「人を褒める」というスキルは、チームのマネジメントや部下の育成などから、日々の人間関係の構築、仕事だけではなく日常生活に至るまで様々なシチュエーションで活用できるものです。
褒められて嬉しいと感じない人はほとんどいませんが、あまりわざとらしくしすぎたり、やりすぎてしまうと逆効果。
でも、本当に褒めたい、評価したいと思っている人に素直に褒めることができるようになりたいと感じている方は多いはずです。
そこで今回は、褒めるのが上手な人の特徴と、そのテクニックをご紹介していきます。人間関係を円滑にしたい人や、部下を褒めるやり方に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
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「褒める」とは何か?
「褒める」という言葉の意味を知らない人はいませんが、褒める行為はニュアンスが難しく、場合によってはただ甘やかしているだけ、ただ持ち上げているだけ…といった状況になりやすいです。
日々の人間関係の構築で上手に「褒める」ためには、正しい褒めるの意味を知っておくことが大切になります。まずは、褒めるの意味についておさえておきましょう。
褒めるの意味・使い方
褒めるとは、「人が行ったことを優れているものと評価し称えること」とされています。
[動マ下一][文]ほ・む[マ下二]
1 人のしたこと・行いをすぐれていると評価して、そのことを言う。たたえる。「勇気ある行動を―・める」「手放しで―・める」「あまり―・めた話ではない」⇔そしる/けなす。
2 祝う。ことほぐ。「真木柱 (まけばしら) ―・めて造れる殿のごといませ母刀自面変 (おめが) はりせず」〈万・四三四二〉
引用:褒める – goo辞書
つまり、何もしていないのに称賛したり、人を持ち上げる行為は「褒める」とは異なります。そのため、そのニュアンスに注意して、褒める方法を学ぶことが大切です。
「褒める」の対義語は「貶める」
褒めるの対義語は「貶める」という言葉です。貶めるとは、「劣ったものとして見下す/さげすむ」という意味を持ちます。
褒める際には、「アメとムチ」が必要だと言われることがあります。たとえば、部下が挑戦した結果仕事でミスをしてしまったときは、だめだったポイントを指摘しつつ、できていることを褒めることがアメとムチになります。
ただし、間違えやすいのは、アメとムチの「ムチ」部分を「貶める行為」と同一視してしまうこと。
人格攻撃や必要以上のダメ出しには効果がない場合が多いため、部下の教育などではそういったことがないようにしましょう。
補足|「部下をほめる」は「褒める」「誉める」どっち?
「ほめる」という言葉には「褒める」「誉める」と2種類の書き方があります。常用漢字は「褒める」だけであり、誉めるは一般的に使われることはありません。
ただ、2種類とも同じ意味を持つ言葉とはいえ、ニュアンスにはちょっと異なる意味合いがあることを抑えておきましょう。
「褒める」は、他人の良い行いに対してそれを称える行為です。一方「誉める」では、名誉などに使われる「ほまれ(誉れ)」が使われており、大勢の人間から評価されることを指します。
たとえば、社内の営業成績で一位を獲得した社員は、褒めるよりも「誉める」という漢字が適当だということになります。
さて、「褒める」の基本的な意味について解説してきました。褒める行為に慣れていない方は、まず褒めることの効果とメリットをチェックしておきましょう。
仕事やビジネスシーンで、他人を褒めることにどんな意味があるのか疑問な方は、ぜひ次もご覧ください。
褒めることの効果とメリット
1 自分自身に良い心理的な効果がある
褒めることには、他人の心理的な効果以上に、褒める自分自身に良い影響を与えます。
人を褒めることは、結局のところ相手の行動がもたらした結果を見つけることにほかになりません。そしてそのためには、相手の行いの中からポジティブな側面を発見する必要があります。
物事や人に対してポジティブな側面を即座に見つけられるようになると、前向きに様々な物事を検討できるようになるため、思考停止に陥りにくく、問題発見も早期になります。
ビジネスシーンでは、管理職など部下を抱える立場になってからのほうが、むしろ前向きに問題解決を行う機会が増えていきますよね。
そのため、自分自身の仕事に対するモチベーションや視座を向上させるためにも、「褒める」という行為はかなり有効なのです。
2 好意の互恵性がある
社会心理学では、「好意の互恵性」という概念があります。
相手を褒めたりたたえたりする行動は、相手にとってもポジティブな心境の変化を促進させるということ。あなたへの信頼感も高まりますし、より精力的に努力するようになるでしょう。
もちろん、仕事以外の局面でも、この好意の互恵性を期待して相手を褒めることは理にかなっています。
必要以上に褒める必要はないにしても、相手を褒めることでお互いに心理的な良い効果があると分かれば、褒めるほう法を学んでおいても絶対に損はしないのです。
3 部下と上司の関係などの上下関係がうまくいく
部下や上司の関係性を親密なものにすることができている人は殆どいないのではないかと思います。
少し年代や立場が離れているだけで、こうも見事にものの見方が異なるのか、と管理職になってからびっくりしている人も多いのではないでしょうか?
部下と上司の関係性以外でも、親と子、先輩と後輩、兄と弟など、様々な上下関係が世の中には存在します。そして、そういった上下関係は、すぐに不和が発生することを抑えておくべきです。
そしてその不和の発生を防ぐためには、日頃からお互いを認め合うための相互理解が不可欠です。よって、褒めるという相互理解の最たる行動が必要になってくるのです。
4 恋愛や日常生活における人間関係がよくなる
褒めるという行為は、仕事以外でも役立ちます。
たとえば、恋愛関係や家族関係、近所付き合いなどでは褒めるという行動を自然と取ることができる分だけ特をするでしょう。
お世辞ではなく、心の底からポジティブな側面を相手に伝えることができれば、あなたに対する信頼感を醸成することに繋がります。
ここまで、褒めることの効果・メリットについて見てきました。次は、褒めるのが上手な人の特徴を見ていきましょう。
褒めるのが上手な人の特徴
1 お世辞を言わない
褒めると言うと勘違いしやすいのが「お世辞」です。お世辞は思ってもいないことを言うことなので、口からでまかせだったり、状況と合っていないことを言ってしまうリスクがあります。
お世辞を言わないためには、心の底から思っていないことを言わないことが第一に重要です。褒めるのが上手な人は、それを理解したうえで本心から褒めることができるように工夫しているのです。
2 他人を深く分析している
お世辞を言わないとなると、他人を褒めることなんて無理なんじゃないか…?と感じる人も多いと思います。
しかし、他人のどんな部分を褒めることができるのかを即座に言葉にすることができれば、相手にお世辞ではなくとも褒める言葉をかけることは可能です。
褒めるのが上手い人は、相手が言ってほしいことかつ自分が言うべきことをきちんと整理して、相手に伝えることができています。
3 様々な人と接点を持つ
褒める相手がいなくては、いくら褒めるのが上手でもその能力を発揮することができません。
たとえば、部下を上手に褒めて部署の士気をあげようとしている管理職の方がいるとします。この方は、もともと部下と必要以上にコミュニケーションを取らない仕事をしていたため、部下を褒める機会自体がないのです。
このように、褒められるレベルで人と関係を築き、接点をしっかり保っておくことができているのも、褒めるのが上手な人の特徴なのです。
4 褒めるだけではなく論理的に指摘・指導ができる
アメとムチについては記事冒頭でも触れましたが、褒める行為は論理的な指摘や指導とともにおこなうと効果が高いです。
たとえば、仕事では褒めることよりも部下に様々な指導をする機会の方が何倍も多いはず。そんなとき、褒めることと同時に論理的に問題点を指摘できる上司であれば、部下からの信頼が厚くなります。
では次に、褒めるのが上手な人から学ぶことのできる「褒めテクニック」をご紹介していきます。
褒めるのが上手な人から学ぶ褒めテクニック
1 無条件の肯定的関心を意識する
相手を褒める際には、まず「無条件の肯定的関心」を意識しましょう。
無条件の肯定的関心とは、相手のネガティブな側面を含めすべてを受け入れ、そのうえで相手をサポートしていくカウンセリング方法の一つです。
褒めるという行為は相手の自己肯定感を増加させ、さらなるやる気アップや士気の向上につなげることができます。
そのため、まずは条件をつけずに褒めることを心がけましょう。
2 直接顔を見て褒める
時間的な制約がある場合を除き、褒める行為はできる限り直接顔を合わせておこなうことがベター。
文面では伝わりにくい表情や感情は、やはり対面にて伝えたほうが心理的負担も少なく、軽めにおこなうことができます。
文章や電話口だと「わざわざやっている感」が出るので、ラフな感覚で行なうと良いでしょう。
3 装飾や大げさ感を出さずそのまま褒める
わざと持ち上げたり、事実よりも物事を装飾して褒めると「お世辞」になってしまいます。できる限り事実ベースで、具体的な根拠を示しながら評価し褒めることを心がけましょう。
特に仕事で部下を褒める場合には、具体的な数字や進捗率、KPIなどをベースに評価してあげるとより効果があります。
4 注意やフィードバック後に良い部分を評価してあげる
褒めるときだけではなく、業務上の注意やフィードバックを与える場合も、その後に良い部分を評価してあげると効果が高まります。
特に、若手で全力で仕事に取り組んでいる方に注意だけで終わらせてしまうと、士気の低下やモチベーションの低下を招くため、フォローアップを意識して褒めると良いでしょう。
5 人とは異なる観点で褒める
誰にでも言える内容ではなく、あなただからこそ言える内容で褒めてあげることを意識します。
そうすることで、あなたへの信頼感の醸成にも繋がりますし、今後の仕事における改善点なども率直に伝えやすくなります。
6 間接的に褒める
直接褒めるのが第一に行なうべき方法ですが、間接的に褒めることも効果があります。
チーム・部署としての一体感や統一感を高める目的があるのであれば、間接的に第三者を評価するのも良いでしょう。
まとめ|「褒め上手」は仕事でもプライベートでも必須スキル
今回は、褒めることの意味と効果・メリット、褒めるのが上手な人の特徴と、褒めるテクニックについて実践しやすいものをご紹介しました。
褒めるテクニックには、ここでご紹介しているよりも様々な情報が溢れていますが、最も大切なことは、実際に行動に落とし込むこと。
今回の記事を参考にしつつ、仕事だけではなく人間関係を円滑にするために、ぜひ今回の記事内容を参考にしてくださいね。
今の職場に満足してる?リスクなしで転職するための4つのコツ
ここでは、今の職場や待遇、働き方に不満を抱いている方に向けて、転職活動を始めるにあたって必ずおさえておくべきことをご紹介していきます。
転職活動というと、下記のようなイメージがあるのではないでしょうか?
- 「失業リスクがある」
- 「これまでに積み重ねた経験・キャリアがムダになる」
- 「転職すると給料が下がる」
- 「新しい環境に慣れるのが大変そう」
しかし、この4つの不安は下記の「4つのコツ」で解消することができます。転職したいと考えているけど、不安を解消できないと感じる方はぜひ参考にしてください。
1 転職活動に失業リスクはない!
転職活動を始めるにあたって最も不安なことは、「転職活動をすると、失業するのではないか?」というものだと思います。
一般に、仕事を辞めたり、退職して他の仕事を始めたりすることには、ネガティブなイメージを持つ方も大勢います。しかし、それは”間違い”です。
大手転職サービスを運営している「リクナビ」が公開しているデータには、こう書かれています。
20代では76%が「転職経験なし」という結果となっています。30代になると「転職経験なし」の割合は一気に減少し、半分以上の人が転職を経験。4人に1人は「転職1回」、そして約3割の人が「2回以上の転職」を経験しているという結果になりました。
20代では「10人中3人以上」、30代では「4人中1人以上」の人が転職活動を経験しています。
つまり、今では転職活動自体はそれほど珍しいことではなく、むしろそれが当たり前になってきているのが現状です。
ではなぜ、転職活動をすることができる人が増えているのでしょうか?理由は大きく2つあります。
理由1 「中途採用を積極的におこなう企業が増えた」
人材市場・転職市場の動向をアンケートをもとに調査しているリクルートワークスが公開したデータでは、近年は中途採用を積極的におこなう企業が増えたことが示されています。
2018年度の中途採用の見通しについては、「増える」(18.6%)が「減る」(4.0%)を大きく上回っている。
つまり、転職市場は「売り手市場」で、人手不足は飲食業界・情報通信業界(IT)・不動産業界を中心に活発に採用活動が行われていることを示しています。
理由2 「転職活動を在職中にできるサービスが増えた」
転職市場が売り手市場だといっても、「実際に自分のもとに内定が来るかは分からない」という不安は残りますよね。
しかし、その点についても心配いりません。今では、「働きながら転職活動をすること」がふつうです。
たとえば、一昔前までは、下記のすべての転職準備を、自分で調べながらやる必要がありました。
- 求人を探す
- 履歴書・職務経歴書を作成する
- 面接準備をして面接日程を応募企業と調整する
- 面接を1次〜3次まで突破する
- 給与条件や入社日を人事側と調整する
- 今の会社を辞めるための退職手続きや保険関係の手続きをおこなう
これだけ見ても、かなり大変であることがわかりますよね。
でも今は、「転職エージェント」を活用することができます。
転職エージェントとは、あなたの代わりに希望条件に合った求人を選び、人事側とスケジュール調整をしてくれたり、履歴書や職務経歴書の添削サポートをおこなってくれたりする無料サービスです。
そのため、転職するために仕事を先に辞める必要はありませんし、会社にバレる心配がありません。また、自分で準備するのは最小限にしたうえで転職活動をおこなうことができます。
…
以上2つの理由から、転職活動にリスクがないことがおわかりいただけたのではないかと思います。転職エージェントについてもっと詳しく知りたいという方は下記記事をご覧ください。
おすすめ記事:転職エージェントとは?おすすめの選び方と比較ポイントを徹底解説!
おすすめ転職エージェントは下記記事でご紹介しています。活用法や利用の流れも解説しているので、「転職エージェントを選びたい」という方はぜひ参考にしましょう。
また、「自分で求人を探したい」「自分のペースで求人を見てみたい」という方は、こちらの「転職サイトランキング」を参考にしてくださいね。
おすすめ記事:おすすめ転職サイトランキング!選び方や登録後の流れ、活用法まとめ
2 これまで積み重ねてきた経験・キャリアは転職で活かせる
転職するときの悩みのひとつとして多くあげられるのは、「これまで積み重ねてきた経験・キャリアがムダになってしまうかもしれない」という不安です。
特に、30代前後である程度長く職場で働いてきた方や、エンジニアや金融・不動産などの専門的な営業をしてきた方は、そう感じることも多いでしょう。
これまで得てきた経験を活かすには、「同じ業界・職種/業種で活躍することができる仕事」を探すことが大切になります。
「同じ業界・職種/業種」で活躍することができる仕事を探すには、「業界・職種/業種に特化した転職エージェントや転職サイトを使うこと」をおすすめします。
あなたの経験・キャリアを正しく評価してくれる職場であれば、今の給料よりも高い金額を提示してくれます。
もしなかったら、そのときは転職をしなければ良いのです。
業界・職種/業種専門の転職エージェントや転職サイトとは、たとえば「IT業界に特化した転職サービス」「広告業界に特化した転職サービス」「看護師・保育士・介護などの転職サービス」など様々です。
業界特化型の転職サービスや、特定業界に強い転職サービスは、兄弟サイト「IKIKATA Database」のTOPページで掲載しています。
どんな経験・キャリアであっても、それを評価してくれる職場は必ず存在します。
もちろん、経験・スキルによって大幅に求人の見つかりやすさや条件は変化しますが、「今の職場に不満を感じている」のであれば、転職活動を始めてみるべきですよね。
3 転職しても給料は下がらない
「転職すると給料が下がる」と何となく悪いイメージを持っている方はいないでしょうか?
それはあくまでリストラなどが行われた過去の話です。今でもリストラの危険性がまったくないわけではないですが、自発的におこなう転職活動で給料が下がることはありません。
それはなぜかといいますと、最初に給与条件を検索できる転職サイトや、給与条件を代わりに交渉してくれる転職エージェントは無数に存在するからです。
特に、あなたの代わりに給与交渉をおこなってくれる転職エージェントに依頼することで、年収アップが可能です。
年収アップ転職をしたいと考えているなら、下記に掲載されている転職エージェントのうち、特に自分に会っていそうなものを順位1位から見てみることをおすすめします。
また、実際に今のあなたの職種・業種の求人が一般的にどの程度の年収なのかを調べることも大切です。そんな方は転職サイトに登録し、職種/業種の条件から求人を探してみることをおすすめします。
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4 新しい環境と今の環境の比較はカンタンにできる
転職活動自体はスタートでしかなく、本当に大切なのは「実際に内定をもらい入社したあとに後悔しないか?」という不安を解消することですよね。
「こんな職場に転職するくらいなら、以前の職場にいたほうが良かった…」という後悔をしたくない方は、転職活動に後ろ向きなはずです。
しかし、今の職場に不満を持っている方こそ、転職エージェントを使うべきです。
それはなぜかといいますと、転職エージェントでは応募先企業の内情や上司の情報、会社の雰囲気や残業時間の実態などについて詳しく教えてくれるからです。
あなたは、今の職場に不満を感じているからこそ、「転職先の内情」をしっかり知ったうえで転職したいと考えているのではないでしょうか?
実際に転職するかどうかは置いておいて、今の職場をほかの職場と比較してみることで、あなたが本当に満足できる仕事を見つけることができるでしょう。
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