関係構築に時間をかけないことが大切 キャリアコンサルタントとしての生き方

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仕事で工夫していること・考えていること(職業観・ポリシー)

 

-キャリアコンサルタントとしての仕事の部分で掘り下げてお聞きしたいのですが、普段工夫していることってなんでしょう?

「関係構築に時間をかけないこと」ですね。
本題になかなかいかず、関係構築のための話を延々とすることがないようにしています。

コンサルティングという仕事ですから、相手の方は「悩んでいる」わけです。
なので、「話したいこと」「話すべきこと」を聴けるように、努めています。

-アイスブレイクに長い時間を使わない、ということですね。

営業のお仕事もそうですが、「お客様が本当に困っていること」を聞聴かなければ意味がありません。限られた貴重な時間でアポイントをもらっているわけですからね。
解決したいこと、話したいこと、それらを最大限の時間を使って話してもらえるように心がけています。

-確かに、私と話していただいたときもそうでしたよね。お話を「引き出していただいた」という感覚がありました。
でも、時間を使わずになおかつ「関係構築」をするということはけっこう難しいことだと思うんですが、「こうすべき!」というポイントはありますか?

よく使う手法として「ミラー効果」ですね!最初は目を合わせて、笑顔を見せる。
相手が無意識につられて「目を合わせ」「笑顔を見せて」くれたら、リレーションの第一関門突破です。アイスブレイクは、すでにこの動作でできていると判断しています。

ミラーリング
コミュニケーション手法の一つ。相手の動作に対して、まるで鏡のように自分の動作も合わせる方法のこと。

あとは「人間観察」です。
こんなことを話すと「どんな風に見られているのか」と、思う方もおられるかもしれませんけど、皆さんもおそらく普段から無意識にしていることです。

人の動作からわかることってたくさんあるんですね。
「会話のスピード」「声の大きさ」「目線の行き先」「ボディランゲージ」などといった部分ですね。
派遣会社に勤めていた際、来訪から書類記入・面談と一人の所作を見てから、適性検査を見る経験を何百人も行ってきたので、所作からわかる人物像のデータベースがしみついているんですよ。

ただし、それに頼りすぎないように気をつけています。
相談の中で見立てが違う場合には、かかわり方を修正しますし、データベースはあくまで見立てとして参考にするだけで、ひとりひとり向き合うことを大切にしています。
-何か他にありますか?

「本人に決めてもらうこと」ですね。
仕事上、こちらから提案をさせていただくことはするのですが、「最終的にどうするか?」という最終的な決定は相手にしていただきます。
その承認を得てから支援をスタートする。支援の場で、しっかりと承認の時間を設けています。

そこで少し変わった方法をとっていて、目の前でその支援者の話をメモして、支援者の頭や心の中を紙の上に見えるようにしています。
そうすると、だんだんと自分の考えていたことや思っていたことが、はっきり見えてくるんです。考えていなかったことや思っていなかったことまで、そのメモを見ると出てきます。

そこまでハッキリ見えてくると、後は自分で進めたりすることもできるし、そこで進めなければ、進むための選択肢を一緒に考えます。

そして、そういった支援の中で「自分にできないことはできないと言う」ようにしています。

-コンサルティングだと、「なんでもできる」と思われがちですもんね。

 

今野さんのような職種・業種を目指すために必要なスキル

 

-キャリアコンサルタントになるために様々な経験を積んできたと思いますが、後からご自身の経験を意識的に振り返ってみて、「積んでおいたほうがよい経験」などはありますか?

私は、仕事に対する考えというものがぼんやりしていたので、まず「キャリアコンサルタント」になろうと思って「キャリアコンサルタント」になったわけではなく、結果的に「キャリアコンサルタント」という仕事をしているという感じです。

今の仕事では「何も考えないでとりあえず目の前にあることをやってきたこと」が役に立っています。「どうやって話そうかな?」「どうしようかな?」と考えながら、実践していく、ということです。

ですから、大切なのは「とりあえずやってみる」ということだと思います。
そうすることで、何も考えていない状態から、だんだんと物事に対して考えるようになっていく状態へとなっていきます。
人から言われたことをやるだけではなくて、自分自身で考えることによってできるようになったことが自分のスタイルを確立していく、ということだと思います。

-「とにかくやってみよう」というところから、問題解決の意識へとつなげていくことだと思うのですが、困っている人が「今野さんに相談してみよう」と思えるようなメカニズムってあるんでしょうか?そういうのって、みんながほしい、必要としているスキルだと思うのですが。

相談者の多くは「自分が何で悩んでいるのかわからない」人が多いのです。
悩んでいるのだけれど、何が課題なのか、何が問題なのかわからないんです。
ごちゃごちゃに絡まった糸みたいな状態なんですよね。

糸をほどかなければ、布にすることはできないし、ごちゃごちゃの糸を放っておくこともできますが、糸をほどけない人がまた新しい糸を扱ったところで途端にごちゃごちゃの絡まった糸玉ができるわけです(笑)。

新しい布をばんばん買って解決する人もいますが、そういう方は支援の対象ではありません。自分で解決できますから。
私がかかわっているのは、糸をほどきたい人。そしてその糸で布を作りたい人です。

なので私のやっていることって「ごちゃごちゃに絡まった糸をほどいて、織ってきれいな布にしていくための支援」という感じですね。

-アポをとって直接話して、問題解決のための糸をほどく。それが「とりあえず今野さんに相談してみよう」という状況を生むんですね。こんな職歴があると、キャリアコンサルタントになれる!という具体的職種や特性はありますか?

キャリアコンサルタントって厚生労働省のHPになり方が書いてありますが、

リンク先:『キャリアコンサルタントになるために 厚生労働省』

個人的には誰でもなれるものだと思っています(笑)
現に私は高卒ですし、職歴も多いです。でもキャリアコンサルタントです(笑)
その上、人にかかわるよりも、ものづくりの方がどちらかといえば好きです(笑)

「キャリアコンサルタント」という名称を求めるのではなく、誰を支援対象に、どんな風に「キャリアコンサルタント」として働くかが大切だと思います。

たとえば、私は「企業」を対象に、「支援機関」で「雇用支援」という分野のキャリアコンサルタントをしています。
採用活動に関することや、学生のキャリア開発に関することなどが業務として多いのも、これまでの経験が由来して、結果的に「キャリアコンサルタント」として働いています。

ですから「接客」や「営業」という人とかかわる仕事をしている人が「キャリアコンサルタント」になっているケースもあるし、「人事」という仕事をしている傍ら「キャリアコンサルタント」という仕事をしている人もいます。

誰に、どこに、向き合うのかということが大切だと思います。

先ほども言いましたが、私は「人とかかわるのが好きか」と言われれば、一人でものづくりをしている方が好きなタイプだったりします(笑)
でも「きちんと向き合えていれば」大丈夫。
そういう意味では、あまり感情移入しすぎず、客観的に物事を見る姿勢も必要だと思います。

 

今野さんのような職種・業種を目指す方々へのメッセージ

 

-キャリアコンサルタントを目指している方にメッセージをお願いします。

「人間観察」をして「人間関係」を大切にしてください。

人にはたくさんのタイプがある、ということを知るためには人をしっかり観察してみること。そしてその人に向き合って話をする。
そういう積み重ねの中で人を理解するということが大事です。
たくさんの人と出会った分だけ、「経験」となり自分だけの「データベース」ができます。
いわゆる「引き出し」ですね。
キャリアコンサルタントに限らず、社会ではこの「引き出し」がたくさんあったほうが、とても役に立ちます。

-そのような積み重ねが、仕事における判断材料になるんですね。
特に、相手と話して相手が抱いている問題をきちんと引き出す。きちんと問題解決をするということ。「問題解決力」も大事だ、ということですね。ありがとうございました!

 

 

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