薬剤師の仕事は、どんな地域、環境でも求められる職務です。介護福祉の職業と並び、医薬品の調剤や販売を通じて医療社会、高齢社会を支えています。あなたもそんな薬剤師のひとりだと思います。
しかし、薬剤師といえども、働く環境や積むことができるスキルは千差万別です。これからのキャリアや働き方を考えたときに、「もっといい環境に転職したいな」と考えている薬剤師の方も多いでしょう。
今回は、そんな薬剤師の転職を考えている方に向けて、転職活動で必ず必要な志望動機の考え方・伝え方を解説していきます。具体例を交えて志望動機の書き方や伝え方について説明していきますので、この記事を読み終わったあとは、明確な志望動機を持って転職活動を行うことができるでしょう。
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薬剤師の転職で「志望動機」が大切な2つの理由
志望動機の考え方について説明する前に、そもそも、薬剤師の方が転職をする際に「なぜ志望動機が大切なのか?」ということについて見ていきます。志望動機が薬剤師の転職においてなぜ大切なのか。その理由は下記の2つです。
理由1 薬剤師は専門的な仕事だからこそ「熱意」が重要視される
薬剤師は、薬学的知識を持ち、国家試験を経て資格を取得している専門性の高い仕事です。あなたも、薬剤師免許を取得してキャリアをスタートさせたことと思います。専門的なスキルを持っているだけで、あなたは一般の人よりも能力を持っていると評価されるでしょう。
しかし、そもそも「薬剤師を雇いたい」と考えている採用する側にとっては、資格を持っていることは前提条件です。そのうえで、あなたが「どんなことを考えて、これまでどのように仕事をしてきたのか?」といったこと、つまり、仕事への熱意を見たいと考えています。
志望動機は、あなたの薬剤師としての能力を最大限伝えるために必要な要素です。面接や書類選考で志望動機が重要視されるのには、選ぶ側の「あなたの仕事への熱意を見たい」という考えがあります。
理由2 採用する側にとって、専門性以外の能力を測る基準になる
採用する側にとって、あなたの熱意の他に何を見たいのか? それは、「専門性以外の能力」です。
理由1にもあるように、雇用主側は薬剤師であるかどうかは前提条件であり、そのうえであなたの能力をもっと深く評価したいと考えています。
たとえば、「調剤し販売するときに何を考えているのか?」「仕事のやりがいは何か?」「そのために何を大切にしているのか?」といった、仕事への姿勢です。
採用する側は、採用のためにコストをかけており、薬剤師の中でも特に有能で長く働いてもらえる人材を探しています。あなたは、求める条件とともに、志望動機をはっきりさせ、採用する側にあなたの能力をわかりやすく伝える必要があります。
では、次に志望動機の「NGな書き方」「書くべきこと」を順に見ていき、志望動機を考える際のヒントをまとめていきます。そして最後に、志望動機を考えるためのポイントをご紹介します。読み終えた頃には、あなた自身の志望動機も自然とみえてくるでしょう。ぜひ参考にしてくださいね。
薬剤師の転職の志望動機NGな書き方は「自分本位」「成長したい」
薬剤師の転職を考えている方の中には、転職理由として好条件で働きたいという方の他に、「成長したい」といったキャリアの目標を持っている方もいらっしゃるかもしれません。自分の働き方を考え、それを実現するために努力することは大変素晴らしいことです。
しかし、志望動機が大切である理由を振り返ってみると、「自分の成長」のためだけに自己PRをする方から、「熱意」を感じることは難しいことが分かります。採用する側は、自社に貢献してくれる熱意を持っている薬剤師かどうかを見ています。自分本位の書き方だけでは、採用する側も判断することができません。
薬剤師の志望動機では、「自分本位」「成長したい(だけ)」のような書き方・伝え方はNGであるといえるでしょう。具体的には、以下の2つになります。
1 勤務地や給与などの利点だけを志望動機にする
転職の理由によっては、「勤務地」「給与・福利厚生」といった就労の条件が最も大きな転職理由として挙げるかと思います。しかし、あくまでも選考における志望動機とは、あなたの仕事への姿勢や熱意を見るためのものです。
そういった条件は、雇用契約を結ぶ前から周到に調べておき、それとは別に、志望動機の内容を考えなければなりません。
2 「貴社で成長したい」という動機だけである
あなたが「採用する側」だと仮定してみたとき、「会社で成長したい」と話す人と「会社に貢献したい」と話す人、どちらを採用するでしょうか? きっと、「会社に貢献したい」と話す人ですよね。
たとえ、あなたは会社に貢献するために「成長したい」といったとしても、この表現・動機だけでは表現不足になってしまいます。熱意を示すための志望動機は、会社が求める人材として「あなたは何をしたいか?」ということを言葉にしなければなりません。
志望動機は、就労条件や自己成長のためのPRをする機会ではなく、あなたの仕事への熱意を明確に伝える機会であることをおさえておきましょう。志望動機でNGなのは「自己本位」なPRです。