文系フリーランス 黒田悠介氏「mustの部分、社会的にやらなくてはいけないことはなんだろうねというところからキャリアを考えなくてはならない」

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仕事で工夫していること・考えていること(職業観・ポリシー)

 

「今の自分は何がしたいのか?」を考える

私はシゴトをするということに関して、そのときどきに「今、何がしたいのか?」を考えることはあるのですが、長期的なキャリアプランを考えることには意味はないと思っています。

どこかを目指すためにマラソンをする、というよりは、その場その場を全力でやってその結果、「将来」へとたどり着くような感じですね。

 

—数年前までは、個人のキャリアに関して、「先を見据えろ」「20年後に君は何をしたいのか?」という考え方が主流でした。しかし数年でそれが変化して、「今を生きろ!」みたいな流れになってきていますよね。

 

「一社に長年ずっと勤める」ということ、悪い言い方をすると会社に寄りかかることが「いいこと」であるとは言われなくなってきました。働き方に関する選択肢が増えてくる中で、個人で働き方の選択ができるようになってきましたね。

私の場合、考え方として「小さい山を登頂して、その隣に大きな山がある。今度はじゃあそっちに登ってみようか。」という感じなんですよ。ですから、自分が来年何をしているかは分かりません。シナリオは考えていますが「どの選択肢を選ぶのか」というのは、まだ決めていません。

 

「パートナー」としての関係

フリーランスでよくありがちなのが、契約している会社と「師弟関係」のようになってしまうということです。そうではなくて、「パートナー」としてあり続けるようにする、ということを意識しています。過干渉にならず、過剰な提供をしない。そういった、距離感や緊張関係を大切にしたい。

何でもしてあげたい、協力したいという気持ちはありますが、「長い関係」を保つために、一線を引いて「目的達成のために最善の行動をする」ことを意識しています。

 

「相手の言うことをうのみにしない」

人が言葉として表現できるのは、あくまでも大きな無意識の中の一部です。

よって、商品・サービスに関して「どういったニーズがあるのか?」を知りたいときまずは、クライアントもユーザーに対しても「洞察する」ことから始めます。

「共感して、洞察する」そのためには「相手の言うことをそのままうのみにしない」ことに注意したうえで行動し、解決策を考えるようにしています。たとえば、それでクライアントの本当の課題や、ユーザーのインサイトが見つかりますから、重要なことです。

 

フル稼働しない

「自分に高い価値を付けていこう」と考えるのは、フリーランスにとって必要なことです。フル稼働で働いていると、「次の仕事のタネ」を蒔けなくなってしまうんですよね。何か月後のシゴトをするための準備ができない。

フリーランスに限らず、会社でもそうで、一人でできることは限られてくる。そこで最良のチームを作っていくことに焦点を当てることを考える必要があると思っています。

 

—異能集団を集めて、そこで「今」以外のシゴトにも繋げていく、ということでしょうか。

 

そうですね、それが「チームランス」という考え方です。シゴトの案件で、「この件はあの人がいいな」と思ったときは、自分がその案件から抜けてしまうことがあるくらいなので(笑)

お金で信頼を得ることはできなくて、そういったチームランスの側面から自分たちの価値を高めていく、ということがとても重要だと思います。

 

黒田さんのような職種・業種を目指すために必要なスキル

 

—フリーランスとして活躍するにあたっては、どのようなスキルが必要ですか?

 

「経営者感覚」

個人事業主なので、やはり「経営者感覚」があったほうがいいですね。たとえば、交渉力やマーケティング、金銭感覚などのことです。自分を「商品」とみなした場合のマーケティング的な観点や、「どこに自分の価値があるのか?」「それを人にどのように見てもらえるのか?」という発想ができる人が、案件を取って仕事ができるフリーランスだと思います。

 

自分の価値を伝える

マーケティングと営業は別々のものです。向こうから仕事に関する問い合わせがきて、仕事についての打ち合わせがあるとき、まずは「自分の価値」をしっかり伝える。

「何でもできます」ではクライアントに刺さらないんですよね。たとえば僕なら、「商品・サービスが実際に実現可能なところまで持っていけるようなヒアリングはだれにも負けません」という風に、自分の価値をしっかりと伝えていくことが重要ですね。

それ以外でも、たとえば「お金の話」は最初にする。後から「ムリ」となったときにそれまでにした話は、すべて無駄になってしまいますから、まずは、「この案件に関してはおいくらです」ということをきちんと伝えます。

 

時間の切り分け

—時間管理や、スケジュール管理がフリーランスはより重要になると思うのですがその点はどうされていますか?

 

僕の場合、時間管理はあまりしていません。今の仕事柄、たとえば「2時間のミーティングが今日のシゴト」のような感じですので。

でも、「ライティングをする日」であるとか、「本を読む日」はカレンダーに書いておくということをしています。自分が集中できる状況を意図的に作ることができればシゴトがはかどります。「時間を切り分ける」のは凄く大事なことですね。

 

—シゴトとプライベート、という分け方ではないのですね。

 

読書や情報のインプットもシゴトの一つと考えているので、もともとシゴトとプライベートを分けるという考え方をしていません。自分で空き時間をコントロールして計画的にやるべきことをやる、という感じです。

 

黒田さんのような職種・業種を目指す方々へのメッセージ

 

—学生に向けてメッセージをお願いします

「must軸」から始める

—キャリアプランを考えて、「成長したい」という学生の方はとても多いですよね。「10年後、20年後を見据えた成長欲求」に関しては、どう考えていますか?

 

僕はもともと「成長」という言葉があまり好きではなくて。なぜかというと、どうしても「成長する」という考え方だけでキャリアをみてしまうと、「この人はどっちを向いて歩いていくのかな?」という風に思うんですね。

確かに、「成長したい」という考え方で上を向いていることには変わりないのですがそれが「1次元上」でしか見えてこないんです。たとえば、「やりたいことをやって、成長したい」場合は実際のところ本人が本当に「やりたい」と思っていることはほとんどなくて。人から借りてきた言葉で、「やりたいこと」を説明する人が多いんです。

キャリアの考え方に「can,will,must」の3つの軸というものがあります。「can」はできること。「will」はやりたいこと、そして、「must」はやるべきこと。

学生は経験がないので、canやwillの部分はほとんどないんですよ。そうなると、やはり「must」の部分、「社会的にやらなくてはいけないことはなんだろうね」というところからキャリアを考えなくてはならないと考えています。

そのうえで、課題意識をもって、解決できる手段として「何がしたいか」=「will」 を導き出す。まずは「must」軸からキャリアを考え始める必要があると思います。

 

—フリーランスを目指すビジネスパーソンへのメッセージをお願いします。

フリーランスは「一人乗りのボート」

フリーランスのいいところは「自分が主体的になれる」という点です。

フリーランスは、「自分一人乗りのボート」に例えることができます。波の影響を大きく受けますが、主体的な自分がいれば氷山(リスク)を避けることができますし、どんな波が来ているかもわかる。最悪、自分で海に飛び込んで泳ぐこともできます。

 

—明日からできることなどのアドバイスをお願いします。

 

「働き方」や「既存の事業」はすべて自分の先人が作ったものなので、それを当たり前だと思う必要もありませんし、自分の未来を考える際に、現状や過去に縛られる必要もありません。それよりも「自分の未来をどうしたいのか?」を考えてシゴトをするほうがいい。

ですから、モデルケースやロールモデルに固執しすぎない、過去のものを参考にし過ぎないという考え方が重要です。外部環境に自らを合わせていくだけではなくて、外部環境を自ら作っていくという考え方でフリーランスを目指していくべきだと思います。

 

—ありがとうございました!

 

<掲載リンク 黒田さんの諸活動について>

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Mediumブログ「文系フリーランスって食べていけるの?

 

 

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