山内・設樂税理士法人 代表税理士 設樂憲史氏が語る これからの税理士に必要な能力

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仕事で工夫していること・考えていること(職業観・ポリシー)

 

「相談役」としてコミットする

ただ、数字を把握してサポートするということではなくて、「どうすれば社外取締役のつもりでシゴトができるのか?」ということを考えてシゴトをするということですね。

こうすれば節税になる、ということ以外にも、たとえば「こうやったらもっと得する」「どこに投資するべきなのか?」といったことを考える。

「相談役」の位置づけなので、お客様である企業を伸ばすためにサポートをしているわけですからね。

 

—そこはやはり、「コミュニケーション」やヒアリングが重要になってくるのでしょうか?

 

経営効率は悪いけれども、経営者の方は、「これこれこういうことをしたいから、この会社を立ち上げたんだ!」という考えを持っている場合だってあります。

そういうときに、経営効率だけを考えてサポートするだけではなくて、「経営者が目指しているもの」をサポートできるようにシゴトをしていく、ということですね。

 

「真摯にやる」

当たり前のことですが、法に抵触することは、お願いされたとしても絶対にしないということですね。ルール無視のビジネスは絶対にするべきではありません。法令違反まがいのことはしないと。

また、それ以上に「真摯にやる」ということが大事ですね。たとえ手を抜いても、実際のところお客様に気づかれない内容のシゴトではあります。専門的なシゴトですからね。しかしそうだとしても決して手を抜かない。

そういう風に手を抜いたシゴトというのは、必ずどこかの瞬間に違和感を持つものなんですよ。

 

情報の更新

税務に関する情報というものは絶えず変化していますから、使い古された情報だけに頼らず、新しい情報の更新を続けていくということが重要です。

 

「安売り」をしない

サービスに関する値段の設定に関しては、「安売りしない」ということを意識しています。「安売りをする」というのは実際にいいことではありません。

たとえば従業員のモチベーションに関して影響があります。値段が安いと、どうしても業務に関して「手を抜きたいな」と思ってしまうんですよ。

 

—お客様とのコミュニケーションはしっかりとるけれども、法令遵守や、値段というところでは、決して妥協しないということですね。

 

コミュニケーションを密にとっていて、「仲が良い」からこそ、まともな値段のお金をいただいて、それに対してサポートさせていただくことが大切です。、自分自身もそういった部分においては厳しくしてきましたし、そこが甘いとどうしても落ちぶれてしまいます。それは絶対に避けるべきことですね。

 

設樂さんのような職種・業種に必要なスキル

 

具体的なスキルは3つあります。

 

コミュニケーション力

「聞く力」ともいえます。的確な答えを端的に答えることができる能力です。話の論点をしっかり把握して答える力が求められます。

 

事務処理能力

素早く、正確に処理する能力です。具体的には、PCのスキルが必要ですね。

 

勉強する力

頭がいいことに越したことはありませんが、それよりもやはり「勉強できる」ということが大切ですね。

 

—マインド面に関しては、何かありますか?

 

「サービス業」としての意識

職業柄として、「先生」と呼ばれることが多いのが税理士なんですね。なので、偉そうにしている税理士というのが散見されます(笑)

私が言いたいのは、あくまでも私たちのシゴトは「サービス業」であるということで、そういう意識をもってシゴトにあたるというのが大切ですね。

 

—たとえば飲食店のようなサービス業と同じなのに、なぜか極端にそういった部分が違いますよね。

 

お金をいただいているのにも関わらず、「やってやってるんだ」みたいな感じの方もいますからね。その点、不思議な業界だと思います。他の業界ですと、「サービス業としての意識を持つ」ことは当然のことなのですが。

 

—特別な雰囲気、資格、専門知識を持っていて、「人に何かを教える人」というのは、どうしても「先生」という立場になりますからね。

 

そこをどうとらえて意識していくかということがすごく大事ですね。「しっかりサービス業としてやっていく」ということを意識できるかどうかが、これからの時代において致命的な差になってくると思います。

 

情報をキャッチアップする力

たとえば、税務に関する情報を発信しているメールマガジンや書籍などの情報を集めておいて、空いた時間にひたすら読み込む。私どもでもメールマガジンを発信しているのですが。

「情報のシャワーを浴びる」ということですね。

 

—そういった情報をとる仕組みを作っておく、ということでしょうか?

 

そうですね、「朝セット」のメニューみたいな感じで。税理士をしていると、「本を買いませんか?」という案内やDMが来ることがありますが、それらも買っておいて集めておきます。

 

—税務関係ではないジャンルに関する情報のキャッチアップもありますか?

 

税務関係の話以外にも、お客様との相談内容によっては経営に関する案件がありますから、他分野の情報、知識に関する本を読んだりもしますね。

グロービス大学院にもいたことがありまして、そこでもマーケティングや経営戦略、ロジカルシンキングなどの知識を学んでいましたね。

 

設樂さんのような職種・業種を目指す方々へのメッセージ

 

知り合いの幅を広げること

様々な人脈を作っておく、知り合いを増やしておくということが重要です。

友達だけではなくて、たとえば「この人とは友達にはなれないだろうな…」という人とでも知り合いとして会っておくことです。

そういった出会いで「聞く力」「コミュニケーション力」が上がっていくので。自分とは異なる属性の人と話すと、まず最初に「あなたはどういう人ですか?」という風に自分と相手の「属性」のすり合わせから始めなくてはいけませんから、コミュニケーションとして知り合いの幅を広げることは重要ですね。

税理士としてシゴトをしていると、性別から性格までバラバラな、色々な人と会うことになります。そういったときには、「楽しく話す」という意味合いでのコミュニケーション力ではなくて、「端的に、建設的な話ができるかどうか?」という意味でのコミュニケーション力が大切になります。

 

税理士の魅力と業界規模

税理、会計の業界は目指す人が減ってきていますが、税理士、会計士のシゴトは様々な業界と関われますから、「社会の縮図」を見ることができるんですね。

たとえば、企業の経営戦略の修正に携わることができます。普通は、企業の社長と気軽に会えるということはなかなかありません。密度の濃い関係を築くことができます。

また、内勤や事務のシゴトをしたい方にとっても、安定的な給料がありますし、事務仕事も、スキルを磨いていくことさえできればうまくいく業界です。

業界規模は現在1兆3000億円ほどで、まだまだ拡がっている途上なんです。

 

—なぜ、業界規模が拡大してきているのですか?

 

IT化によって帳簿や書類を書くこと自体が簡単になりましたが、そういった税務、会計で分かる「数字」を使って経営の改善をする役割を担えるという点で、業界としての需要が増えているといえます。

 

税理士と会計士の違い

求められている業務の内容が全然違うんですね。企業の会計と監査、また、決算書が正しいかどうかという点をチェックするのが会計士です。会計士の中でも、「監査法人」に所属している会計士は主に監査業務をおこなっています。

対して、税理士は各種申告の補助をします。会計をもとにして組み立てていく業務なので、会計に関する情報、知識を理解している必要はありますが。

 

これからの時代の税理士、会計士の役割

 

—今後は、IT化やクラウド化を含めて効率化が進んでいく時代ですが、そういった状況の中で税理士、会計士としての価値というものはどういうものになってくるのでしょうか?

 

従来、特に書類等の作成を手書きでおこなっていた時代は、その業務だけで相当な時間がかかっていました。しかし、今はIT化で効率化されています。

ですから、相談業務がとても多くなってきていますね。事務処理しかおこなわない「先生タイプ」の税理士ですと、これからシゴトはどんどん減っていきますが、相談業務を主としていると、絶対にシゴトはなくなりません。

会計、税務に関する「数字」をいかに扱うことができるか、その情報で何をするかというところがとても大事になっていきますね。

 

—より、品質的な職業になっていくということですね。ありがとうございました!

 

<インテグリ税理士法人の情報>

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