【まとめ】社会人が知っておきたい5つの社会問題

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社会の流れはすさまじく、少しでも情報収集を怠っているとすぐ取り残されてしまうのが現代社会。

世の中のビジネスパーソンは、日々の業務をこなしながらも社会の動向をしっかり見ておく必要がありますが、刻々と変化する社会の波に乗ることはそれほど簡単なことではありません。

自分のキャリア選択(就職、転職)やキャリアアップを考えるときも、社会の動向を把握しておかないと思わぬデメリットが発生する場合があります。しかし、ただ流れている情報をながめているだけでは、社会の動向をしっかり見据えることはできません。

そこで今回は、社会に生きるビジネスパーソンが押さえておきたい社会問題を、5つに厳選してご紹介します。この記事を参照にして、情報収集をしてみてください。この記事は、その「ポータル」的な役目です。

 

そもそも、社会の動向を知る意味は?

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5つの社会問題をご紹介する前に、そもそも論として「社会の動向を知る意味」を少しだけ説明します。

「いくら社会の問題を知っていたところで、具体的なシゴトには役立たないのではないか?」 そう思う方もいるでしょう。そして、その疑問は半分当たっています。

しかし、半分は「ハズレ」なのです。あなたがたとえば将来「転職」を考えるとします。その際に、「給与」「企業の成長性」「必要なスキル」などを考慮して転職するかどうかを考えますね。

そんなときに、それら考慮する基準 「給与」「企業の成長性」「必要なスキル」を自分の周囲の状況や「思い込み」だけで判断することは、当然ながら危険なことです。

自分の身の回りの環境や、自分が転職するメリットを考えるときでさえ、それを決めている根本は「社会の動向」にあります。ですから、情報収集をして、自分に影響のある社会問題をしっかりとらえておかなくてはならないのです。

 

知っておくべき社会問題5選!

では、今回の主旨である5つの社会問題をご紹介します。

 

(1)待機児童問題

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○概要

多様な社会問題が織り交ざる「複合的問題」である

待機児童問題とは、認可保育所に入れない子どもが増加している問題です。「厚生労働省保育所入所待機児童数(平成 26 年 10 月)」によると、”平成26年4月の待機児童数21,371人から、21,813人増加した。”とあり、その問題は解決に向かうどころか、様々な社会的要因が積み重なって、いまだ解決の兆しは見えません。

待機児童問題は”「保育園落ちた日本死ね」と投稿した匿名ブログ”が政局がらみで取り上げられ、メディアでもその関心度が増してきている問題。しかしそもそも、待機児童問題は最近起こった問題ではありません。

また、待機児童がゼロの地域もあり、こちらは人口の一極集中の問題と絡んできます。また、保育士の労働環境の悪さ、という問題や、女性の社会進出という観点もあることから、「複合的な問題」ということができるでしょう。それに加えて、待機児童問題は、地方と首都圏でまったくその様相が異なる点にも留意しておくべきでしょう。

○問題から何を学ぶべきか?

複合的問題を考えることで、自分と社会のかかわりを見出す

ワークライフバランスや雇用形態、働き方など、私たちの社会生活に著しい影響を及ぼす問題であるのが「待機児童問題」です。子どもを持つ家庭が、今後の社会でどう考え行動していくべきかの示唆は、こういった複合的な社会問題を考えることで与えられるでしょう。

あなたがもし、将来のキャリアのために「待機児童」の多い地域に身を置く場合のことや、子どもの教育をどのようにしていくべきかといった将来のことを考えるうえで、大変重要な問題です。

「人口集中」「ワークライフバランス」「女性の社会進出」といったことがらが織り交ぜあう複合的問題を考えることで、自らのキャリアと「社会」とのかかわりも、見えてくるかもしれません。

○参考記事

待機児童は、いろんな問題が絡み合った結果だ。-地域経済ラボラトリ

厚生労働省-保育所入所待機児童数(平成26年10月)

「保育園落ちた日本死ね」待機児童問題を解決する、ある大胆な提案-現代ビジネス

 

(2)テロリズム

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○概要

日本の動向と国際状況

2015年11月、フランスのパリでISによるテロが発生し、130人が巻き込まれてなくなりました。また、2016年に入ってからも、トルコの首都でテロが相次ぎ、多大な被害が発生しています。そういった国際状況のもとで、日本の安倍政権は「安保法制」を成立させ、政治問題としてメディアでも活発な議論が交わされました。

ISは、中東の国々(イラン、イラク、シリアなどの国々)に拠点を置く「イスラミック・ステート」と呼ばれるイスラム原理主義過激派組織。テロやITを利用した活動やその組織形態などで、「9.11テロ」を起こしたといわれる「アルカイダ」と呼ばれる過激派とはその組織を異にしています。

ISの他にも、様々な組織がおり、遠く離れた日本では複雑化する問題についていけなくなっている。それを危惧している専門家やジャーナリストも多くいます。

○問題から何を学ぶべきか?

表面ではなく、根本をとらえる

テロリズムは人の恐怖をあおる最悪な手段です。しかし、イスラム教全体がそういった組織であるとの間違った認識を持っている人も、少なくないのではないでしょうか。

イスラム教は、経典「コーラン(クルアーン)」を最重要視する一神教。開祖はムハンマドという預言者です。「アッラー」という唯一神を信仰しているとされますが、「アッラー」はアラビア語で「神」つまり、ユダヤ教の「ヤハウェ」、キリスト教の「ゴッド」と同じ存在を指します。

上記の説明は、イスラム教の基礎知識です。これは「テロリズム」を考えるための事前情報のごく一部であり、その他にも知らなければならない情報がたくさんあります。たとえば、中東社会がこれほどまで問題を抱えている思想的背景やイスラム教の「ジハード(聖戦)」の意味などの宗教的観点、その他、LGBTなどを代表とした「多様性」というトピックの国際社会における浸透や、日本国内における「アンチテロリズム」の動きや、緊急時の体制などを知る必要もあります。

こういった「具体的情報」を基礎とした問題意識が、キャリアを考えるうえでも役に立ちます。グローバル化が浸透してもはや久しい現代社会において、あなた個人のキャリア選択すらも国際的な観点が必要になってきます。

国内にとどまる、世界を目指すにかかわらず、こういった多様な文化・宗教・思想の存在をしっかり認識し、それをもとに自分の決断ができるようになる必要があります。

○参考記事

ISが犯行声明 パリ同時テロはどんなテロだったのか?-Yahoo!ニュース

トルコ イスタンブール 自爆テロか4人死亡-NHK NEWS WEB

○参考文献

池内恵『イスラーム国の衝撃』2015年、文春新書

 

(3)メディアと広告

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○概要

バイラルメディアが話題になるネット社会

「バイラルメディア」とは…

「バイラルメディア」とはFacebookやTwitterなどのSNSの情報拡散力を利用して、インパクト・話題性のある動画や画像を中心とした記事に、短期間で爆発的なトラフィックを集めることを目的としたブログメディアを指す。(引用:マイナビニュース)

あなたが「ネットでみた!読んだ!」というときの話題は、たいていがこの「バイラルメディア」というものの情報でしょう。話題性のある記事や動画をサイト内に掲載し、莫大なトラフィック(流入してくる量のこと)を得る。そしてその分、掲載してある広告の収入が得られる。これを利益とするのが、バイラルメディアです。

SNS(Facebook,Twitterなどのサービス)による拡散(シェアやRT)で、話題性のある記事がまたたく間に広がっていく。2015年はメディアが乱立した時代でもあり、私たちの「情報収集」はより過密しているものとなりました。

有名なバイラルメディアでいえば「BuzzFeed(バズフィード)」が最も有名です。このメディアでは、話題性を的確につかむためにデータサイエンティストを配しています。もはや、影響力のあるメディアはTVや新聞ではないのかもしれません。

○問題から何を学べるか?

メディアの情報に右往左往されない情報リテラシー

一見問題として受け取ることが難しいメディアの動向ですが、ビジネスパーソンにとっては最も関係があるように思える問題ではないでしょうか?

上記「バイラルメディア」という言葉も、マーケティングの用語の一つ。会社の自社WEBサイト「オウンドメディア」の構築や、インターネットによる効果的な広告や販売が重要視されてくる世の中では、そういったビジネス的な観点からメディアを考える必要があります。

しかしそれ以上に重要なことは、「情報の受け手」としての私たち一人ひとりのことです。私たちは、IT技術が進展し、国際状況も目まぐるしく変わる現代社会に生きている以上、「すぐに情報が届く」環境に慣れ過ぎてしまっています。そうしますと、上記「バイラルメディア」の情報に右往左往させられてしまう危険性もあるのです。

大量の情報に流されずに、自分の意志や考えをもって自分のことを考える必要がある現代のビジネスパーソンにとっては、情報を目的的に理解し解釈する「情報リテラシー」のスキルが重要です。メディアとのかかわり方や、情報とのかかわり方を考えながら、自分の将来やキャリアを考えなければなりませんね。

○参考記事

バイラルメディアとは?~今知っておきたい!要注目のマーケティング・キーワード~-SMMLab

爆発的人気を博したバイラルメディアに陰り、一方で伝統メディアは記事のバイラル化に拍車-THE HUFFINGTON POST

 

(4)IT

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○概要

人工知能(AI)の発展、クラウド、働き方の変革

ITの進展が、昨今は特に目覚ましいです。要因は、なんといってもスマートフォンの普及にあります。もはや社会のインフラとして存在しているといっても過言ではないでしょう。

ITの分野で社会的影響が強いのは、「人工知能(AI)」と「クラウド」の2つです。

人工知能の分野では、チェス、将棋と続き「囲碁」でもプロを相手に人工知能が勝利を収めています。もちろん盤上の勝負だけではなく、機械学習「ディープラーニング」や、音声認識システムによる検索機能の進展によって、人々の生活に大きな影響を及ぼしています。

また、「人工知能によって10年後20年後になくなってしまう可能性がある仕事」がオックスフォード大学の研究論文によって示唆され、人工知能の議論はさらに活発化しました。人の働き方、存在意義に新たな問いをもたらす存在として、人工知能は注目に値します。

それとは別に、「クラウド」というシステムが仕事の効率化の点で大きな影響を与えています。Googleドライブ、DropBoxというサービスは、あらゆるデータ(画像、文章、音楽、動画)をインターネット上に保存し、遠隔地で簡単に共有できる画期的なサービスです。

それを仕事に用いることで、仕事の効率化が進み人件費削減や業務フローの効率化が進みます。世の中はさらにスピードを増してくるでしょう。

人工知能とクラウドの存在が、人の働き方に大きな影響を及ぼすことは間違いありません。

○問題から何を学べるか?

「社会を変える要因」に目を向ける

このようなITの進展は、「便利」「効率的」といった正の側面が強調されます。もちろん、その活用によって私たちはより楽しくはたらくことが可能になりますが、その分、もっと考えなくてはならないことが増えてきます。

たとえば、「人工知能によって代替されない人の働き方とは何か?」という問題、クラウドでは「テレワークやデュアルライフといった『新しい働き方』とどう向き合うか?」という問題などです。

年功序列、終身雇用制などの旧来の働き方はもはや過去のものとなり、「安定した生活」という概念そのものが変化してくる時代においては、そういった「社会を変える要因」に目を向けることが重要です。当然ながら私たちの将来のキャリアを考えるにあたって「人工知能」や「クラウド」に目を向けることは、もはや必要不可欠であるといえるでしょう。

○参考記事

ホワイトカラーの仕事がなくなる? 人工知能の「10年後」とは-事業構想 PROJECT DESIGN ONLINE

クラウドとは?-とはサーチ

○参考文献

松尾豊『人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの』2015年、角川EPUB選書

 

(5)格差社会

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○概要

「格差社会」は、私たちの生活において最も「喫緊(きっきん)の課題」である。

『21世紀の資本』を書いたトマ・ピケティは、国際的な格差と資本主義の限界を分析する論理を導いたことで有名になりました。ベストセラーでしたので、とりあえず買ってみた、という方も中にもおられるでしょう。「r>g」…「r」は資本収益率、「g」は経済成長率です。この公式が有名になりました。

上記の式は、「r」の株式投資や不動産収入による利益増加ペースが、「g」の経済成長のペースよりも上回っていることを指します。よって、格差は是正されずに広がっていく。これを論じたのがピケティ。私たちが「資本主義」という社会に生きる意味は何なのか?ということを、改めて考えるきっかけとなるテーマでしたね。

また、2008年9月に発生した「リーマンショック」は私たちの経済社会がとても不安定なものであることを如実に表した事件として有名です。「既存の経済学の敗北」と言われることもありました。

「リーマンショック」とは、アメリカ第4位の投資銀行「リーマンブラザーズ」が、サブプライムローンと呼ばれる高リスクの住宅ローンで大規模な損失を計上し、その処理に失敗したことで発生した世界的金融危機でした。この問題も、もとをたどればアメリカの格差社会が根本原因であるといえます。

日本国内でみても、相対的貧困率の状況や、大学の費用の高騰、ワーキングプアや「負の連鎖」、生活保護のセーフティネットとしての機能の問題など多数の「格差問題」が乱立している状況です。

○問題から何を学べるか?

私たちはこの世界と日本の格差から、何を学ぶことができるのか?

格差問題を正確に理解することは、「今生きているこの社会」が当たり前のものではない」ということに気づくことから始まります。そのためには、「資本主義とは何か?」「経済政策や金融政策は何か?」という具体的な情報収集が必要になることが分かります。

「今の社会は当たり前のものではなく、かろうじてあるものである」という危機意識を持つことで、自分のキャリアの形成に行動力を持たせることができます。どんなときにリスクを取ることが正しく、どんなときのリスクが本当に危険なのか、そういったリスクの選択は他人の助言だけをうのみにするのではなく、自分で分析、考察する必要があるのです。

格差問題は、リスクを取りチャレンジを繰り返す人ほど知っておく必要があります。自分がリスクを取る意味をしっかりとらえた上でチャレンジすることがキャリア形成やキャリアアップ、将来の自分の行き先を考えるうえで重要です。

○参考記事

相対的貧困率とは何か:6人に1人が貧困ラインを下回る日本の現状(小林泰士)-THE BIG ISSUE ONLINE

中1でもわかるリーマン・ショック!現役講師がわかりやすく解説します!!Part1-塾講師Station情報局

○参考文献

トマ・ピケティ『21世紀の資本』2014年、みすず書房

 

社会問題を制する者はキャリアを制する!

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今回は、ビジネスパーソンが知っておくべき社会問題を5つご紹介いたしました。

自分の将来やキャリアを考える上で、これまで挙げた問題を深く考えることは大変重要です。しかし、概要や「何が学べるか?」を知っても、まだ他人事のように感じられるかもしれません。

その「他人事である」という感覚は、これらの問題を深く考察してないために「気づかない」だけであり、実際には私たち一人ひとりの生活やキャリアに大きな影響を及ぼします。それを理解するためには、やはり各々の深い考えや意見の組み立てが必要なのです。

また、短期的な目線で考えてみても、具体的な業務、特にクリエイティブな仕事ためにはそれ相応の「情報」が必要です。「社会の効用」を考えるためには、社会の問題に対する意識と解決策を導く努力が必要です。何もないところからはアイディアは生まれません。

今回の記事をご参考にしていただいて、情報収集と将来のキャリアに活用していきましょう。

 

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