があることを抑えておきましょう。
キャリアコンサルタントの坂本直文氏が提案する企業研究ワークの方法です。こちらの企業研究で導き出した内容と組み合わせれば、志望動機を文章化するのもより効率的になりますね。
志望動機は、職歴よりも大切?
ここまで、「志望動機の固める3つのアクション」と「志望動機のNGリスト」を説明しました。
実際に口頭や文章で、「志望動機」を表現することは難しいことです。人が表現できることには限界がありますし、もしうまく言えたとしても、「企業側の人材ニーズ」に合わなければ採用されるかどうかはわかりません。
「絶対に採用される!」という言葉は魅力的ですが、それは現実的に考えてありえません。そうであれば、世の中に転職で困っている人は一人もいないでしょう。
大切なのは、「自分の道を自分で作る」ために、転職市場でも自分の主体的なビジョンと考えを忘れないことです。
今回ご紹介したアクションをもとに、主体的な志望動機を作っていきましょう。新たな環境は、自分で考えて創造していくものです。
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