今回は、「株式会社メディアインキュベート」CEO、Webメディアのディレクターとしてご活躍されている浜崎正己さんのIKIKATA。
”記者”を志した学生時代から、Webディレクターとして独立起業するまでの道のり、流れの速いIT・Webメディア業界で「仕事をする」ための考え方とはどのようなものか。
IT・Web業界やメディアに携わる&携わりたい方必見の、浜崎さんの”生き方”に迫ります。
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具体的な業務
現在は、「Media Incubate」を屋号として独立し、二か月が経ちました。3月30日に「株式会社メディアインキュベート」として法人登記もいたしました。
半年前にリクルートさんが運営する「TechLabPaak」に入ったのですが、当初は、美容系のシェリングエコノミーのサービスを考えて、東京ガールズコレクションに周りが女性9割5分の中に一人で行ったり(笑)、ネイルEXPOに行ったりしながらサービスの検証をしていました。
でも、僕は「会社をやりたい」が先にありました。検証を進めていた事業では、専門分野でないこともあり、「なかなか、ご飯が食べれないよね」ということに気が付きました。
今は、Webメディアのディレクターをしたり、編集の仕事をしています。
また、「TechWave」というメディアの編集や、紙媒体のWEBメディアや、他にも複数のメディアのWebディレクションや編集をやっています。
—他にご自分でWebサービスを作る予定はありますか?
今は、お客様のメディアの立ち上げをサポートしていますが、自分でアプリ関係のメディア立ち上げを進めています。
これまでは、今までやってきたスキルをそのまま活用するだけでした。これではスケールできないと思い、試行錯誤しております。これからはさらに仕事を拡大していきたいと考えています。
—Webメディアの「ディレクター」としてお仕事をされているということでした。具体的にWebのディレクションというのは、どういった仕事ですか?
お客様のWebメディアのディレクションをするときは、コンサルに近い場合と実作業を担う場合があります。
ゼロからWebメディアを立ち上げるとなると、まずは「ターゲット層」を明確にすることが多いです。そこから検証を進めていきます。
既にあるメディアを担当させていただく場合は、「PV(閲覧数)が伸びない」「売上に繋がらない」ということ課題に対して、「こういう風に変えたらいいですよ」と提案する方法を取ることがあります。
—解決するのが難しい課題もあると思います。そういった課題に関しては、どのように取り組んでいますか?
Webメディアの仕事をしていると、仲間もWeb業界にいることになります。すると、普段からWebについて話すことも多いです。しかし、お客様も同じように理解してくれるとは限りません。お互いの共通の認識にズレが生じる可能性だってあります。そういうときは、情報共有を大切にしたり、話し合いの場を設けたり…「そもそもどうやって(お客様に)関心をもってもらえるか?」ということを考えることがあります。
今の仕事に就いた経緯・キッカケ
記者を目指した学生時代から、Webメディア業界へ
もともと僕は、学生時代「記者」になりたかったんですよね。最初は紙媒体の記者になりたかったのです。ですが、最初は全く違う業界に入りました。今は、WEB業界にいますが、昔の友人と話すとWeb業界にいることを驚かれることがあります「パソコン、詳しかったんだね!」と。
—学生時代は、どんな学問をされていたんですか?
メディア学や社会学、国際関係、プログラミングもやりました。プログラミングは、仕事を進めていく上で重要さを痛感していますが、学生時代は苦手で「めんどくさいなぁ」とすら思っていましたね(笑)今では、がらりと意識も変わり、本当にエンジニアの方は尊敬しています。
—記者になりたかったとのことですが、新聞などのメディアに興味を持ったのはいつごろですか?また、Webメディアの仕事をするようになったキッカケは?
高校生のときですね。そのころから一貫してずっと「記者」になりたいと思っていました。その後、夕刊紙のWebメディアのディレクターをする機会があって、それがWebメディアに携わるキッカケになりました。
—では、「記者」という一貫した「やりたいこと」が今のWebメディアの仕事に繋がった、ということなんですね。
浜崎正己(はまさき・まさき)株式会社メディアインキュベートの代表取締役社長 兼 CEO。
メディアに特化した事業投資、メディアの立ち上げ支援・メディア運用や、運用支援ツールの開発を行っている。 編集、開発、運用、営業、広告、SNS運用、採用まで支援。
過去に夕刊紙のWEB版、ポータルサイト、動画メディア、複数のニュースサイト、キュレーションメディアのディレクターや編集を経験。 スタートアップのマーケティングマネージャーなどを経て、現在に至る。
仕事で工夫していること・考えていること(職業観・ポリシー)
—Webメディアのディレクターという立場での工夫などを教えてください。
「自分がお客様を導かないようにする」
お客様が思いをもってやっているサービスをサポートする仕事なので、自分が強引に導くカタチになってしまうと、「サービスの根幹」もぼやけてしまいがちです。
例えば「やったことがないから分からない」と不安になると思います。それは、お客様の立場からすると当然のことかと思います。しかし、それでも「お客様自身のメッセージをきちんと持ってやってもらうこと」を心がけています。
—自分のWebメディアに関して、「自分はこうしたい」という思いを持ってもらうということですね。
Webメディアに関するディスカッションをしていて、メディアの根本の部分、つまり「コンセプト」を引き出していくこと。きちんと「軸」をもって、メディアの運営がぶれないようにしていただきたいと思って仕事に取り組んでいます。運営の意思決定にも関わることですから、重要なことだと思います。
—「コンセプト」や「軸」に気づいてもらうというか、固めてもらうためにサポートしていく、ということでしょうか。
そうですね。僕は他のサービスとWebメディアも変わらない部分があると思っていて。
Webメディアも他のサービスの運営と同じように、「それをやる理由」を固めて、根本を決めて運営しないと空中分解してしまうんですよね。
メディアをみてくれるユーザーのことを考えて運営していけるようにするということを考えています。これはお客様に教えていただいたのですが、実際にコンサルティングが終わったあとも、自然と回っていくような仕組みを作っていくことが大切だと思っています。
「できないことも『できる』と言っていく」
仕事をしていて思うのは、「できないことがあれば相談すること」が大切だと思う一方で、許容される範囲であれば『できる』と言うことで、できるようになる部分もあるかと思います。
仕事を進めていく上で、「もっと早く『できない』と言っておけば…」「密なコミュニケーションをとっておけば…」ということがあります。
依頼を受けた後に、サポートを行い、トラブルに対処して…と、ある程度想定していくことが大事で。なおかつ、そういったことがらに対して、体制を整えておかなければなりません。
そのためには、「今はできないこともやれるように仕事をしていくこと」は大切だと考えています。
「決断する『量』」
決断の量が人を成長させる、と聞いたことがありました。独立してからは、とにかく決断の量が増えたように思います。ですが、決断しないと前に進まないだけであって、決断すること自体は別にかっこよくもなんともないんだと気が付きました(笑)
決断でいうと「この仕事を取りにいくのか?やるのか?」という決断を迫られることがありました。その時は「とにかくやります」とその気持ちでいっぱいでした。忙しがってやれないのはいけないと思いますし、とにかく無我夢中の日々です。
独立すると土日祝日、昼夜などは関係ないので、ときおり、みんなが休んでいるのを見て、「あっ、今日は休日なのか…」と気づくことがあります(笑)
独立後は、「この仕事を受けるか、受けないか」という判断を求められることが増えました。私としてはお客様に「選ばれた存在」であり続けなければなりません。独立することは、「やらなければ仕事はない」とある意味で自由でもありますが…いつ何が起こるかわからないという不安定な状態でもあります。
浜崎さんのような職種・業種を目指すために必要なスキル
—WebメディアやIT業に関して、必要なスキルはなんでしょうか?
「常に最新をキャッチアップしていくこと」
常に最新の情報をキャッチアップし続けて、臨機応変にそれを変えていくということです。他にはサービスを作ってみたり、ゲームを作ってみたりと「自分でやってみること」が大事だと思います。
「基本的なルール・習慣」
あとは、「本を読む」「Webの基本的なルールを守る」「(仕事が)スキかどうか」というところでしょうか。
どんどんWebメディア始める人や取り組む人が増えているので、状況が変化してもこういった部分が重要だと思います。
「プログラミング」
プログラミングは、エンジニアでなくても知っておいた方がいいと思います。知っているか知らないかで、仕事の理解が全然違いますよ。
浜崎さんのような職種・業種を目指す方々へのメッセージ
—Webメディア業界に進みたい方へのメッセージをお願いします。
「今すぐやってみるといいですよ!」ということですね(笑)
「wordpress」でも、ブログでもなんでも、まずは始めてみることですね。簡単にできるので。まずは「なぜメディアをやるのか?」ということを明確にして、「儲からないから」という理由ですぐあきらめてしまわないことが大切です。
—自分で始めて、自分でPDCAを回せるかということですね。
自分で作って発信してみたら、「発信力」が上がってくるんですよ。Webじゃなくて紙媒体でもいいです。また、インターンでもアルバイトで、「メディア業界」に行って実際にやってみるということも重要ですね。
—今回は、浜崎さんから「メディアに携わる心得」と「考え方」を教えていただきました。ありがとうございました!
浜崎さんが代表を務める「株式会社メディアインキュベート」プレスリリース
メディアの立ち上げ・運用を支援し、メディア特化の事業投資を行う、株式会社メディアインキュベートを設立いたしました。-ValuePress!
インタビュワー:後藤颯太