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作増さんの経験から学べる「活躍する学生のための考え方」
「学生が身に着けるべきスキル」を見つけ、身に着けること
—エンカレッジでの活動を数か月継続した作増さん。すぐにサーバントリーダーになるのは難しく、トップダウンの組織運営は続きました。しかし、その後のメンバーにより、組織文化もハートフルになったと言います。
「仲間たちと活動すること自体楽しいことでしたし、活動での学びを加工して価値のあるモノにするという考えも持っています。けれど、『英語とプログラミングをやりたい』という風に思うようになりまして。」
—「なぜ、急に英語とプログラミングなのか?」と質問すると、大きな答えが返ってきました。
「やっぱり『世界で戦いたい』という思いと『世界”と”戦いたい』という2つの思いがあるからなんです。」
—そして、そのように考えるからこそ、具体的に英語とプログラミングを学びたい。その考えの根底には、長い間続けてきたサッカー経験があると作増さんは語ります。
「自分が大学に入るまでに唯一続けてきたのはサッカーだけなんですが、サッカーを続けてきたことで学べたことが、自分のキャリアの考え方と一緒なんですよ。」
「昔から足だけがめちゃくちゃ速くて、でも体力が全然なかった(笑) それでも選手として、『自分が勝てるポイントは何か?』を考えていたんです。たとえば、試合の後半戦残り10分で、50mを5秒台で走ることができれば活躍できます。たとえほとんどベンチにいることになっても、レギュラー入りができますよね。一つの強みがあれば、その強みにもうひとつ+αがあることで活躍できます。自分の場合、『足が速い』の+αは『決定力を上げる』ことでした。」
—「プログラミングができる」「英語が話せる」…ひとつひとつのスキルを漠然と積み重ねるだけではなく、今までの自分と「相反するもの」を身に着けることで強くなれる。
具体的なスキルをひとつひとつ学んでいくのも大切。しかし、今の自分に+αになるものを見つけ、身に着けていくことがもっと大切。その考え方を行動基準としているからこそ、彼はスキルを確実に身に着けるための道を選びます。
具体的なスキルを「壮大な夢」と結び付けられるかどうか
—「歴史の教科書に載りたい」と壮大な夢を語る作増さん。彼自身、感覚としてその夢が頭から離れないと笑います。
「自分は、歴史の教科書に載ることで、自分のストーリーが完成すると考えています。それが一体どのようなものになるのかはわからないけど、『想像のできない偉業を成したい』と思っているんです。『あいつやりやがったな!』みたいな感じですね(笑) それがもうずっと頭の中から離れない。常に誰かを熱狂させ、自分も熱狂できることをしたい、そういった考えがありますね。」
—現実をつきつけてくる現代社会の中で、大きな夢を抱き続けることは難しいもの。しかしそれ以上に難しいのは、大きな夢と学びたい具体的なスキルを結びつけること。
「相当な努力をして実力を積み上げることで、やっと(偉業という)ステージに立つことができるんだと思います。英語も、プログラミングも、サッカーでいえばシュート精度を上げることだし、強い選手になることと一緒なんです。」
組織運営の失敗を経た学生が語る「組織の続け方論」
—「TED×Tohoku」「エンカレッジ」「PBL」…様々な組織で新人、リーダー、マネジャーとして活動してきた作増さん。組織運営における失敗で学んだことをこれからどのように活かし、どのような組織を作っていきたいのかを聞きました。
「もちろん、『その組織で何をするのか?』ということにもよると思うんですけど、『目指したい方向性に共感している人』が最低限そろっている組織です。もちろん、この考えはあくまで小さい組織、最初のスタート段階での話ですが。組織をやっていて何がモチベーションになるのかといえば、やはり『○○を実現したい』という思いです。そうじゃないと、辞めたくなりますから。」
—特に、学生団体では、モチベーションの維持は大きな課題になります。しかし、学生団体という存在は、年々その「影響力」を増してきています。「どうせ学生だから」では済まされなくなってきている現実があります。
そこで必要なのは、自分が属する組織のビジョンに「共感」すること。それができなければ団体に属していたということ以外の事実は何も残らないのではないでしょうか。
「スポーツや団体で活動してきて思うことは、やっぱり『勝つ組織』は、一貫して同じ目標意識を持っていて、ブレない。結果が出るチームは必ずそれらの条件を満たしていますね。」
「そして、その到達地点が同じである必要性がある。ベクトルではなく目的地です。『南に向かおう』ではなく、『シンガポールのマーライオンの前に行こう』という風に。だからこそ、そこに到達できる。ただ、南に向かってたら、飽きますよ、きっと。」
「モチベーションの湧きどころをきちんと掴むことが大事です。自分は何に動かされるんだろうって。そしてその湧きどころをきちんと掴んで、自己決定的に、俺はこれがモチベーションの源泉なんだと思い込むこと。意外と思い込ませるのってすごく大事だと思います。なぜなら、人って自分で決めれない生き物なんで。」
「でもモチベーションうんぬんの前に、オーナーシップを持ち、プロ意識があれば、モチベーションなんて関係ないですけどね。となると、好きなことに対しては、自然とプロ意識は芽生えるんだと思います。」
「リーダー」として本当に大切なこと
—組織を運営するためには、リーダーが不可欠です。作増さんはリーダーとして完ぺきにこなしてきたわけではなく、失敗を多く経験してきました。
「自分と同じ失敗をしたメンバーに強く当たっていたかもしれない」と自分の過去の行いを振り返ったとき、リーダーとしてどんなふるまい、行動が必要だったかを知ったんです。それは『(自分の)弱みをどんどん見せる』ということ。でも、「弱みを見せる」といっても譲れない部分はあって、それは『自分が絶対に譲れない主張を持ち続ける』こと。カウンターサッカーみたいな感覚です。(笑)
組織は生き物で、当初の目的と活動内容がずれてきてしまうことがあります。生き物だからこそ、性格があって、それが組織文化に繋がっていきます。その組織文化をリーダーとして支え、修正できる仕組みがあれば、チームや組織はうまくいくと考えています。」
ネクストアクション
「感情に訴えるスポーツビジネス」をやりたい
—「次は何をしますか?」という漠然としたインタビュワーの質問に、真面目に、そして楽しそうに作増さんは答えます。
「今の話ですし、結論もないですけど、『スポーツビジネス』をやってみたいと考えているんです。ユーザー、クライアント、そして競合他社までが熱狂してしまうようなことをやってみたいなと。
サッカーをやっていた頃の『感動の瞬間』が忘れられなくて。いくらAIが発達してきても、スポーツはみんなが続けていくものだと思いますし。アスリートを応援する仕組みを、webサービスで作っていきたい。『便利になる』というより『感情に訴えかける』ようなサービスですね。」
IKIKATA人物評
—「学生ができることを最大限実行した」との紹介から始まった今回のインタビュー記事。
学生団体への参画や設立、そして起業。ここまで豊富な経験を積むためにはある一定以上の「機会」がなければなりません。当然、ここまでできる人は珍しいでしょう。特に、地方学生と首都圏の学生では、そもそもの「機会格差」があります。
しかし、機会格差があっても、ここまで実行できる人物がいます。地方に住む学生にも、まだまだ「キッカケ」がたくさんあることを作増さんは示しているのではないでしょうか。
現在、作増さんは様々な組織のマネージャー、代表クラスで活躍しています。これからも、作増さんの活動を通して地方学生の可能性を見ることができるでしょう。
「IKIKATA」では、「頑張る学生」を応援しています。