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具体的な業務
官民連携のまちづくりに関するコンサルタントとして、民間企業や行政、NPO団体などの団体、住民と連携した公共空間のプロデュースをしています。
地元の企業や団体、住民とのヒアリングやワークショップを通じて、「地域自治体の課題は何か?」を見つけていき、「公共施設という『点』ではなく、まちづくりという『面』として」の地域課題解決を進めています。
-三ヶ山さんは、家庭では育児をしていらっしゃるので、仕事と両立が大変ですよね。
育児は大変ですね(笑)
今は、在宅勤務を主としていて、たまに出張、会議はハングアウト(ビデオ通話)、という感じです。子どもが2人いて、上の子は保育園に通っているのですが、下の子は4月から保育園に入るんです。そのときはまた働き方は変わってくるかと思います。
-具体的に官民連携の方法ってどういったものがあるんでしょう?
たとえば、「PFI(Private Finance Initiative:プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)」という民間企業の資金と、経営や技術のノウハウを活用して公共施設の設計や運営、維持管理を行う手法があります。
あくまでも官民連携の手法の1つで、連携の方法がこれだけというわけではないのですが。
-「PFI」などの手法を用いて、行政の方と一緒にまちづくりを行うといったやり方なんですね。
地域や案件によって、担当する課が全然違うのですが、そういった方々と一緒にお仕事をしています。
-三ヶ山さんは経営コンサルティングを以前にされていたということですが、現在の行政メインのコンサルティングとはやはり違いがありますか?
全然違いますね。民間企業はまずは「利益」を出さなければならないので、利益を生み出すためのサービスや商品を考えますが、公共施設をつくるとなると公共サービスなので、根本の発想が異なります。
-実際にどういった活動で連携のお話を持っていくのでしょうか。
「その地域に根付いている企業」や「まちづくりに関心がありそうな会社」、「融資していただけそうな会社」にヒアリングをしたり、事業者や地域住民向けに「まちづくり」への興味関心を喚起するための勉強会やワークショップなども行いますね。
-ステークホルダーがたくさんいる中、その中心でやりとりをしていくお仕事なので、結構難しいところがあると思います。その点に関して気を付けていることなどはありますか?
やはり、行政と民間、住民の間を取り持つことになりますので、大変な部分は多いです。でも最終的には、「このまちがよくなるには?」を考え、まちにとって「最適な提案」をすることを心がけていますね。地域住民の方々の要望や声をできるだけ拾いながら仕事をしています。
「まちがよくなる」ということは、前提条件として「サービスが継続する状態」です。公共サービスだから無料で当然!という考えではなく、「お金を払ってでも受けたいと思えるサービス」の提供と、そのサービスを提供し続けられるまちの仕組みを作ることが重要だと考えています。
さきほど挙げたPFIも、そのための方法のひとつです。
今の仕事に就いた経緯・キッカケ
-今までの職歴から、現在のご職業に至るまでの経緯を教えていただけますか?
私は最初、経営コンサルティングの企業に入社しました。もともと学生のころから、旅や人と話すことが好きであり、
地域活性化に関心があったので、経営コンサルティング会社に入社し、その会社で5年間ほど働きました。
その後、今の夫が山形の人だったことで、結婚を機に山形にUターンし、山形でフリーペーパー会社に転職しました。
その会社はとても忙しかったので、「新婚ほやほや」なのに、夫と全然一緒にいられない…という感じでした(笑)。
これではまずいということで、試用期間でその会社を辞め、次に旅行代理店で仕事をすることにしたのですが、その際に今の会社の上司とお会いし、現在に至りますね。
私は「何をやりたいか」よりも「誰と働きたいか」を考えて、仕事を選んでいます。
仕事で工夫していること・考えていること(職業観・ポリシー)
成功事例を探す
コンサルタントは、課題を見つけてそれに解決策を提示して実行していくわけですが、その課題解決にあたっては「成功事例」を探し出して解決策のヒントにすることが大事だと思います。
失敗事例は、たとえば最近だと「しくじり先生」なんかが人気ですよね。でもそれにしても失敗事例だけを紹介しているわけではない。そもそも「成功」をおさめた人が語る失敗が面白いのであって、「全部が失敗」の人の話は、誰も聞かないじゃないですか。
大切なのはいろいろなところから成功事例を学んで、ルール化して、それを案件に応じて最適な形に変えて提案することだと思います。
当事者意識を持つ
(規模が)小さい仕事を依頼されるときは特にそうなのですが、依頼をしていただいた相手の「顔が見えない」と、やはり当事者意識を持つのは難しいです。反対に、「顔が見える」とそれだけで仕事に対してモチベーションが上がりやすいです。
でもそれより大事なのは、まちづくりのコンサルタントとして「まちの住民の方々」のために、という気持ちで仕事をするということだと考えています。
-「当事者意識を持て!」という話はよく言われますよね。当事者意識を組織の皆が持っている組織はもちろん強いのですが、当事者意識の「持ち方」を教えてくれる人ってあまりいませんよね。
私の場合は、まちづくりを考えるにあたって、担当者や地元の方々の話を多く聞いたり、まちの歴史を調べたりすることで、「そのまち、住民のため」という気持ちを持てるようにしていますね。そうでなければ仕事はすべて「作業」になってしまいますからね。
感想ではなく、事実を伝えること
-コンサルタントという仕事柄、「解決策を提示する」ことは必ず必要とされることの一つだと思います。そのときに気を付けていることはありますか?
意識していることは、「仕事に対する本気度を伝える」ということです。ただ偉そうに提案して帰ってきても、なんの意味もありません。「自分は本気で課題解決をしたいんだ!だから一緒に頑張りましょう!」ということを一緒に仕事をしながら、伝えていくことです。
-僕はコンサルタントという職業にとても魅力を感じていますが、その反面、提案をしたときに自分が予想したような反応を相手が示してくれなかったときはどうすればいいのかな?と想像がついていないのですが、その点はどのように考えていますか?
提案をしても、あまり積極的な反応が返ってこないことももちろんあります。でもコンサルタントとして「実績をキチンと出す」ということを考えていかなくてはならないと思います。
そういうときに気を付けていることは「事実を伝えることが大事」だということ、また「自分の感想は必要とされていない」ということですね。もちろん、例えば個人的に子育てに関しての意見を求められたときは、「私個人としては」と伝えつつ話しますが、それ以外では個人的な感想は話しません。
三ヶ山さんのような職種・業種を目指すために必要なスキル・資格
私は秘書検定くらいしか資格を持っていないのですが…(笑) 2つあります。
コミュニケーション力
コンサルタントである以上、どうしても「堅い話」をしなければなりません。人は誰もが「本音」と「建前」を使い分けて話しているので、まずは「場の雰囲気」を和ませるコミュニケーション力が必要だと思います。
そうすることで、「本音」を引き出すことができますし、「相手のニーズ」をくみ取り、提案に繋げやすくなります。
-「人の本音」を引き出す秘訣って、ありますか?
大事なのは「信頼関係を築く」ということです。それには先ほどお話しした当事者意識をもって、目の前にある仕事をしっかりこなしていくことが必要かと思います。
アウトプット能力
-他には何かあるでしょうか?
私の場合ですが、「報告書」を作成することが多いので、普段の読書や新聞を読むことも重要になってきます。
コンサルタントは、クライアントの「想いを形にする」のが仕事です。なので、具体的なアウトプットのバラエティも必要かなーと思います。報告書でもプレゼンでもワークショップでも何でもいいのですが、具体的にクライアントの想いを形にする方法を多く持っておくことが大切だと思います。
「具体的な強み」を持っていれば、声をかけてくれる人も増えてきますし、特に若手の場合は、すべて平均的であることも大切なのですが、何か一つに「特化」していると、先輩社員から声がかかりやすくて強いかなと思います。
元気(体力)
-なるほど、コミュニケーション力とアウトプット能力が必要だということですね。
資格どうこうではなく、相手のニーズを引き出すための「コミュニケーション能力」とクライアントの思いを形にするための「アウトプット能力」が必要ですね。
でもやっぱり何より大切なのは「元気(体力)」ですね!笑。コンサルティングはけっこう体力勝負なところがあるので、元気じゃないと務まりません!!
三ヶ山さんのような職種・業種を目指している人へのメッセージ
-コンサルタントを目指す方々にメッセージをお願いします!
「とにかく問題意識を持つ」ことを心がけましょう。何か一つのことに関して「なぜ?」と考えて、興味を持ち、調べてみること。
たとえば、「あの流行っている店は、なぜ流行っているのか?」を考える。そこで、もしかしたらこういう理由なのかもしれない…と考えてみて、それを友人に話してみる。
たとえば「アイハラくんがモテない理由」を考えてみるとか(笑)
-これはすぐできますね!(笑)
「日々の中でコンサルティングをする」ということが大事です!「課題を見つけ、ニーズを掴み、解決策を提示し、実践する。」ということですね。
-ありがとうございました!
ご協力いただいた企業様
株式会社五星パブリックマネジメント研究所