営業でも打ち合わせでも、突然「本題」から会話を始めるのは、できるだけ避けたいですよね。
人と会うときは当然、「会う目的」があります。しかし、「雑談」から会話を始めないと、「信頼感」や「安心感」を相手との関係において構築することはできません。それが「不信感」につながることもあります。
でも、「雑談はニガテ」と感じている方は結構多いもの。そこで今回は、雑談する力を高めるためのコツを5つ紹介します。
話術や話題がない…そう感じている方が実践できる方法を解説していくので、ぜひシゴトや日々の生活で役立ててみてくださいね!
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「雑談」はなぜ必要なのか?
「株式会社Gunosy」が実施したアンケート「ビジネスパーソンの雑談力に関する実態調査」では、一般的なビジネスパーソンは「雑談力」に自信がないと感じている人の数が過半数を占めることが判明しました。
参考記事:ビジネスパーソン600人に聞いた雑談力に関する実態調査 「雑談力に自信がない」新入社員が約7割!
「自分には”雑談力”があると思いますか。」という設問に対して、ビジネスパーソン男女600名のうち、「あまりないと思う」「全くないと思う」が「58.6%」にのぼっています。
雑談の必要性を感じているからこそ、このようなアンケートに対する回答がネガティブになってしまっている可能性もありますが、一般的なビジネスパーソンは「雑談力」がないと感じていることが分かります。
そこで、「雑談する力を高めるためのコツ」を知る前に、そもそもなぜ「雑談」が必要なのかを知ることで、「雑談は必要なのかどうか?」をしっかり押さえていきましょう。
きちんと「理由」を知ることで、雑談力を向上させるモチベーションも上がります。
理由は3つあります。
(1)「アイスブレイク」のため
「アイスブレイク」という言葉を聞いたことがありますか?アイスブレイクには以下の定義があります。
アイスブレイク(アイスブレーク)とは、人と人のわだかまりを解いたり、話し合うきっかけをつくるためのちょっとしたゲームやクイズ、運動などのことです。初対面の場面だけではなく、ちょうどスポーツにおける柔軟体操のように、心をやわらかくして、会議などの席で人の話をよく聴く手助けもしてくれます。(引用:FAJ:特定非営利活動法人 日本ファシリテーション協会)
気兼ねなく話せる友人や家族とは異なり、「会う目的がある会話」の場合(たとえば商談、会議、打ち合わせ)は、「話す目的」が決まっています。結論や解決策を導くために話し合いをするわけですが、前述のように「突然本題から」というのは、ビジネス上、好ましくありません。
そこで、上記のアイスブレイクは「会う目的が決まっている人」との間で役立ちます。お互いの不信感を取り除くためには、「共通の話題」つまり、雑談で互いを理解することが不可欠です。
(2)相手を知るため
アイスブレイクにも繋がることですが、何よりも「雑談」をすることで、相手のことを知ることができます。「相手は何が好きで、どういう生活を送っているか?」そういった素朴な疑問を聞き、本題の前に「一拍置く」ということ自体にも意味はあります。
しかし、それ以上に、相手を知ったうえで「本題に入る」ことは、その後の商談や打ち合わせの進捗をスムーズにしてくれるという効果が「雑談」にはあるのです。
(3)会話における「広い視野」を持つため
上記(1)、(2)は、「雑談」をする意味として”よくあげられるもの”です。しかし、それ以外にも、雑談をする理由としては「会話をすること自体」に意味があるということ。
具体的には、たとえば「営業先の人はどういう趣味を持っているか?」ということを聞いたとします。そうすると、自分が知らない世界の話をしてくれることもあるということになります。
それは、確かに当初の「会う目的」にはないことではありますが、自分にとっては「収穫」です。営業先で契約をとれる…ということ以外にも、こういった「収穫を得ること」にも楽しみや充足を得ることができれば、会話における雑談力が向上します。
そして何より、「自分の知っているものごとの視野」を会話を通して得ることができます。
「雑談力」を高める5つのコツ
(1)「5W1H」で傾聴する
雑談をしようと力んでしまうと、逆に相手の話を聞きそびれてしまいます。それでは本末転倒ですよね。まずは、「聞く」「傾聴する」ということを意識しましょう。
たとえば、「週末の過ごし方」で会話をするとします。その際には聞き方が重要です。相手が「週末はゴルフに行く」という話をしたときに「そうなんですね!」だけでは会話が終わってしまいます。
こういった「休日の過ごし方」や「この後の予定」を聞くときは、「5W1H」をとっかかりにして、話をすると話が弾みます。
5W1Hとは、「いつ(when)」「どこで(where)」「なにを(what)」「なぜ(why)」「だれと(who)」「どのように(how)」のことです。これをもとに、質問を考えると楽に話を進めることができます。
(2)相手の情報を知っておく
あらかじめ「相手のこと」に興味を持つことで、会話の幅はグッと広がります。そのためには、相手のブログやSNSなどを事前に見ておくことなどをおすすめします。もちろん「見すぎ」る必要はありませんが、「最近何をしていたのか?」ということを押さえておくと、話が弾むでしょう。
また、初めてお会いする人の場合、いただいた名刺の情報から聞きたいポイントを把握することも大切です。業務や役割から、「~をされているんですね!」とシゴトについて話をすると、相手のことを理解するキッカケになりますね。
(3)相手の関心に合わせた話題を収集する
(2)に繋がりますが、「事前に情報がわかる人」や「もうすでに知り合いの人」に関しては、相手の関心に合わせた話題を集めておく、知っておくことも大切です。
時事ネタを含め、相手の職種・業種や趣味に合わせたトピックを用意しておくと話が弾むでしょう。話が弾むだけではなく、その後の会議や商談などにおいてもそういった雑談の中から、「相手がどのような考えを持っているか?」ということを知ることもできます。
(4)「YES/NO」で答えられない質問をする
相手に質問をして話題を広げようとする場合は、「YES/NO」で答えられない質問をするように話をするべきでしょう。
具体的には、「ゴルフ以外に何かご趣味はあるのですか?」と問うと「いえ、ありません。」と言われてしまえば話が終わってしまいますが、「週末はゴルフ以外に何をされているのですか?」と聞けば、話の引き出しの範囲が広まります。
(5)自分から話を広げる
少々難易度は高めですが、「自分から話を展開すること」も大事です。自分の話と相手の話をうまく絡めて、話題を発展させる話術は、様々な機会で役立ちます。
話を広げるためには、「自由連想法」という方法が便利です。自由連想法とは、会話のキーワードの一つにフォーカスして話を広げること。
具体的には、「週末は上司とゴルフにいく」という会話から、「上司」に関する話を広げることも、「ゴルフの技術」に関する話題を広げることもできます。
自分が注目したキーワードに関してであれば、自分で話をふっておいてその後うまく話を広げることができない…ということも避けられます。自分の興味・関心の分野に、うまく話をもっていくことも、雑談をするうえでは重要です。
「雑談力」を磨いて役立てる
さて、今回は5つのコツをご紹介しました。「雑談力を高めるコツ」は得られたでしょうか?
「雑談をうまくする」と意識している間は、なかなかうまくいかないこともあるでしょう。いくらコツを知っても、その場の緊張や会話の場数によっては、コツを実践することが難しい場合もあります。
しかし、最初から何の手がかりもなく場数を踏むよりも、コツを知ることで「うまくいく」までの道のりが短くなるでしょう。雑談をうまくすることができれば、自ずと「会う目的」「会話する目的」を達成するための建設的な方法が身に付きます。
ぜひ、「コツの実践」を大事にしてくださいね!