プレゼンテーションはビジネスパーソンにとって欠かせない重要なスキルです。しかし、「いつも同じ方法・着眼点でプレゼン準備に取り掛かる」という方は意外と少ないのではないでしょうか。
プレゼンは情報伝達手段の一種であり、聞き手に理解や納得を得てもらうための方法です。そのため、必ず抑えるべき注意点や準備方法があります。
今回は、情報伝達手段としてのプレゼンをスムーズに準備し、上司などを相手に納得を得る際に欠かせないプレゼン技術について、実践的な内容をお届けします。
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プレゼン技術はなぜ必要なのか?
プレゼンテーションは主に多くの人の前で企画内容や研究内容などを発表し、内容を詳しく説明して理解してもらうことが目的です。
そのため、プレゼン技術が活きるのは「会議室」「講演会場」「セミナー」など特定のシチュエーションだけであると勘違いしている方も多いのではないでしょうか。
しかし、プレゼン技術は、日々の私たちの仕事のパフォーマンスを向上させる上でも非常に重要です。
たとえば、下記のようなよくある毎日の仕事のコミュニケーションでもプレゼン技術は有効です。
- 上司の報告・連絡・相談するとき
- 自分が取り組んでいる仕事をマニュアル化するとき
- 人に依頼するとき
- 社内の人物を巻き込んで新たなプロジェクトを始めるとき
- タスクのスケジュール見直しをしたい旨を上司に相談するとき
- 仕事で何らかのミスをしてしまったとき
上記の例はどれも「あなたが自分の状況を他人に共有する必要がある」ような状況です。こういった場合にも、「聞き手に説明し理解と納得を得るプレゼン技術」は有効でしょう。
相手を納得させるプレゼン技術|準備・資料作成
では実際に相手を納得させることのできるプレゼン技術の準備にとりかかります。通常のプレゼンでは、説明資料を作成する必要がありますので、その際の注意点を同時に紹介します。
1 伝えたいテーマを明確にする
伝えたいテーマの中心像を明確にすることが、プレゼン準備の最初の段階になります。では、伝えたいテーマの中心像とは具体的にどのようなものでしょうか?
伝えたいテーマを明確にするには…
- 「なぜ私はこの計画をプレゼンしようと考えたのか?」を自問自答する。
- 「最大の特徴は…」「最大のメリットは…」と計画の利点を洗い出す。
- 聞き手からの批判・質問を想定して問答集を作る。
この3つを順に実践することで、伝えたいテーマの中心像を明確にすることができます。
2 人に興味・関心を抱かせる構成を作る
人が興味・関心を抱く話や情報の構成は、そのほとんどが下記の構成パターンを応用しているものと捉えることができます。
「名スピーチ」と呼ばれているようなプレゼンテーションも、おおよそこのような構成になっています。
- 伝えたいテーマの何が「凄い」「面白い」もしくは「メリットがある」のか?
- 伝えたいテーマの「原因」「要因」「きっかけ・背景」「課題」は何か?
- 伝えたいテーマの「構造」「仕組み」「構成要素」は?
つまり、事実を最初に述べるとともに聞き手を注目させ、その事実の背景や至るキッカケを伝え、そのテーマがどのように成立しているのか構造を詳しく解説する、という方法です。
3 聞き手目線で、構成した内容を整える
中心テーマについて詳しく説明できる土台を整え、さらにその順番を興味・関心を抱かせる構成にすることによって伝えるべき情報の準備自体は完了しました。
しかし、さらに重要なこととして「聞き手目線」で伝えたいテーマを批判的に見ていく作業が必要になります。
そのためには、下記3つに注意し準備しておくべきでしょう。
- 前提知識が必要な情報に関する解説
- 図解を用いる
- 誰かに説明するつもりでデモンストレーションをする
上記3つを行うことによって、自分に不足していた観点や説明不足・難解な言い回しなどを極力取り除くことができます。重要なのは、聞き手の立場になることです。
相手を納得させるプレゼン技術|実践
プレゼン準備はプレゼンによる情報伝達には欠かせない要素ですが、準備だけでカンペに頼りきり…といったプレゼンでは、聞き手が集中して聞いてくれることはないでしょう。
また、プレゼン力を発揮するべきタイミングは様々ですが、必ずしも十分な準備をする時間があるとは限りません。
そのため、相手に対して効果的に自分が伝えたい内容を伝えるための プレゼン技術をここで解説しています。
1 キーワードを見つける
聞き手にとって話を理解する助けになるような印象的なキーワードを決めておき、繰り返しそのキーワードを使用することによって、プレゼン内容をよりわかりやすく印象づけることができます。
2 話の全体像を示す
話の全体像を示すとは、プレゼン中に「今どの段階のどんな内容の話をしているのか?」を全体から見た位置で確認することです。
たとえば、新商品のコンセプトをプレゼンするときは、おおむね下記のようなプレゼン資料の構成になるのではないでしょうか?
- 新商品の特徴・メリット
- 新商品が解決する課題・競合との比較・市場調査
- 新商品の技術的仕組み
このような場合、「今は一つ目の特徴について解説しました。」と口頭で伝えつつ、資料の目次で今どこかを示すなどの方法をとることで、「今どの段階の話をしているのか?」を明確にすることができます。
聞き手がついていけなくなる状態を防ぐことができるでしょう。
3 本筋を話しつつ必要な情報を入れる
ビジネス書や教科書には「コラム」といって補足情報が書かれている場合があります。本筋のテーマとは少し外れてしまう内容について触れることは、プレゼンテーションでも重要です。
たとえば、新商品のコンセプトについてプレゼンをするのであれば、コンセプトのボツ案や以前の商品アイディアの失敗例などを挙げるなどがあげられます。
純粋にプレゼンが面白くなりますし、今話していることの背景を聞き手に共有することができる点で、より話す内容を理解してもらいやすくなるでしょう。
まとめ|情報伝達ではプレゼン技術を活用すべき
今回は、プレゼンテーションの技術を準備と実践に分けて行うべきことを解説してきました。どんな情報共有・テーマにも当てはまる内容になっています。
プレゼンは情報伝達手段の一種であり、聞き手に理解や納得を得てもらうための方法です。そのため、大勢の目の前でプレゼンする機会がない方も、日々の仕事の中で連絡・相談を行うときに活用してみましょう。
今回ご紹介した内容を積み重ねていくことには多くの時間がかかります。しかし、積み重ねることで人とのコミュニケーションのスキルを大きく向上させることができるでしょう。