株式会社つるかめ伊藤 順哉氏が語る、これから求められる介護職とその未来

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仕事で工夫していること・考えていること(職業観・ポリシー)

 

「良いこと」ではなく「正しいこと」を実践する

—施設を経営していくうえで、実践している考えや理念には、どういったものがあるでしょうか?

 

施設を利用される方々には、いつまでも家で暮らして欲しい 。それが私たちの願いなんです。病気をして、身体が一時的に不自由になっても、どうすれば今、出来なくなっていることが出来るようになるかを考えています。

「福祉・介護」だからというだけで良いことをするというのではなく、正しいことをする。言い換えれば、「介護保険の理念に沿う」ということですね。それが私たちのルールブックの一丁目一番地であるといえます。

もちろん、そのうえで「つるかめ」の特徴を出すことも考えています。「とことん自立支援にこだわる」という考えを実践していますね。

たとえば、「おじいさんの墓参りにもう一度行きたい」と願っているおばあさんがいたんです。足を悪くして車いす生活でした。おじいさんのお墓は、急な坂の上にあるから、車いすではお墓参りに行けないと。

そこで、その願いを我々がどうやってかなえることができるのかを考えました。願いや夢をかなえるために、目標という「小さな課題の階段」を見える化して、一つひとつの課題をクリアしていく、その先に自分の叶えたい夢があるんです。

私たちが聞いたおばあちゃんの夢をご家族にお話ししました。そうしたら、娘さんは「おばあさんが墓参りに行きたい」と思っていたこと自体、知らなかったと。「つるかめさんだから本心を言ってくれたんだね」とおっしゃっていました。

結果的には、半年後、娘さんに手を引いてもらい歩いてお墓参りに行くことができたんです。私たちは、そういった夢と目標をかなえるプロセスに携わることができるんです。目標が達成できた時は本気で嬉しいですよ。

 

職員のマネジメント

—施設の雰囲気を見ていると、職員の方一人ひとりが楽しく、仲良く仕事ができているように見えます。職員の方々のマネジメントに関しては、どのようなことを実践していますか?

職員のみんなは、この仕事を通じて人の役に立ちたいなどの「思い」があって入ってくれています。その当初の気持ちをいかに持続できるかというところを考えています。

そのために大事にしていることは「動機」「目標設定」「成功体験」の3つです。

具体的には、まずは「ありがとう」を意識すること。あいさつや心遣いなどを利用者さんにも、職員にも大事にしてもらっています。

「与えるものは与えられる」という言葉が好きで、その感覚をいつになっても忘れないことが大切ですね。

また、利用者の方々だけではなくて、職員のみんなに「夢」をかなえるための行動をしてもらえるようにしていますね。たとえば、「新車で〇〇が欲しい」とか、「ハワイに行きたい」と考えている若い子には、どうやったら夢をかなえられるか、目標を達成できるかなどの勉強会が入職時の研修に組み込まれています。

 

異業種からの学び

介護職では常識だけど、他業種では非常識である部分。あるいはその逆の部分は結構あります。また、他業種における視点やアプローチの仕方からも学べる部分は多いです。

たとえば、お店に行けば「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」というのは当たり前ですよね? でも介護業界では当たり前ではなかったんです。「お客様」ではなくて、「お世話が必要な人」みたいな見方をする人がまだまだ多いんですよ。

そんな事もありつるかめでは、異業種から学ぶ企画のひとつとしてディズニー研修を行っています。ディズニーランドのホスピタリティ精神を介護の現場へ取り入れるなど、異業種からの学びは大きいですね。まだまだ私自身も勉強が足りません。

 

伊藤さんのような職種・業種を目指すために必要なスキル

 

介護職に必要なのは、伝え方のスキル

今、介護職に就くことはそう難しいことではなくなってきています。

しかし、この仕事で「働きがい」を見つけそれを維持するには、人とコミュニケーションを取るのが好きだったり、人と会うことが好きだったりという要素が必要だと思います。

でも私は、「だれとでも仲良くなれる」ということだけがコミュニケーション上手ではないと思うんです。自分の思っていることを相手にきちんと伝えることは難しいんです。

まずはその「難しさ」に気づいてから、「うまく伝えるためにはどういった工夫が必要だろう?」ということを考えられる方が、コミュニケーションが上手になるんだと思います。

 

アイディアマンはこれからの介護業界に向いている

—介護職には、どのような人が向いているでしょうか?

「人と接するのが好き」「人が相手の仕事がしたい」という方はもちろんですが、「アイディアマン」も、この仕事に向いていると思います。まだ介護保険制度が始まって16年ちょっとの業界ですから、自分のアイディアや思いをカタチにしやすい業界です。

ITで介護の現状を変える人も増えればいいなと思っています。

介護保険の枠にこだわらなくていい産業規模にもっともっとなっていきます。だからこそ「自分の思いを形にしてみよう」という人にとって、色々なことができる「未開拓の地」だと思いますね。

 

伊藤さんのような職種・業種を目指す方々へのメッセージ

 

異業種の方々と関わっていて、色々な産業の方から「この業界はまだまだ色々な面で挑むことができる、これからのフィールドである」と言われています。

様々な産業が「介護」に注目しています。また、介護の仕事は、「3K」なんかではありません。介護の仕事は「人の人生に寄り添える仕事」なんです。

これからの介護業界はやれる事も増え、これまで以上楽しくなりますよ! 「介護業界をもっともっと明るくしていきたい」本気でそう思っていますね。

—介護業界の将来は、これからもっと明るくなっていくと感じました!ありがとうございました!

 

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