今回は、「文系フリーランス」「ディスカッションパートナー」など、様々な肩書を持つフリーランス、黒田さんのIKIKATA。
Webマーケティングベンチャーから独立、そして転職を経て「フリーランス」へ転向。それまでのキャリアと、これからの展望、そして「文系」のフリーランスとしての考え方はどのようなものなのでしょうか?
働き方の多様化している今こそ必見の黒田さんの”生き方””考え方”に迫ります。
具体的な業務
現在は、10社のコンサルティング契約をしています。大半は「ディスカッションパートナー」としての仕事ですが、開発会社のビジネス顧問の仕事もあります。また、サービスの利用者にインタビューをして、インサイトを発見し、それをサービスの改善に生かすということもやっています。
—契約している会社での主な役割はどのようなものですか?
基本的には、新規事業の立ち上げですね。だいたい3か月~半年の期間で立ち上げに携わります。「どんなことをやろうか?」と考えるところから、サービスのローンチまでしますね。
—様々な企業の事業立ち上げに、ゼロベースから関わっていくということですね。
その会社が新規事業を作ったことがあるのは10年以上前で、もはやそういうことができる人が社内にいない、みたいな案件もありますから、その事業をサポートする、ということもしています。
今の仕事に就いた経緯・キッカケ
学生時代から企業でのキャリア形成まで
中高と化学部に所属したり、東大でも2年生まで理系の人間でした。ですが、「すぐ役立つ学問がしたい」と当時は考えていまして。そこで、「量子や素粒子の振る舞い」よりも「人のふるまい」に興味を持って、3年生から心理学を専攻することにしたんです。
そこで、行動心理学や認知心理学をシゴトに活かしたいな、と思うようになって、マーケティングを勉強し始めたんですよね。「人はどういう風にモノを買うのか」とか、「商品・サービスのファンはどうつくのか?」とか、そういうことを学んでいました。
その後、1社目でWebマーケティング事業の立ち上げ段階にジョインして仕事をするうちにその可能性を強く感じました。そこで2社目はWebマーケティングを専門でやっているベンチャーに転職。その後、26歳のときに起業してWebマーケティングのコンサルティング事業を立ち上げました。
起業して会社を経営して気づいたのが、「お金があっても人がいないと何もできない」ということ。そのような「自分の会社で辛かったこと」を他のベンチャー企業経営においても解決したいという思いがあり、成長企業と人材の最適なマッチングを実現できる「スローガン株式会社」に転職(自分の会社は譲渡)。
そこではキャリアカウンセリングやセミナー講師などをしていました。
「文系フリーランス」を”当たり前に”
フリーランスになったのは、2015年の8月です。
フリーランスになった理由はそもそも、「自由になりたかった」とか、そういう理由ではないんですよ。ただ単純に、フリーランスというものが食べていけるのかどうかを試したかったんです。
たとえば、最近はベンチャー企業に就職したり、起業したりといった選択肢を選ぶ人が増えてきていますけど、「フリーランスになる」という選択肢は当たり前ではありませんよね。
私自身、ベンチャーの社員として働いたり起業したりする経験はありましたが「フリーランス」になったことは今まで無かったので。アウトプットに明確な形があるデザイナーやエンジニアと違って、ディレクションやクリエイティビティで食べていける土壌が、果たして現代社会にあるのかどうかということが凄く気になったんですよ。
実は、「文系」のフリーランス、つまりライターやセミナー講師、フォトグラファーや翻訳家をしている方々は社会にたくさんいらっしゃるんですよね。ですから、もっとフリーランスがすべての人の選択肢になればいいな、と思っています。
自らでフリーランスを体感して、「個々人が働きたいと思っていること」で働くことができる土壌の形成を早めることはできるのかな、と考えていますね。