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具体的な業務
現在は、県若者支援・男女共同参画課で、「ワーク・ライフ・バランス」を進める仕事をしています。
若いうちから仕事と生活の両立を意識した働き方について考えていこうという主旨のセミナーや、部下の仕事と生活の両立を応援し、自らも仕事と私生活を楽しむことのできる「イクボス」を養成する研修の企画・開催など、様々な業務を行っています。
どうしてこうした仕事が必要なのかといえば、現在、急激に人口減少や核家族の増加が進んでいるためです。
従来の社会では、子育てや介護、あるいは地域の活動など、仕事以外の活動に制約がなく、とにかく長時間働くことができる人が求められていたのですが、人口減少や核家族が増加している現代においては、多様性な人々が活躍できる社会にしていかなければ、継続して発展していくことができなくなっています。
人口減少を迎える社会を「お互い様の心」と「チーム戦」によって乗り越えていく。それがこれからは必要になってくると思います。
また、昨年9月にハローワークプラザやまがた内に開設した「マザーズジョブサポート山形」の運営を担当し、就職目指す子育て中の女性の支援事業も行っています。
今の仕事に就いたキッカケ
山形県職員としての道を選んだきっかけは、大学卒業後をイメージした、20歳前後の時期ですね。
仲の良い友人と「今後の進路」について話すタイミングがあって。1枚の紙に「自分の譲れないところ」「将来の希望」というのを書き出していったんです。
そこで様々な自分の希望を書き出していき、そこから、譲れる分や代替できること、実は必要ないことなどを削っていきました。そうした作業をしてみて、最終的に私は、「山形に戻って仕事をしたい」という想いが残りました。
県外の大学に進学していたのですが、山形にいる先輩や、たくさんの人の話を聞いていく中で、その想いが固まっていったんですね。
また、「山形で色々な人たちの笑顔を繋げたい」という想いもあり、「山形で働く」と繋げてイメージしたのが、県職員という職業でした。実際に県職員として働いている先輩からは、「より良い社会への道をつくる仕事に誇りを持っている」という話も聞いたりして、自分もそうした仕事をしたいと考えるようになりました。
友人と洗い出した「想い」=「自分の軸」を中心として、その後はその軸に沿って「最も良い選択」をするようにしたんですね。
自分の希望や夢をいろいろな角度から考え、「最後に残った部分」を「自分の軸」にする。
そこから、「これからどうするか?」という展望を考えていきました。
仕事で工夫していること・考えていること(職業観・ポリシー)
県民の皆様の視点を「軸」にするということ
企業の方であれば、「コレはお客様のためになっているのか?」を考えます。
ある企業の役員の方がおっしゃっていたお話です。
その方は、販売ノルマを達成できなかった部下を責めていたのですが、その「責め」は、「自分の評価」「自分の利益」だけを考えていたからだと。企業全体として本当に必要なことは「お客様からの評価」なのに、それに気づくことが以前は出来ていなかった、という経験談でした。
私はこのお話に凄く共感したんですね。
公務員にしても企業の社員にしても、「誰が評価者なのか?」ということを考えていかなくてはなりません。社員であれば、「お客様」、公務員であれば、「住民の皆さま」が「評価者」です。
もちろん、現実には制限があったりと、どうしようもないこともあります。ノルマや人間関係など調整が難しいことは多いと思うのですが、その「評価者」をキチンと考えることは、いつも意識して仕事をしています。
常に向上心を持つこと
「公務員」という職種自体が、「自分の夢を実現することをあきらめている仕事」であると思われていることは結構多いんです(笑)。就職を決める際も、「公務員は夢がない」という友人もいたり。
しかし、公務員であっても、「自分の考えやアイディア」を実際に企画として実現できる機会はたくさんありますし、プロジェクトの成功やたくさんの方から感謝されたり、やりがいも本当にたくさんあります。
もちろん、部署による違いはありますが、様々な業務を担当できるので、どんな場面でも成長のための過程だと思い、自己練磨し続けることが重要だと考えています。
横澤さんのような職種・業種を目指すために必要なスキル
まずは「公務員試験」に合格しなければなりません。しかし、それはあくまでスタートラインであって、当然それだけでは足りません。
「巻き込み力」
私自身、公務員試験の勉強は友人と2人でしていました。仲間がいないと、勉強し続けるのは結構辛いですから(笑)
気持ちの面だけではなく、情報交換ができたり、切磋琢磨できる仲間がいたからこそ、楽しんで試験勉強ができたと思います。
「利害調整力」
1つの「社会的な流れ」を作る場合には、何よりも人と人との「調整」がとても重要です。
物事は、「人の話を聞く」「意見を受け止める」「総合して良い方向に進める」ことで、進めることができます。人それぞれの「ものの見方や立場」を総合して、同じベクトルへと向けていくことができる力が必要になります。
私は、大学時代に複数のサークルの代表を務めていて、「調整役」は多く担っていましたし、大変な時やツライ時もありましたが、そうした役割が好きでした。飲み会の企画も多く、場所や人数を調整したり、連絡したり。また、飲み会中も浮いているメンバーのフォローや、急な2次会、3次会の手配等々。
しかし、そうした経験も、「調整力」を養うことにつながっていたと思います。
大学時代の経験も、必ず役に立つということですね。
自分の損得だけで考えずに何かを任されたなら「ありがたい!」という気持ちでとりあえずやってみようという心構え。「何のために必要なのか?」で考えるのではなく、「必要ないことなど、無いのではないか?」という逆の視点から、まずやってみる。
自分に必要ないものって、案外少ないものだと思います。
横澤さんのような職種・業種を目指している人へのメッセージ
試験合格がスタートラインです。
しかし、1人ではなかなか高いモチベーションを維持するのは難しいので、仲間とともに、勉強を頑張ってください。「なんとなくの仲間」ではなく、「意識的に持つ仲間」。そんな仲間に出会えれば、かけがえのない存在になると思います。
私が一緒に勉強していた友人も他県の県職員として働いており、今でも情報交換したりしています。
情報を発信する人にこそ、人は集まってきます。自分の考えていること思っていることを発信していけば、仲間は集まります。それこそ、SNSを活用するなど、発信する方法はいくらでもありますから。
また、何をするにも大切にしている考え方としては「Bestにこだわらない、More betterを目指していく」ということ。それができると、勉強や様々なことに対する自分の効率、生産性が上がります。
例えば、試験勉強をするにしても、自宅の決まったスペースでしか勉強できないと考えるのではなく、スキマ時間を使って、様々な場所で勉強できるようにしてみる。意識的に慣れるようにすれば、自ずとできるようになります。
「与えられた環境の中で最大のパフォーマンスを発揮すること」は大事です。
社会の中では、いつも自分に合った状況で動けるわけではありませんから、その制約がある中で、しっかりと自分のパフォーマンスを発揮することが必要になります。そんなことも、公務員試験の勉強などから学んだことです。
様々な職業の選択肢があると思いますが、「県職員」。自信をもってオススメします。