株式会社千歳建設 青山京平氏「所与の条件の中で、可能性・手段を最大限活用できるようなシゴトをしていく」

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今回は2級建築士、設計として活躍されている青山京平さんのIKIKATA。

大学、大学院と一貫して設計の道を進み、設計のみならずあらゆる場所でご活躍されている青山さん。シゴトに対する取り組み方や考え方には、私たちが学べる「はたらくこと」に関するエッセンスが詰まっています。

設計の枠にとらわれない、青山さんの「生き方」「働き方」に迫ります。

 

具体的な業務

 

「千歳建設」で設計をしています。2級建築士の資格を持っていて、2級ですと、一般住宅程度の規模まで設計することができます。設計業務の中には、建物を建てる際の敷地の事前調査から、書類の作成、申請手続き、監理と、図面を描く以外のことも含まれています。

 

—事前調査というのは、具体的に何をするのですか?

 

たとえば、防火地域や準防火地域で木造の建物を建てようとすると、建てるときの法律でハードルがあがるんですよ。そのような目には見えないものを確認します。

また、上下水道や電気を通す際のことを考えるための下調べもしますね。

市街地に建物を建てる場合は、そうでない土地に建てるときよりも火災の際の安全設計に関して難易度がありまして。そういう点が難しいですね。

設計の中でも建設業の設計は、長靴をはいて巻尺やレベルを使って、測量ということを現場でしたりもするので、アトリエ系の設計とはまた違ったシゴト内容だといえます。

また、実際に施工する際には、建築確認機関で求めていることと、実際に施工する側の間を取り持つ必要があります。設計監理と現場監督でやり取りをする場面では、たとえば、現実的な納まりやコストの検討をして、発注者が求めていることに沿って調整したりもしますね。

 

 

今の仕事に就いた経緯・キッカケ

 

(1)大学で設計を学ぶ

東北芸術工科大学の建築・環境デザイン学科で学んでいました。

もともとこの学科は、「環境デザイン学科」という名前で、その環境の中に建築という分野が入っていました。

学科の中でも「建築設計」「ランドスケープ」「都市計画」などの分野があるんですが、その中で僕は建築設計に絞って勉強していました。

たとえば、都市計画だとその町の「歴史」という観点も入ってきます。その名前だとかワードを覚えるのは、やっぱり結構大変ですね。

 

—では大学時代から設計だけに絞って勉強をしていたのですね。

 

建築設計といっても、考えなくてはいけない幅というのは結構広くて。たとえば建てたい人の人生計画なども考える必要がある。

また、「これがほしい」という要望が複数あった場合に、その要望が両立しない場合があったりもするので、そういった部分も含めて設計士として提案する必要がありますね。

具体的には、「おばあちゃんが楽しく暮らす家」ですと、広めの洗面脱衣室を計画し、そのまま外に出られるようにして庭先でトマトを作ったりしたものを収穫し、庭と濡れ縁と洗面脱衣室を一体で使いやすい空間を創るとか、畳に床暖房を入れて心地よい暖かさの和室を計画したりとか、そういった工夫です。

一つの建物に対して、一つの道をまっすぐ突き進む計画を立てるというよりかは、スタート段階でたくさんの夢や希望があって、設計の際にそのパターンを考えていくというやり方です。

 

(2)院生時代から、今の職業へ

大学4年の就職活動は、ゼミの先生にも「大学院に進むんでしょ」みたいな感じで言われていて(笑)

4年の夏に院試を受けてたんですが、大学院に進むことが決まった後に就活活動もしました。社会勉強と腕試しだと思ってやりましたね。

大学院2年後半で休学しまして、3年間、大学院にいました。その間に、資格学校で2級建築士の資格取得の勉強をしていましたね。

院のときの就活では、今の会社が新卒募集をしていなかったんです。でも、中途採用はやっていて。就職枠として「新卒採用」の枠ではないけれど、面接をお願いすることができて、今に至ります。

 

青山京平(あおやま・きょうへい) 株式会社 千歳建設 工務本部設計課所属 二級建築士 山形県生まれ、山形市在住 山形市立第一小学校(現:山形まなび館)、山形市立第三中学校、山形県立山形南高等学校、東北芸術工科大学・馬場正尊研究(建築・環境デザイン学科卒業)、東北芸術工科大学大学院・馬場正尊研究室(環境デザイン領域修了)。 主な活動履歴 ・山形市成人式実行委員(運営・開会の挨拶等) ・仙台デザインリーグ2009スタッフ(運営) ・震災復興ボランティア(大学、スマイルエンジン・泥掃除・救援物資仕分け等) ・震災復興ボランティア(大学、落合スポーツセンター避難所、紙管間仕切り設営) ・文翔館キャンドルナイト設営(大学、チーム・エコ) ・月山志津温泉・雪旅籠の灯り設営(大学) ・第一回東北六魂祭・東北芸術工科大学学生代表(大学花笠) ・みちのく阿波おどり実行委員(山形市すずらん街) ・サスティナブルコンペティション、入選 ・気仙沼復興プロジェクト、大沢みらい集会、戸建てエコハウスの提案(大学) ・リノベーションプロジェクト、亀や旅館 等(大学) ・古民家シェアハウスつぶ亭、メンバー ・コミクル、メンバー

青山京平(あおやま・きょうへい)株式会社 千歳建設 工務本部設計課所属 二級建築士
山形県生まれ、山形市在住。山形市立第一小学校(現:山形まなび館)、山形市立第三中学校、山形県立山形南高等学校、東北芸術工科大学・馬場正尊研究(建築・環境デザイン学科卒業)、東北芸術工科大学大学院・馬場正尊研究室(環境デザイン領域修了)。
主な活動履歴
・山形市成人式実行委員(運営・開会の挨拶等)
・仙台デザインリーグ2009スタッフ(運営)
・震災復興ボランティア(大学、スマイルエンジン・泥掃除・救援物資仕分け等)
・震災復興ボランティア(大学、落合スポーツセンター避難所、紙管間仕切り設営)
・文翔館キャンドルナイト設営(大学、チーム・エコ)
・月山志津温泉・雪旅籠の灯り設営(大学)
・第一回東北六魂祭・東北芸術工科大学学生代表(大学花笠)
・みちのく阿波おどり実行委員(山形市すずらん街)
・サスティナブルコンペティション、入選
・気仙沼復興プロジェクト、大沢みらい集会、戸建てエコハウスの提案(大学)
・リノベーションプロジェクト、亀や旅館 等(大学)
・古民家シェアハウスつぶ亭、メンバー
・コミクル、メンバー

 

 

仕事で工夫していること・考えていること(職業観・ポリシー)

 

(1)ひとまず「やってみる」

たとえば、模型を作って、実際に建てる建物がどんなものなのかを理解してもらうということはとても大事なんですよ。手間、時間がかかりますが、それでもやっています。

実はそれをしているのが会社で僕だけなんですが(笑) とにかく、最初からする意味があるのかどうかがわからない場合は、ひとまず「やってみる」ということを意識していますね。

 

(2)「勝手にカスタマイズ」してみる

シゴトをするうえで、目的によって手段を変えていくことを意識しています。

 

—それは、より効率的な方法を求めていく、ということですか?

 

模型でも何を見せたいのか、なにを知りたいかで、白模型が良いのか、テクスチャがあった方が良いのか。そもそも、模型ではなくパースの方がこの場合は良いのかもしれない、と考えたり、表現のためにCADを使わなかったり、適材適所という風にとらえてくことを考えています。

 

(3)設計という範疇におさまらない

成果がしっかり自分に返ってくるというところで、図面を描く設計のシゴトをしているわけですが、もちろん、設計以外のシゴトを振られる場合もあります。

図面を描くだけの範疇で、専門家になる必要は別にないな、と思っていまして。

最低限のスキルとしては「必要な情報を過不足なく図面を描く」ということで、ラフでも意味がしっかり通っていて、意図と設計の内容が伝わるほうが価値があると思っています。

だから、専門ではないけれど、色々なことをしています。所与の条件の中で、「可能性」「手段」を最大限活用できるようなシゴトをしていくということを意識していますね。

 

(4)設計士として名乗らない

デザイナーはあくまでも「黒子」だと考えています。

誰がデザインしたか、携わったかを知ってしまうと、先入観や偏見が生まれるので本質が見えなくなってしまいます。それよりも、「生の声」「感想」「意見」を聞くということを心がけています。

 

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青山さんのような職種・業種に必要なスキル

 

(1)あるがままの情報をみる

図書館や本屋に行って、本の内容や意味を理解していなくてもシゴトに関連するしないを問わずに見ていく。

インプットするぞ、ということを何も意識せずに、「あるがままの情報」をみるということが大事ですね。自分の中で、先入観や偏見を生まないようにしています。

 

(2)関連付ける

本を何冊か読んで違うのを見比べて、これとこれって、内容は全然違うけど、同じことを言っているのではないかと考える。

人に本を勧めるときも、1冊を勧めるのではなくて2冊勧めるみたいな感じですね。結びつきを意識していく。

たとえば、本の内容がリノベーションに関するものであっても、リノベーションとは違うところでその内容を応用していって「ここにも使えるな」という風に考えていくことですね。

そうすると、選択肢が自分の中に増えていくんです。それが面白いですね。また、人に会ったり、小説や映画からそういった応用をしていくことも大事です。

 

(3)情報提供の順番を変える

本当に伝えたいことを伝えるためには、すべて一気に情報を出してしまうのではなくて、その出し方の順番を意識しておくことが重要です。

設計でも、図面や模型を作ってそれを持っていき話を始めますが、本当に伝えたいことを伝えるためには「少々回りくどく」する必要があると思っています。料理でいきなりメインディッシュを食べるよりも、ワインの説明や前菜などの手順や、所作などがあった方がより美味しく食べられる感覚と同じだと思っています。

 

 

青山さんのような職種・業種を目指す方々へのメッセージ

 

目標をもって建築を学ぶことがとても大事です。

でも、基本的に「目標ありき」で頑張るよりも、これまで「成果」をモチベーションにする考え方のほうが行動しやすいと思います。今、自分がどこにいるかを知ることで、次にどこに行くかを考えることが出来ると思いますね。

「ひとまず、一歩進めてみる」ということですね。

また、資格がなくてもデザインやものづくりはできますから「どうやったら楽しくできるのか」ということを考えるべきだと思います。それを考えるだけで楽しくなります。

そういった考え方で、もし大工になったほうが楽しい!と思えるならば方向転換をすることも大事かもしれません。そういった自分の方向性に早めに気づくといいよ、と思います。

—ありがとうございました!

 

 

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