「明日から使える心理学」では、日常生活やシゴトで使える心理学用語を解説しています。
今回は、「ミラーリング」をご紹介しています。活用が簡単であり、心理テクニックとして広く知れ渡っているミラーリング。恋愛でも、ビジネスでも、役立つこと間違いナシです。
Contens
「ミラーリング」とは?
「ミラーリング」とは
・心理学で使われる言葉で、「同調効果」といわれる。
・親密な関係では相手と同じ動作をすることが多く、好意を抱いている相手と同じ動作をしてしまうことなどもミラー効果である。
・逆に人間関係のテクニックとして相手に好感をもってもらうために、意識的にミラーリングを使用することもある。
・動作だけでなく、言語(発言)にも応用することが出来る。
ミラーリングとは、行為を寄せている相手と同じ動作をしてしまうことを指します。
好きな人のしぐさや行動を無意識に真似してしまうときがあります。そのとき、あなたには「ミラーリング」あるいは、「同調効果」が起きている、といえるでしょう。
また、相手に好意を持ってもらうために意識的にミラーリングする(相手の動作を真似る)ということが、恋愛やビジネスのテクニックとして広く知られています。
意識的、無意識的を問わず、「相手をまねる」ということに対して、人は「尊敬の念」や好意を抱きます。恋愛やビジネスといった「コミュニケーションの場」でミラーリングが活用されることが多いのは、ミラーリングの効果が尊敬や好意を集めるためのテクニックとして、大きな影響力を持つということを表しているともいえるでしょう。
「ミラーリング」の具体例
具体的な動作のミラーリング
もっとも一般的なミラーリングは、相手の具体的な動作を真似ることです。具体的には、以下のような動作のことを指します。
「相手が腕を組んだら、自分も腕を組む」
「相手が言ったことを繰り返す」
「相手がコップを手に取ったら、自分もコップを手に取る」
感情のミラーリング
動作だけではなく、感情表現や、相手の感情への同調も「ミラーリング」になります。
「相手が悲しんでいたら、自分も悲しむ」
「相手が笑顔で喜んでいたら、自分も笑顔で喜ぶ」
「相手が困っている時に『これは困りましたね…』と同調する」
ネガティブなミラーリング:「斉一性の圧力」
また、そのほかネガティブな同調も存在します。
心理学者のソロモン・アッシュは、あらゆる問題に関して7人の「サクラ」を用意し、その7人に”間違った答え”を言わせた後、被験者に答えさせました。
その際、被験者は自分の回答に自身が持てなくなり、35%の被験者が「間違った解答」をした、という実験結果があります。
このようなネガティブなミラーリングを「斉一性の圧力」と呼びます。
「ミラーリング」を活用する方法
恋愛でのミラーリング
具体例で述べたように、感情や具体的な動作の真似をするミラーリングは、相手に好意を持ってもらうための有効なテクニック。
しかし、露骨に真似をしてしまうと逆効果。特に「ミラーリング」は心理学のテクニックとして広く知れ渡っている部類のものなので、あまりに分かりやすいテクニックは使用しない方が無難かもしれません。
しかし、恋愛において使えるミラーリングはそれだけではありません。
「お互いにしぐさや話し方が似てきた」ということを、あなたが相手に伝えることで、「お互いが相互に好意を抱いている」ということを共通認識として持つことができます。「似た者どうし」は、心理学的にも相互の「好意」に繋がることが分かりますね。
ただし、無理やり似せようとすることや、話し方を真似しようとするのでは、やっぱり逆効果になってしまいますので注意が必要です。
ビジネスでのミラーリング
営業や販売に携わるビジネスパーソンにとって、顧客からの「尊敬」「好意」は大切な要素の一つ。それが業績に直結します。
ビジネスにおいては、「相手の動作」に合わせるテクニックのほか、顧客の苦情、不満、喜び、悩みなどに対して同調するテクニックも大切です。しかし、テクニックとしての同調だけではなく、顧客の苦情や悩みに対して、本当に同情できないビジネスパーソンには、「結果はついてこない」ということも、忘れてはなりません。
ビジネス、商談では、あえて相手のしぐさとは逆のことをする「相補的ミラーリング」というテクニックも使いやすいでしょう。
たとえば…
「相手が腕を組んだら、自分は腕組みを外しひじ掛けに置く」
「相手が深く椅子に座りこんだら、腰を浮かせて浅く座りなおす」といった動作です。
通常のミラーリングを行いつつ、ときおり「相補的ミラーリング」を織り交ぜることで、よりミラーリングの効果自体を高めることができると言われています。
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【営業や会議で役立つ】ビジネスシーンで使える心理学テクニック6選
「ミラーリング」のほか、ビジネスの現場で活用したい心理学テクニックを6つ解説しています。
テクニックは知っているだけではなく、実際に現場で活用することこそ大切です。最初は社内の人に試してみるといったやり方で、テクニックを磨いていくのも、一つの方法ですね。