イライラすることは精神衛生的にも、はたまた体力的にも、何もいいことはありませんよね。
しかし、イライラすることは誰にでもあること。つまり、「避けられないこと」です。イライラする根本原因を解決するためには「問題解決」のための思考と行動が必要ですが、客観的にイライラの要因をとらえるためには、そもそも「気持ちに余裕を持つ」必要があるでしょう。
イライラする根本の原因を解決することと、不定期に襲ってくるイライラを解消することは別のことととらえる必要があります。そうすることで、客観的な解決を導くための「余裕」が生まれてきます。
そこで今回は、「今イライラしている!」ときこそ実践できるイライラ解消法を5つご紹介していきます。まずは、感情を静めることが大事です。
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5つのイライラ解消法!
(1)紙に書き出す・言葉に出す
「言霊」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。日本古来の考え方として、「声に出した言葉が現実に影響を及ぼす」という考え方があります。それが「言霊」です。
この「言葉を先に発すると、心に影響を与え、想いが後からついてくる」という現象を「マングローブ効果」と名付けたのは、東京農工大学院の言語文化科学部門専任講師、宇野良子博士。このマングローブ効果は、イライラしているときに有効です。
具体的には、イライラしてしまっているときに「まあいいか」と自分自身に心を落ち着かせる言葉を紙に書いたり、声に出して言ってみたりすること。そうすることで、イライラを和らげることができるでしょう。
もちろん、個人差はありますが、イライラした際にそれを「習慣化」してしまえば、その分効果も強まっていくでしょう。無意識のうちに、自分が発したり書いたりする言葉を信じる習慣を持つことができるからです。
「マングローブ効果」を利用し、イライラを落ち着かせる言葉を書き出す、もしくは声に出すこと
(2)その場から立ち去る・10秒我慢する
イライラしているときは、そのイライラの原因から、物理的・時間的な距離を取ることが大事です。
物理的な距離とはつまり、イライラする原因のある場所から距離を取ること。短時間でもいいので、一度その部屋、あるいはその空間から出ましょう。
時間的な距離は、ものの10秒程度、「怒り」をグッとこらえること。人の怒りは10秒間がピークです。「怒るタイミングが分からない」という状況は、無意識のうちにこらえる時間を確保しているから起こることです。それを有効に活用するのです。もし、イライラが爆発してしまうそうなときは、まず「こらえる」ことが重要です。
要するに、「イライラ」からどのように距離を取るのか、ということが大切です。それは、客観的にイライラの原因を解決しようとする際にも役に立ちます。
イライラする要因のある空間から出る、あるいは10秒以上イライラの爆発を抑える
(3)イライラしているときにする「動作」を決めておく
(1)紙に書き出す・言葉に出す という解消法にも繋がりますが、「習慣」としてイライラを解消するために「すべき行動」を自分で決めておくことも有効です。
たとえば、緊張してしまうときに「人という字を三回書いて飲み込む」という動作は、「アンカリング」と呼ばれます。その動作によって、「緊張しない」状況を作ることができるのです。しかし、そのためには何度もその動作をおこなって習慣にする必要があるでしょう。
この方法をイライラしているときに応用すると、「イライラしているときは一度深呼吸する」といった簡単な動作で、イライラをストップする状況を作ることができます。最初のうちは、この方法を単体で試しても効果が現れませんが、今回紹介する解消法を行う前に動作を決めておくと、じわじわと効果が出てくるでしょう。
自分で条件反射を創ることが大切ですね。
「イライラしたとき」におこなう動作を決めておくこと
(4)「自分が役に立っていること」をイメージする
『嫌われる勇気』で有名なアドラー心理学には「共同体感覚」という概念があります。
「共同体感覚」とは?
”共同体感覚は、文字の如く『共同体と思える感覚』です。言い換えると『他人を仲間
と思える感覚』のことです。”(引用:「共同体感覚とは?」-アドラー.com)
アドラー心理学では、幸福を「共同体感覚のこと」としています。人は、共同体を作ることで社会に貢献するとともに、個人の幸せを実現してきました。よって、その感覚を呼び起こすことが大切です。
イライラを解消する際にこの「共同体感覚」を活用するならば、「自分はどこでどういう風に誰の役に立っているか?」を考えることで、自分がイライラしている要因に対して意識をすり替えるということになるでしょう。
「イライラ」とは、実のところ「自分の思い通りにいかないこと」によって生じる感情です。しかし、「自分ではどうしようもないこと」ではなく、「自分ができていること」にフォーカスして思考を整理すれば、イライラするものごとに対して、興味を薄れさせることができます。
「なぜ自分の思い通りにならないのか?」という感情を「共同体感覚」ですり替えること
(5)情報をシャットダウンする
イライラしているときでなくとも、直近で起きた出来事に関するキーワードは目につきやすいでしょう。たとえば、最近知ったことが、突如としてニュースや新聞などで話題になっていると感じるのは、情報から連想できるものごとが増えたことを意味します。
最近自分の身に起きたことや知ったことは、比較的情報として入ってきやすいのです。
よって、「イライラしているとき」に情報をインプットしようとする、もしくは、情報に触れることをしてしまうと、通常よりも「イライラに関連する情報」に目がいきやすくなりますよね。
まずは、「イライラを引き延ばす原因」をシャットダウンしてしまいましょう。スマホやPCから一度離れるだけでも効果がありますよ。
ニュースアプリやTVなどの情報をシャットダウンする
イライラと距離を取るイメージ
今回は、イライラしてしまう人向けに5つのイライラ解消法をご紹介しました。継続的にすべきことも含まれていますが、どれも特別な準備は必要ありませんので、ぜひ実践してみてくださいね。
イチバン大切なのは、「イライラと距離を取る」ということです。距離を取るだけではその場しのぎにしかなりませんが、一度感情と理性を切り離すキッカケにもなります。ですので、「今抱いているイライラ」を取り除く方法は、おさえておいて損はありません。