「仕事を辞めたい」と感じることの多い方には、様々な理由があると思います。どんな理由であれ、仕事をやめたいと感じる人の課題として挙がるのは「どうやったら円満に退社できるのか?」ということではないでしょうか。
仕事の辞め方次第で、次に行う転職活動もスムーズに行うことができます。また、退社するからと言って、前職での人間関係を悪いものにしたくないですよね。
今回は、転職を検討している方に向けて、円満に仕事を辞める方法をご紹介していきます。この記事を参考にすることで、「飛ぶ鳥跡を濁さず」ということわざのように、円滑に退職を進めることができます。
Contens
退職する人はどのような考えで退職しているのかを知ろう
具体的に円満退社をするための方法を知る前に、世の中の転職者がどのような思いで転職をするに至っているのかのデータを参考にしてみましょう。転職活動を実際に始めるにあたっては、「仕事を辞めたいと思っているけど、実際この理由で転職していいの?」と、自分自身の転職動機に対して疑問を持つ方も少なくありません。
ここでデータを通して転職動機を見ることで、転職を検討している方は明確な動機を持って転職に踏み出すことができるでしょう。
ご覧の通り、大手転職サイト「DODA」では、「ほかにやりたい仕事がある」が1位、「会社の将来性が不安」が2位と、「自分の働き方・キャリアを考えた上での転職」を志している方が多い印象です。
対して、下記のグラフでは、大手転職サイトの「マイナビ」が調査した、転職者の「ホンネの退職理由」の割合が掲載されています。
このグラフでは、ホンネの退職理由として「人間関係」を理由に退職した方の割合が26%ととても多いようです。
2つの情報を要約すると、「ポジティブな理由で転職をする人も多いが、ネガティブな理由で転職する人も一定数いる」ということが言えるでしょう。当たり前のことのように聞こえますが、それだけ「転職」という行動がそれほどハードルの高いものではないことが分かります。
もし、この記事を読んでいるあなたが「仕事を辞めたいという理由だけで転職してもいいのだろうか?」という悩みを持っているのであれば、あなた自身が今の仕事を辞め、どんな仕事をしたいのか、どんな働き方がしたいのかを今一度考えてみましょう。
言葉にすることさえできれば、あなたの「転職の動機」は明確になっているといえます。円満に退社するためには、「自分は転職をしたいんだ」という思いと明確な動機を持つことが大切です。ぜひ、考えてみてくださね。
円満退社で仕事を辞めるための4つの方法
では、「仕事を辞めたい」と感じ、実際に転職活動を検討している方に向けて、円満退社のための「仕事の辞め方」をポイントごとにご紹介していきます。
1 退職の旨を職場&上司に伝える
退職の旨を職場や上司に伝えるまでは、あなたがいくら転職準備をしていても「正式に伝えた」とされることはありません。正式な手続きに従って退職を進めるためには、然るべき方法があります。
最初にすべきことは、退職の旨を職場(企業)や上司に伝えること。これが最も最初の難しい部分です。特に上司に伝えることは感情的にも難しい場合も多いでしょう。ですが、注意すべきポイントをおさえて丁寧に伝えることで、上司に対して明確に退職する旨を理解してもらうことができるでしょう。
上司に退職の旨を伝えるポイントは、下記の4つです。
- ウソはつかない
- ポジティブな理由を話す
- 引き止められることを想定に入れる
- スケジュールはきちんと伝える
この4つの点に注意して、上司にしっかりと「退職の旨」を伝えていきます。
2 退職願/退職届の提出
次に、職場へ正式に退職の意思を伝えるためには、退職届の提出を行う必要があります。退職届は、一般的に上司に退職の旨を伝えた後、具体的な退職日時が決定した後に記入することになります。
職場によって一定の様式がある場合もありますが、基本的には下記の点に気をつけ退職届を記入しましょう。
退職届の書き方の注意点
- 白紙の封筒と縦書きの便箋
- 黒の万年筆 or ボールペン
- 退職理由は「一身上の都合により」といった理由でも可
- 「日付」は退職が決定した日。決まってない場合は退職日から1ヶ月前以降の日付を記入
- 宛名は社長の名前を記入
3 退職の手続きを行う
退職の際に最も煩雑な作業は、退職に伴う行政手続や会社の事務的な手続になります。基本的には社内の手続きで完了しますが、健康保険の手続き等はご自身で行うことになります。
会社に返却するもの
- 健康保険証
- 社員証明書
- 制服・備品など
会社から受け取るもの
- 源泉徴収票(転職先での申告や年末調整に必須)
- 雇用保険被保険者証(雇用保険を受け取る際に必要。1年以内の転職なら雇用期間が通算になる。)
- 年金手帳(14日以内に転職先が決まっている場合:転職先で年金加入に必要。転職先が決まっていない場合:退職後14日以内に国民年金に自身で加入する)
- 離職票(失業給付やハローワークに提出する場合必要。一般的には退社後送付される。)
手続きの面は一人で抱えず、然るべき部署や窓口を通じて行うことがベストです。後から抜け漏れがないよう、会社から受け取るものは自分自身で把握しておきましょう。
4 転職サイト/転職エージェントを活用する
退職後、転職までの期間が空いてしまうことには、退社手続きの面でデメリットがあります。意図的に転職活動を長く慎重に行うことも重要ですが、出来る限り「転職活動」と「退職準備→退職」は同時に行うべきです。
退職準備には、「転職活動の流れや時期をおさえておく」ことも含まれます。一人で転職活動と退職準備を行うことも不可能ではありませんが、退職準備に気を取られすぎ、転職に失敗してしまうことは避けたいことです。
また、スケジュール等をきちんと上司や企業側に伝えるためには、転職する際のスケジュール等を明確にする必要があります。あなたが担当していた業務をいつ、どのように引き継ぐべきなのかは、あなたのスケジュール調整にかかっているといえます。
そこでおすすめなのが転職エージェントです。ご自身の経験・スキルにマッチした求人を紹介してくれるだけではなく、転職相談や面接などのスケジュール調整なども行ってくれるため、何かとやることの多い転職者を手厚くサポートしてくれる点がおすすめできます。
円満退社のためには、然るべき理由を関係者に話すことと、適切に手続きを進めることのほか、あなたが転職を行うスケジュールやタイミングを自身で理解し、退職前に職場の方々と情報を共有することが大切です。転職準備も、「円満退社」のひとつのポイントであると捉えましょう。
転職エージェントを使うことのメリット・デメリットは?
転職エージェントとは、いうなればあなたの「秘書」のような存在です。転職エージェントサイトは多数ありますが、共通しているのは「担当者がつき、転職活動を一貫してサポートしてくれる」ということ。
ここでは、転職エージェントを使用することのメリット・デメリットをご紹介しています。転職を検討している方は、下記のメリット・デメリットをよく理解した上で活用していきましょう。
メリット
自分に合った職場を探してくれる
転職エージェントの最大の特徴は、業界や転職事情に精通したエージェントが転職相談に乗ってくれること。つまり、あなたの特性や経歴を活かしたアドバイスを受けること、「どんなところに転職すべきか?」といった悩みを相談することができるということです。
その上で求人を紹介してくれるため、「自分に本当に合っているのだろうか?」という悩みを持つ必要がなくなりますし、万が一悩みを持ったとしても、その都度相談をすることができます。
転職が初めてな方や、転職に大きな不安を抱いている方にとって、一人で転職活動を行う必要がない転職エージェントはかなり心強い味方であるといえます。
転職活動に必要な準備をサポートしてくれる
相談やアドバイスだけではなく、内定を得るための面接の準備や面接に必要な選考書類の準備を行ってくれるのもエージェントの特徴です。また、在職しながらの転職活動で最も不安のある「スケジュール調整」も、最適な日程を企業側と相談した上で決めてくれるため、面接のスケジュール調整がとても楽になります。
転職活動は想像以上に「すべきこと」が多いため、「まず、何をすべきかわからない」という方にはぜひ転職エージェントをおすすめします。
デメリット
自分で数多くの求人情報を見ることができない
転職活動を複数回行っている方や、既に細かな条件等まで決まっている方にとっては、「多くの求人情報を見たい」が転職活動の最大のポイントといえます。
転職エージェントは、最適な求人を提案してくれるという点では優れていますが、どうしても「自分でみたい」という場合の量や効率としては一般の転職サイトに劣ります。
しかし、その分ひとつひとつの求人情報を綿密に紹介してくれるため、求人内容に対する信頼性は高いといえます。
転職する業界や職種・業種などが明確になっていない場合、一人で転職サイトを使い多くの求人を見ることは、転職活動に多くの時間を割いてしまうことになりますので、注意が必要です。
担当するエージェントによって対応が変わる
転職エージェントは、転職者によって担当者が就くシステムなので、その分具体的なサポートを得ることができます。反面、担当するエージェントによって、対応やアドバイスの内容に幅があることに注意が必要です。
転職エージェントサービスは、複数活用する方がとても多いというデータがあります。
転職エージェントは「4社」以上の活用で転職に成功する割合がぐんと上がります。担当者に不安がある場合でも、それを解決する方法はあるといえますね。
転職エージェントの登録後の流れ
転職エージェントの一般的な「登録後の流れ」は次のようになります。転職エージェントごとに細かな流れが異なる場合もありますが、大まかに流れをおさえておくことで、円滑に転職活動をすすめることができるでしょう。
- 個人情報入力後、エージェントからカウンセリング(転職の相談)の日程調整の連絡が1〜2週間で来る。
- エージェントとのカウンセリング(転職の相談)を行う。
- 相談を踏まえてエージェントが求人を紹介してくれる。
- 履歴書などの書類準備&応募する企業を決める。
- 面接準備をエージェントと相談しながらする&面接本番。
- 内定後、入社日や給与などの条件交渉をエージェントを通じて行う。
カウンセリングや相談のタイミングで、「面接前の不安事項」「内定後の入社日や給与交渉」「退職の調整」の方法はどんどん質問し、出来る限りエージェントから情報を受け取りながら転職活動を進めていきましょう。
転職成功のための「転職エージェント」まとめ
エージェントサイトは、必要項目を入力し登録完了した後、メールや電話等であなたの日程に合わせて転職支援を行ってくれます。「今仕事が忙しい!」「時間がないかも…」と不安な方も心配せずにまずは登録してみましょう。あなたの転職成功率がグンと上がります。
また、転職エージェントは複数活用することをおすすめします。
エージェント会社により、持っている求人数や種類に差があります。また、複数のエージェントを活用することで、より年収アップが期待できる求人を多く見つけることができます。
自分に合ったエージェントを「2〜4つ」登録しておくと良いでしょう。
1位 マイナビエージェント|20〜30代の転職活動に最適!
『マイナビエージェント』の特徴
有名な就職サービス『マイナビ』が運営する転職エージェントサービスが「マイナビエージェント」です。
キャリア事業の大手ならではの信頼感と、太いパイプが売り。
特に20〜30代向けの求人情報に強みがあるため、転職が初めてで不安な若手社会人の方におすすめです。また、相談しながら転職活動を進めたい人にとっても力強い味方になってくれます。
20〜30代の方はほかの転職エージェントと同時に登録しておくことをおすすめします。
どんな人にオススメ?
- 希望する職種・業種が複数ある方。
- 大企業からベンチャー企業まで、あらゆる選択肢を考えているが転職に自信がない方。
- 20〜30代、第二新卒の方で、転職活動の選択肢を増やしたい方。
2位 転職が不安なら最初に登録しておくべき!『リクルートエージェント』
『リクルートエージェント』の特徴
「リクルート」が運営するエージェント型転職サービス。最大の特徴はリクルートのパイプを活かした多数の求人案件にあります。業界ごとに精通したアドバイザーが、給与等の条件や面接対策などといったサポートをしてくれますので、転職に不安があるが、選択肢は多く持ちたい方が活用できる転職サービスです。
どんな人にオススメ?
・転職活動の条件などの交渉に不安がある方(代行してやってもらえます)
・面接や選考の書類など、具体的な転職活動の準備が不安な方。
・自身のスキルやPRポイントなどがよくわからず、転職に悩んでいる方。
3位『正しい転職』を助けてくれる『パソナキャリア』
『パソナキャリア』の特徴
『パソナキャリア』は、転職エージェント。手厚い転職サポートを登録後から採用まで一貫して行ってくれます。(すべて無料)
キャリアや転職に関する悩みがある方にとっては、求人案件を探すだけではなく、そもそもの働き方や求める条件を絞りこむことが大切です。『パソナキャリア』であれば、転職活動における悩みを抱えずに採用までスムーズに行くことができるでしょう。
どんな人にオススメ?
・転職活動に不安や漠然とした心配がある方。
・キャリアカウンセリングなど、転職相談を受けたい方。
・信頼感のある情報源から、求人案件を得たい方。
4位 DODA転職支援サービス
『DODA」の特徴
DODAでは登録者に対して、サイトに公開されていない求人をキャリアカウンセリングの中でご紹介しています。業界・職種に精通した専任のキャリアアドバイザーがあなたのキャリア、お持ちのスキルを総合的に判断し、 現在の転職市場において強みとなる部分、弱点となる部分を整理します。
どんな人にオススメ?
・キャリアカウンセリングを希望する方。
・履歴書の書き方や模擬面接対策など、手厚いサポートが欲しい方。
・自分にあった企業がなかなか分からない方。
「転職サービスランキング」も掲載中!
ほかにも、転職エージェントは大手から中小まで様々なものがあります。基本的には、求人数の多い大手エージェントを使うべきですが、特定の業界に強い特徴を持つサービスなどもあります。
- 他にもエージェントを見たい!
- 複数のエージェントに登録しておきたい!
という方は、下記ランキングを参考にしてください。
転職したい業界・業種が決まってるなら「IKIKATA Database」
IKIKATAと同時に運営している業界別・ニーズ別の転職サイト紹介メディア「IKIKATA Database」では、あなたが転職したいと考えている業種・業界別に転職サイトをご紹介しています。
あなたが「営業職」「事務職」など職種で転職を考えている場合や、「IT」「金融」など転職したい業界が決まっている場合は、こちらのメディアから転職サイトを検討してみましょう。
まとめ|円満退社ために適切な準備をすることが大切です
今回は、「仕事を辞めたい」と考えている方に具体的な仕事の辞め方・円満退社のための方法をご紹介してきました。どれも、具体的に行動できるポイントですので、すべてを実践して頂き、転職活動と退社を円滑に進めてください。
「飛ぶ鳥跡を濁さず」を実践するためには、細かな準備が不可欠です。次の職場で心機一転頑張るためにも、今から確かな準備を進めていきましょう。