「仕事ができない」…そう感じているビジネスパーソンの方向けのコラムです。
今回は、仕事ができない人に共通する理由と特徴について説明します。自分があてはまっているかどうかをチェックしてみましょう。
また、あなたが自分のことを「仕事ができない」と評価している場合は、もしかすると自分の思い込みに過ぎないのかもしれません。その場合は、客観的に「自分は、仕事ができていないのか?」を判断する必要があります。
その「客観的に自分を評価する方法」についても説明していきます。
この記事を読めば、仕事ができない人の理由と特徴に加え、自分を客観的に評価する方法について知ることができます。日々の仕事にも、役に立つはずです。
Contens
「仕事ができない」とは具体的にどんな状況なのか?
「仕事ができない」場合の状況には、「自分の中にある状況(内部状況)」と「周囲の状況(外部状況)」の2つがあります。
(1)「自分の中にある状況」
自分の中にある状況とは、「モチベーション」「(人・仕事内容の)好き/嫌い」「性格」などが挙げられます。
これら内部の状況は、自分次第で改善することができます。自分の中にある状況が「仕事ができない理由」につながっていると判断している方は特に、本コラムで学んでいってくださいね。
(2)「周囲の状況」
周囲の状況とは、「業務フローの悪さ」「職場の環境が悪い」「普通に理不尽」など、自分のモチベーションや立場ではどうしようもない状況のことです。
この周囲の状況に関しては、テーマ3つ目の「客観的に評価する方法」で説明します。
さて、仕事ができない状況自体が、2つの要素からなっていることを説明しました。こうした分析は、自分が追い詰められているとなかなかできないことです。
では、次項目から3つのテーマ-「仕事ができない理由」「仕事ができないひとの特徴」そして、「自分は仕事ができているのかを客観的に評価する方法」-について説明していきます。
テーマ1:「仕事ができない」5つの理由
仕事ができない理由は、大きく分けて以下のものがあります。
(1)スケジュール管理をしていない/不十分
「スケジュール管理」ができていないと、当然ですが仕事はできません。
仕事をこなすためには、「優先度」「納期」「所要時間」を把握しておく必要があります。そしてそのためには、自分のスケジュールをしっかりと管理しておく必要があるのです。
解決策:「スケジュール帳」「スケジュールアプリ」を使う
(2)責任の所在を明確にしていない
仕事というのは、どんな内容のものでも「失敗」と「成功」があります。
失敗はリスク、成功は利益とつながるものです。そして、そういったリスクと利益が発生するところには必ず「責任」が存在します。
責任は、英語で「レスポンシビリティ( responsibility )」という言葉で表されます。「責任はどこにあるのか?」「自分に責任はあるか?」ということを意識しなければ、成果の達成やリスク回避のためのレスポンスをすることはできません。
解決策:業務を始める前に、「どこに責任があるのか?」を明確にしておく
(3)話をまとめていない
仕事、ビジネスにおいては、「効率化」が求められます。そしてIT化が進んでいる現代社会で最も「効率性」が求められるのは、「会話」「営業」の中の「話」そのものになります。
自分が携わる業務の内容や、説明する必要のある情報、そして自分の意見についていつでも話せるように「文章化」しておきましょう。
解決策:「文章化」するためのノートとペンを持ち歩き仕事に必要な情報をまとめておく
(4)メモを取らない
そもそも、仕事ができないというのは「必要なことを達成していない」ということとイコールです。そしてその原因の一つは、情報が不足していることにあります。
日ごろから必要だと思われることをメモする習慣がつけば、仕事における「必要な情報」と「不必要な雑事」の区別がつくようになります。(3)のノートと同じもので結構ですので、持ち歩きましょう。
解決策:悩まずに「メモ」を取る
(5)一人で仕事を抱えすぎている
一人で仕事を抱えすぎていると、仕事ができないことにつながります。
「過ぎたるは及ばざるがごとし」という言葉があります。いくら自分に自信があってもすべてを自分でおこなうよりも、もっといい方法があるはずです。
解決策:一人で仕事をせず、部下や仲間に仕事をふる
テーマ2:「仕事ができない人」の7つの特徴
理由に加えて、仕事ができないといわれる人には以下の共通する特徴があります。
(1)完璧主義者
「任された仕事は100%達成したい!」と思う気持ちはとても大切です。
しかし、少々現実的な観点から自分を見つめなおすと、その完璧主義がいかに周囲の迷惑、非効率につながっているかが分かるでしょう。「妥協をせよ!」 というわけではありませんが、100%の仕事のためには何よりも納期、期限といった「時間的要素」がもっとも重要であることを意識しましょう。
解決策:完璧主義を捨てて、「納期」「期限」を最優先する
(2)ミスをずっと気にしている
ミスを一度してしまうと、その後の業務に手がつかないほど落ち込んでしまう人もいるでしょう。確かに、気持ち的には落ち着かないかもしれません。
しかし、仕事のスピードは人の気持ち次第で変わることはありません。また、もし仲間の配慮で仕事のスピードを遅めてもらえたとしても、全体的にみれば仕事が減るわけではありません。結果として、自分の評価は下がることになります。
そんな時は、「最低限やるべきことリスト」を作ることが重要です。業務で使用しているPCの画面横や、スマホのホーム画面に「最低限やるべきことリスト」を作成し、自分が必ずやるべきことを「見える化」しましょう。
解決策:「最低限やるべきことリスト」を作成し、タスクを「見える化」する
(3)人の話をよく聞いていない
特徴として、「仕事ができない人」の最たるものです。
人の話を聞いていないということはつまり、自分の関心や必要だと考える範囲をとても狭くしているということになります。その状態で仕事ができるわけがありません。
どうしても人の話に集中できないという人は、「相手の目を見て話を聞く」ことを心がけましょう。うつむきがちな視点では、仕事に対する前向きな姿勢すら整えることはできません。
解決策:視線を相手の目に向けて、仕事に対する姿勢を整える
(4)モチベーション維持や向上のノウハウを知らない
モチベーションには、「高低差」があります。
どんな仕事でも、そのやる気が失われてしまうことは誰にでもあるものです。もちろん、仕事ができると評価されている人も例外ではありません。
しかし、違いがあります。仕事ができる人は、自分のモチベーションを早めに向上させるノウハウを自分なりに把握しているということです。
IKIKATAコラムでは、モチベーションに関するコラムを公開しています。こちらもぜひ合わせて参考にしてくださいね。参考記事:社会人が覚えておきたい仕事のモチベーションを上げる4つの方法
解決策:モチベーション向上のノウハウを身につけておく
(5)批判するだけ
ほかの人の仕事ぶりや、意見に対して批判的にみることは重要です。しかし、それも度を越してしまうとただの「非効率」につながります。
いつもちゃぶ台をひっくり返す行動だけをしていては、仕事が進むはずがありません。批判するだけという態度を改善するには、「代替案」を示す必要があります。
代替案は、決して具体的な案を示せ! ということではありません。必要なのは、「ほかに方法があるのではないか?」という堅実な”提案”の姿勢です。
解決策:「代替案」を意識した姿勢を保つ
(6)コミュニケーションを軽視している
上司や同僚、そして部下や顧客など、ありとあらゆるコミュニケーションのうえに仕事やビジネスは存在します。
コミュニケーションを怠ると、情報共有や伝達事項を聞き逃すことになるのはもちろんですが、仕事をするうえで大事な「情報のアンテナを張る」ことができていない状態になるということでもあります。
解決策:「無駄」と一蹴せず、コミュニケーションに力を入れる
(7)部屋やデスクが汚い
部屋やデスクが汚れていると、仕事の非効率化につながることがまず第一に挙げられます。また、散らかっていると、言動や振る舞い、そして仕事への取り組み方といった精神的な「汚れ」を作ることにもつながります。
逆にいえば、自分のスペースや作業空間がきっちりしていると、それだけで気持ちが変わるものです。まずは生活習慣を変えるところから、始めるべきでしょう。
解決策:身の回りの「自分のスペース」をきれいにしておく
テーマ3:「仕事ができているか?」を客観的に評価する5つの方法
仕事ができないと思っていても、それは自分の思い込みに過ぎないケースがあります。その場合、本当は誰にも迷惑をかけていませんし、劣等感や不安を抱く必要もありませんよね。
しかし、人の思い込みは怖いもので、そういう風に自分のことを評価してしまうと本当に「仕事ができない」状態に陥ってしまいます。そこで、この項目では、そういった思い込みをなくし、自分を客観的に評価する方法について説明します。
(1)他己分析をおこなうこと
仕事仲間と互いに評価をしあう、ということは、基本的にはしないことです。しかし、「仕事ができない」と自分のことを評価しているのであれば、「本当にそうか?」という疑問をほかの人の視点から把握する必要があります。
自分がいつどこで、どんな内容の仕事をこなすことができないのかを整理してその点について同僚や上司からフィードバックしてもらうことが大切です。
(2)得意分野と苦手分野を言語化すること
たとえば、営業トークはできるのに、「プレゼン」はうまくいかない。物覚えはいいのに、実際に使うタイミングで覚えたことを活用できないなど自分の「得意」と「苦手」を明確にしましょう。
そのうえで、自分の仕事には何が足りていないのかをはっきりさせます。自分の失敗を細かく見て、「どの点について足りなかったのか」を分析しましょう。
(3)得意分野を伸ばす努力をすること(行動計画を立てる)
「苦手分野」よりも「得意分野」を伸ばす努力をしましょう。
確かに、苦手意識をもつことに対する改善も大切です。しかし、モチベーションという観点からみると、「仕事ができているか?」という悩みに関して、自分の心理的な負担を軽くするために「得意分野を伸ばす」行動が必要になります。
「これ苦手だから、何とか乗り越えよう」というネガティブな考えで仕事をするよりも「得意分野を生かせる機会を活用しよう」というポジティブな考えで仕事をするほうが、成果としても効率としても効果があります。
(4)モチベーションのノウハウを身につけること
モチベーションのノウハウを身に着けることは、客観的に自分を評価する際に大きな効果があります。
具体的には、モチベーションの向上の方法を身に着けておくことは、仕事に対する取り組みだけでなく、自分の仕事を積極的な観点からみることにつながります。
同じ失敗でも、その内実をどういった心境でみるかで、その失敗から得られる学びの量は大きく変わります。そして、その量こそが、「仕事ができない」という悩みを解決することにつながるのです。
(5)「周囲の状況」に分類できるものを明確に分けておくこと
仕事ができない状況は、自分の内部状況と、外部状況の2つの種類があることを冒頭で説明しました。
その2つに「仕事ができない原因」を分けておくと、自分自身の行動で簡単に変えられる部分と自分でどうしようもない部分に分けて考えることができます。
悩んでも頑張っても解決できない場合、外部状況のせいで自分の「仕事」に対する成果や評価が下がっていることもありますから、まずは自分を追い込むより先に周りの状況をよく見ることを心がけましょう。
おまけ:「不安」にさいなまれるときの改善方法
3つのテーマから、「仕事ができない」ことに関する解決策を提示してきました。
しかし、この3つを実践したからといって、精神的な不安が払しょくされるわけではありません。「漠然とした不安」というものは、だれでも抱くものです。
そこで、仕事に対する不安を改善するための方法も、参考として説明していきます。
(1)睡眠/食事 に気を遣うこと
(2)人と話すこと
(3)精神科・心療内科に行くこと
この3つは、感情的な解決策といえるでしょう。3つのテーマで説明したことを実践しながら、「心のケア」の部分も忘れないようにしてくださいね。
「仕事ができないこと」を過度に怖がらないこと!
仕事ができないというのは、ビジネスパーソンにとってもっとも「怖いこと」であるといっても過言ではありません。
しかし、本当に怖いのは、「仕事ができない」と自分が感じることで、日々の業務に関するチャレンジ精神や向上心が損なわれてしまうということにあります。
今回説明した、「仕事ができない理由」「仕事ができない人の特徴」そして「仕事ができているかを客観的に評価する方法」の3つのテーマを意識しておくことで、仕事ができないという不安を払しょくすることができます。