山形市職員 大場俊幸氏 一般的には「ワーク・ライフ・バランス」と言われますが、僕は「ライフ・ワーク・バランス」だと思っています

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仕事で工夫していること・考えていること(職業観・ポリシー)

 

「はたらく時間」は人生の3分の1

 

「はたらく」ことは、とても尊いことで、シゴトによって人は磨かれると思います。しかし、人生の「部分」にしか過ぎないと考えています。一般的なサラリーマンの場合、時間で言えば人生の「3分の1」でしかない。

定年退職しても、残りの人生は「20年」以上あります。退職後、結果的に「組織の看板」を下ろすことになりますが、看板がなくても自分はこうだと言えるような生き方が大切だ、ということを考えていますね。

 

ライフワークバランス

 

一般的には「ワーク・ライフ・バランス」と言われますが、僕は「ライフ・ワーク・バランス」だと思っています。必ずしも働かなければいけないわけではないし、人生の中で働いていない時間の方が多い。

経営者は「会社を背負う」役割ですから、(構図として)「ライフ=ワーク」になりますよね。自分が管理職や経営者になったつもりで考えたり働くというのはとても大切なことです。でも一般的な労働者の多くは、「ライフ=ワーク」という構図は当然には成り立ちません。

影響力のある人の意見というのは、「企業の経営者」「社長」だったりしますから、そういう意見ばかりを鵜呑みにしないで、今の自分はどこを目指すのか、どう生きたいのかを問うことも大切かな、と思いますね。ただし、誤解しないでいただきたいのは、働くのは人生の一部だからと言って、人生を楽しむことを優先して仕事の手を抜くこととは違うということです。きちんとプランニングして人生を楽しみつつ、仕事もきっちりやる。これが大事なポイントだと思います。

「ライフワークバランス」を考えるのがいかに大事か。シゴトによって心身の病気になって人生を棒に振ってしまう人もいるわけですからね。自分の「ライフ」の部分をしっかり持ったうえで、ワークとライフのバランスに気を遣うことが重要です。身近な人の死や、自らの大きい病気を経験して、ここに後から気づく方も多いんです。

僕がこの考えを持てるようになったのは、なんといっても海外での経験のおかげで。

 

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生き方の多様性に気づいた海外経験

 

海外旅行をして現地の人に「何日間の旅行なの?」と聞かれて、「5日間だ」と答えると、「どうしてそれしか休みをとらないの!?」とびっくりされます。日本では5日間でも休みを取り過ぎだと言われるけど、欧米の人たちは、働くときは働く、休む時はしっかり休むでメリハリがある。

それでいて、国家としての経済力はそれなりにある。どちらの考え方が正しいとか、正解があるわけじゃないけど、価値観の違いを知って、僕が常識だと思っていたことは、儒教思想がベースになっている地域の常識であって、世界の常識じゃないんだと気づいたんです。

また、海外では、70歳を過ぎてもボートで観光案内のシゴトをしている方と出会ったり、70過ぎでセスナ機を操縦する方に出会ったり。また、今でこそ「個人ツアー」が日本でも流行っていますけど、それよりずっと以前から欧米では、ご年配の方でも夫婦で旅行にかなり行ったりしていたんですね。

そういう(日本の価値観とは違う)部分を見て、従来の自分の「ワークライフバランス」の価値観が崩れていった、というのはありますね。

そういう生き方を見たときに、「こういうの、いいな」と。「そういう風に生きるためにはどうすればいいのか?」逆算して考えてきて、”今”があるのかな、と思います。

社会のためだけに働くのでなく、家族や自分のために働くという意識もあるので、(シゴトだけではなくて)自分の家族を一番大事にしているし、きちんと家庭での時間を取るということは当然意識していますね。なかなか実行はできないですけど(笑)

 

大場さんのような職種・業種に必要なスキル

 

営業力

 

民間はマーケティングや営業が必須ですよね。当然ですが、(商品・サービスを)売る必要がありますから。統計や行動経済学を駆使して、どこにお店を作ったら人が集まるのか、その結果、どのくらいの売り上げがあったのかをしっかり検証して、赤字が出ないように原価や調達コストを低くして利益を高めるとか、結果に対してものすごくシビア。だから売れる商品やサービスを作ろうと必死になる。

それに対して、行政は、例えば公共施設の設置場所一つとっても、民間じゃ絶対作らない場所に作ってしまったり、利用しにくいような制度をつくってしまったりするのは、よく悪い例で挙げられたりします。

人が集まりたくなるような、利用したくなるような「売れる商品やサービス、イベント、仕組み」を作っていかなければいけません。公務って、公権力を扱う仕事だから、極論を言えば、やろうと思えばできちゃうんですよ。でも、人や組織、地域を本当に動かすには、人の心を動かすことが大事だと僕は思うんです。そのためには、一流の営業マンのように、「人の気持ち」を知ることができる公務員が求められていると思います。

 

人間力

 

公務員試験を受けて合格すれば、公務員になることはできます。しかしやはり「人間力」がないといけないんですね。

「対外的な交渉」や「人の教育」に携わるためには、自分自身が”信頼されている人間”であるかどうかというところが特に重要で、そういった部分が人間力になります。

「堅いお役所人間」ではなく、人間として誠実で魅力的な行政マンでなければいけないということです。

 

チャレンジングであること

 

リスクを取りたがらない傾向というのは、どうしても出てきてしまうものなんですよ。そうならずに、「失敗してもいいから、やろう!」という風に思えるかどうか。

無難な考えでは「無難なシゴト」しかできない。ですから、「チャレンジできる人」であることが重要です。

 

大場さんのような職種・業種を目指す方々へのメッセージ

 

「本を読め、人に会え、旅をしろ」ということでしょうか。自分の「固定概念」を壊す作業が大事です。

”考え”というのは、必ず凝り固まってくるものですから、若いうちから様々な経験をしていくことが大切ですね。

大事なのは、今のあなたの価値観が一生続くわけではないことを知ることです。自分がとても気に入って買った服なのに、何年か経ったら恥ずかしくて着れないことって、ありますよね。

スゴい人に出会ったとき、海外に行ったとき、自分の病気や身近な人の死に際したとき、結婚してこどもが生まれたとき、あなたの価値観は必ず変わっていきます。それを柔軟に受け入れるとともに、事前に予測してほしい。

自分自身の才能や努力の結果も必要ですが、それ以上に、人は周りの環境や出会う人からの影響を大きく受けながら成長していきます。

僕は人に会ったときに、肩書や働き方ではなく「生き方」を訊きたい。日本社会の一部の中では肩書はそれなりに重んじられますが、自分の属する社会という井戸から出たら、(例えば社長であっても)ただの人ですよ。こども達や、旅先であった人の前では肩書なんて通用しない。自分は何を大事にして、どんな人生を送ってきたか、これからどんな人生を送りたいかを語れて実行できる人になってほしい。

正解はありません。時に妥協が必要な時も来るかもしれないけど、正解主義に毒されず、自分が納得できるような生き方を自問自答してほしい。

それが、「IKIKATA」なのではないかと思いますね。

 

—ありがとうございました!

 

 

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