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仕事で工夫していること・考えていること(職業観・ポリシー)
いかに主体的な人同士の本気の現場が作れるかどうかを考えています。特に気にしているのは学生と企業のマッチングの部分です。
企業と学生をマッチングさせる際に重要なのは
1.互いのニーズ
2.互いのキャラクター
3.学生とプロジェクトのレベル感
の3つがマッチしているかどうかです。
本気同士のぶつかり合いになるかを調整するところに我々が介在する一番の意味があるんです。
‐‐‐それは具体的にどう調整していくんですか?
手法的なところで言うと、きちんとプロジェクトの全体像を描くということです。
そのためにも「表面的なニーズではなく真のニーズをきちんとヒアリングすること」を徹底します。
学生なら「あなたはどこに向かいたくてそのために今何をしたいのか」ということをきちんと本人が話せるようになるまで向き合います。
企業とも「今の課題はなんですか?」ということを徹底的に話し合います。
双方にプロジェクトをやり遂げる覚悟があるかどうか、本当にやりたいことなのかどうかを外部から見極めるんです。
表面的なやりたいことや必要な事にとらわれている人は、そもそもこのプログラムには参加できないようになっています。
また、私たちはいろんなスキルは持っていますが、あくまでも主役はプロジェクトに参画をする経営者と学生です。
彼らの主体性を奪わず、損なわないように気づきが起こりやすい場を作ることに気を付けています。
加えて、コーディネートと言うのは必要なタイミングで情報が重なった時に起こるシナジードライブだと考えていて、本当に良いコーディネートが起こるのは、実は社内なんですね。
それは、情報を持ち寄った者同士が、社内で話をすることで全く新しい価値を生み出すことがあるからです。
例えば、普通だったら知る由もない「石巻でIT企業を立ち上げたいという人」と「ITのスキルがあってしかも石巻出身みたいな人」がそれぞれの会社内でそれぞれ情報を出し合うことで、私たちが両者を繋ぐことができますよね。
それはプロジェクト外の話になりますが、それこそが私たちが団体として参画する意味かなと思っています。
ですので、社内間での情報共有だとか、情報交換は積極的に場を作るようにしています。
内藤さんのような職種・業種を目指すために必要なスキル
地域を良くしたいという想い
自分の住む地域をよくしたいという気持ち、想いが一番重要です。
もっと地域はよくなるんじゃないか?と思い、行動をしている人には向いていると思います。
また、既存の仕組みに疑問を感じていて、新しい価値を創造していくことに興味関心がある方には向いています。
必要なスキルがあるわけではなく、想いがあって行動した結果ついてくるものがスキルなのです。
‐‐‐地域を良くしたい思いはどんなところから生み出されると思いますか?
企業の場合は郷土愛、学生の場合は地域を良くしたいという思いがあるというよりは自己成長という感じがしますね。
そしてワカツクの場合ですが、メンバーがソフトの面でまちを良くするということに関する課題感を持っているところにあります。
洞察力
コーディネートはコミュニケーションが重要です。
個人的にコミュニケーションにおいて一番大切にしている部分は共感なんですね。
そういう意味では洞察力は重要なスキルになります。相手が何を言わんとしているのかを察知する能力です。
人に「聞く」という仕事がほとんどですので、言葉になっていない気持ちを言葉にすることが喜ばれるポイントですね。
内藤さんのような職種・業種を目指す方々へのメッセージ
私たちは、結果的に街が良くなっていくことをソフトの面から行っている団体です。
目には見えづらいものではありますが、結果として数十年後に「新しいことを始めるならあの地域」と言われるような文化になればと思っています。
シリコンバレーがITの聖地と言われるようなイメージです。
‐‐‐個人がまちの中で新しいことを始めるために必要な条件はなんでしょうか?
ネットワークです。
個人で何かを始めるというのは、まぁそれをやればいいですが、次のステップとして重要なのは巻き込む力です。
モノをつくってそれを磨いていくというプロセスが大事で、それには仲間が必須です。
普通に会社員をやっているとビジネス上の繋がりしかないですが、その中でもいかにビジネス以上の繋がりを生み出せるかだと思いますね。
俗に言う「ご縁」みたいなものですが。どれだけ良い人に巡り合うかというのが人生を幸せにする意味でも大切です。
加えて、まち単位でより新しいことが生み出されていくためには
1.自分が何に価値を置いているのか、価値観はどういうものがあるのかを理解する
2.自分のやりたいこと・価値観を情報発信する
ということが個人間でどんどん増加していくことが重要ですね。
‐‐‐理系の就活生へのメッセージをお願いします。
「理系は絶対値で考え、文系は相対値で考える」
だいたいの理系脳の人って自然法則に従って考えるので、ある限られた範囲内の振れ幅を考えるんです。もちろん例外はいますけど。
でも文系、ここでいうとビジネスの世界って何か1つのことで物事が全然違う方向に変わってしまうことがあって。
だから理系の人は「そもそも範囲からずれていいんだ」とか「変わっていいんだ」ということを知っておくのがいいんじゃないですかね。
就職転職を考えるときには、何ができるのか?から選んではいけないと思います。何がしたいかです。
私は、理系エンジニアから街づくりNPOに入っていきましたが、過去に使ったスキルをそのまま利用していることはありません。
しかし、もっと深いところにある仕事に対する姿勢であるとか、物事を構造的に捉える思考であるとか、全体の中の一部分であることを把握するために、マクロとミクロを行ったり来たりするスキルは、現職でも役立っていますし、人との差別化の要因にもなります。
どんな経験も、次のフィールドで役に立つことはありますので、一番大切なのは前に進んで行こうとする気持ちなのだと思います。