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就活に困ったあなたへ
大学生というモラトリアム期間(そうじゃなかった人、すみません)も終わりに近づき、4年生。就活情報も解禁し、今まで散々遊んでいたあいつもとうとう就活を始めた。早い人は内定も出ているし、自分にも焦りが出始めた。自己分析、合説、面接。そしてESと自己PR文に向き合う日々。忙しいけど、頑張っていこう。
しかし、ここで問題が発生する。
「自分がやりたいことが全く分からない」のだ。
考えれば考えるほど分からなくなる。学校の先生や友人にも相談したけど、余計こんがらがる。自分の過去のエピソードを振り返る。そこから自分のやりたいことを考える。
しかし、ない!やりたいことがない!そもそも「働く」って何だろう……。
グループディスカッションにおけるよくわかんない威圧感。周りと比べてなんか自分イケてないんだよな…というあの嫌な感覚。練習したのにうまく話せない。
こんな日々でどうすればやりたいことって見つかるんだろう。
もしこんな方がいたらぜひこの記事を読み進めて頂きたいです。
自分の就活経験、多くの学生・ビジネスパーソン・キャリアコンサルティングの方から伺った話と観点をまとめた、「新しい就活のやり方」をご紹介します。
就活にはゴールがある
「就活にはゴールがない」とはよく聞きますが、実はゴールがあります。
それは「企業の求めることと自分のやりたいことが一致する内定を獲得すること」です。
要するに「とりあえず内定もらって就職したけど、この仕事まじでつまんねー、やめよ」という状況を防ぐということ。
そのためには「企業の求める人材」を把握すること、自分の「性格、価値観、長所短所、やりたいこと、働きたい環境、将来のビジョン」を把握することの2つが必須です。
【就活の基本的な手順】
(1)自分のビジョン・やりたいことが分かる(自己分析)
(2)それに合った企業を探す(その企業が求めている人材を把握する企業分析、OBOG訪問)
(3)その企業に入るための訓練をする(ES・GD・面接対策)
(4)内定がもらえる
就活でやりたいことを見つけるのは難しい
しかし、ここで重要なのが、「就活の中で自分のやりたいことを実務ベースで把握することはほぼ不可能」という事実です。
価値観は見つけることが可能ですが、多くの学生はやりたいことを実務ベースで考えたとしても、おそらく自分の専攻分野かバイト・インターンで経験したことくらいしか出てきません(めっちゃシゴト経験ある人は別です)
それは当然です。少ない経験の中からだけでは、この世のシゴトがどんなものかなんて分かりっこない。日本の職種は約2万8千種類もあります。
1つ業界に絞って就活することの危険性
やりたいこともなく得意なことも思い浮かばない方は「とりあえず業界を絞って」就活を始めてはいけません。厳密にいえば業界のみを考慮してエントリー先を決めることです。
なぜなら、その業界のみで就活をするとその業界が合わなかったときに取り返しがつかないからです。早い段階から就活をしていた人はむしろ1つの業界で絞る方が行動しやすくて便利ですし、修正もできるのですが、そうじゃない人は得策と言えません。
「なんか自分のやりたいことと違うんだよなこの企業」といった漠然としたモヤモヤがつきまとう結果になりやすいです。
新しい就活のやり方「やるべきことから考える」
では、やりたいことを見つけるのが難しい、1つの業界に絞るのもダメ、だとしたらどう就活をしていけば良いのでしょうか。
キャリアを考える際の観点で有名なものとして「will・can・must」というものがあります。
リンク: シゴトとキャリアの悩みは「will・can・must」で整理しよう
IKIKATAでも取材させて頂いた元キャリアコンサルタントで現在フリーランスの黒田悠介さんは記事の中で次のようにおっしゃっています。
学生は経験がないので、canやwillの部分はほとんどないんですよ。そうなると、やはり「must」の部分、「社会的にやらなくてはいけないことはなんだろうね」というところからキャリアを考えなくてはならないと考えています。
そのうえで、課題意識をもって、解決できる手段として「何がしたいか」=「will」 を導き出す。まずは「must」軸からキャリアを考え始める必要があると思います。
リンク: IKIKATA 黒田悠介 【インサイトハッカー】【フリーランス】
このやるべきことは業界研究のみでは分かりません。一番大事なのは社会が求めていることの把握です。ではどうすれば把握できるのでしょうか。
分かりやすいところから考えてみましょう。
例えば「いまあなたがやるべきこと」はどうすれば発見できるでしょうか。
あなたもお分かりの通り、思いつく限りにやるべきことを挙げていってそこから緊急性のないものを除き、優先度の高い順から並べれば発見できると思います。
それを社会全体で考えればいいのです。
では「社会全体で考えた今あなたがやるべきこと」とは何でしょうか。
まず、上記と同様にあなたが思いつく限りの社会問題・課題(日本だけじゃない)を挙げましょう。そしてそれを緊急性の高いもの、注目されているものから順に並べてみてください。
次に、その中からあなたがこれから仕事として取り組む社会問題・課題を選びます。
その中にあなたが興味のあることがあればそれでいいですし、なければあなたが持っているスキル・性格を活かしやすそうなものを2、3個選びましょう(なんとなくで)
最後に、選んだ課題に実際に取り組んでいる企業を何個もピックアップしましょう。(調べる)
重要なのは実務ベースでその課題を解決している企業であるということです。
例えば挙げた社会問題が「福祉の労働者不足」ならば「福祉事業を比較的大きい従業員規模で行っている、またはその展望がある企業」というようになります。
社会問題・課題からファーストキャリアを選択するという方法は「社会的にニーズのあることを自分のシゴトにする」ということになります。
つまり、自分が社会問題に関してきちんと貢献できるものでなければ意味がありません。
そして重要なのは、これは「わたしも社会問題に取り組む?いやいやそんな気もないくせになんなんだ、この偽善者」という戦略ではなく、「やりたいこともできることもないなら、まずはニーズが確実にあるシゴトに取り組んでそこからやりたいことを見つければいいじゃん。」という戦略であることを理解しておくということです。
既にやりたいことがあって将来の展望がある学生は別に行う必要はありません。
内定は始まり
内定がもらえるかどうかは当然「エントリー量×ES・面接等の質」で決まります。
ES・面接等の質は自己分析の精度と練習量(場数)に比例します。
だから、もし質に自信がないひとはエントリー量を増やすしかないです。(それで自分の入りたい企業で働けるかどうかは別)
だからこそその増やし方に関して今回の「やるべきことから考える方法」で実践してみてください。
個人的には人間、内定のために生きているわけじゃないし、やりたいことがないなら見つけるまで色んな経験を積むべきだと思っています。
しかし、そんなことも言っていられないのが多くの方の現実です。お金や家庭環境の問題に直面します。
だからこそパーフェクトな就活があるという幻想は捨ててみてください。
内定は終わりではなく始まりです。だからこそ悩んでいてはもったいないので、自分の力を発揮できるように調整しておきましょう。